新宿酒場ロン 新年会

５日金曜の夜、ゴールデン街新宿酒場ロン
銀さんと新年の挨拶を交わす.
「昨日までの対談よかった。ムラマサの斬れ味冴えたね」
「ありがとう」

青の和服を着た洋子ママが、少し陰鬱気味に言う。
「渋谷のアレ、ひどいわ、ゴミ袋の中に娘の頭を見た母親はどうなっちゃうのかしら」
「深層心理的にトラウマとして一生残るだろうね、もうゴミ袋は見れない、捨てられない」
それに、私はつけ加えた「食事は受け付けないだろうね、母親も歯医者だけど、仕事ができるか疑問だね、精神的に」
銀さんが口をはさむ「あんなくらい、なじられて殺したり、バラバラに切り刻んでいたら、俺なんかもう千人くらい殺してるよ」
「きゃ～、恐怖の殺人鬼ね」絵美が大げさに声を張り上げる。
絵美が言うには「殺された娘は、知り合いの芸能記者から教えてもらったけど、ある芸能事務所に所属しているタレントで、Vシネマに出ている子なのよ。芸名もある」
「いずれにしても、親御さんは同時に子供二人を失ったわけだ、しかも最悪のシナリオで」

皆が静まったところで、話題を変えた。「フセインのリアル映像を見たけど、人間の死なんてあっけないね、ふーと下に落ちておしまいだもの。
フセインは毅然としていたけど、なぜここにいるんだ、みたいな顔をしていたな」
「アメリカとイギリスは、これによって、さらにヤバイことになる。英米人に対する誘拐、殺害、テロはネバーエンディングストーリ－になるだろう。イスラムの教えは、歯には歯をだから、殉教は天国への入り口だと教えられている。
我々としては、それに巻き込まれないようにしたほうがいい。
特に英米系の飛行機、建物は危ない」
洋子ママ「私、ニューヨークへ行くのよそうかな」
「ママは大丈夫よ、絶対にアメリカ人には見えないから」絵美が減らず口を叩く。「それ、ほめてんの？」ママが気色ばんだ。かつては三菱商事で知られた無口じゃなくて六口の洋子、つまり口が６個あるということ。その分、情報は早い。銀さんすっーと奥へ逃げた。

、
☆かつてのイラク王が吊るされたリアル映像を３回見た。気分のいいものではない。　絞首刑を執行するなら、かつての独裁者といえども、最後は、規律のなか敬意をはらった死をもたらすべきであった。　さもなくば彼に剣を持たせ戦わせて殺せばよかったのだ。
フセインの生々しい絞首刑の隠し取り映像である。　
彼の最期は、首に太いロープをかけられても毅然としていた。落ちていく瞬間は、目を見開きまっすぐに落下したことを証言しよう。

☆紅白で裸のダンサーに抗議がNHKに殺到したそうな。
ボディスーツを着ていたと弁解していたが、弁解になっていない。
下の毛を見せておいて、本物ではありません、毛糸の毛ですと弁解しても意味が無いのと同じである。　個人的には良かったが。

☆渋谷の歯科医の短大生お嬢様が、正月に家族がいない間に、自宅でバラバラに切り刻まれて、ゴミ袋に入れられていたのを母親に発見されたそうな。
魚のアラじゃあるまいし、こういうことを犯った悪魔の次男はただじゃ済まないと知るべし。　大人しい青年であったと人は噂するが、人の心の闇には触れられない。
父母の嘆きは例えようもなく、人生の地獄である。
（肩のムラマサが低く鳴いている）