名取裕子

女優の名取裕子さんがテレビのトーク番組で、次のように言い放ったことがある。
「私は負け犬ですから」　サラリと、しかし自負を持った言い方が印象的であった。　
話の前後をかいつまんで説明すると、その意味は、結婚せず、子供も作らず、いい歳こいて一人身でいることだそうな。
その時、初めて聞き知ったが、なるほど言い得て妙だなと感心もした。
最近のデータでは、日本では年に７５万組が結婚し、３０万組が離婚するそうである。　（離婚率４２％）
１００人が１００人、離婚しようと思って結婚式を挙げる人はいないが、それでもボロボロと離婚してしまう。アメリカでは３～４回の結婚が普通だそうである。
ある社会学者の調査報告では、夫婦は３年で恋愛感情が無くなり、その後は共同生活者としての関係になるという。　子育てにエネルギーをとられ、子供がいなければ離婚予備軍になり、夫は仕事とセックスは家庭に持ち込まないという笑うに笑えない話まで出てくる。妻は妻で、亭主元気で留守がいいとなってくるのか。
人は本来自由であり、結婚し子供を作り家庭を築くのも人生、一人身で自由恋愛と孤独を楽しむのも短き人生の選択なのである。　人それぞれに人生の舞台における役回りがある。
負け犬という淋しい言葉ではなく、何かを成し遂げる人として生きねばならぬ。
生まれてから死ぬまでには、人それぞれ星に定められた宿命があるのだから。