武田じゅうめい 愛と誠と正義

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人には日の丸が足りない

不二家、夫、妹バラバラ事件簿

2007年01月17日 | 人間の欲望
新宿酒場ロン
水割りを飲みながら島と話をしていると、絵美が顔を出した。
不二家の取材ご苦労さん、と島が声をかける。
銀さん、ビール一本抜いて、絵美の前のグラスに注いだ。
「不二家の社長、ちょっとおかしいわよ」絵美が早速、記者会見の話を始めた。
消費期限切れの牛乳とか加工リンゴのことを質問したら、
「お腹が弱い幼稚園児が食べて、お腹を壊す程度であるから、大丈夫です」と社長が喋ったのよ。「信じられない」
最初は、「牛乳を残すと怒られる弱い立場のパートが勝手にやったこと」
とか「うちの昔かたぎの職人は品質管理を知らないから」とか言ってたわ。
そして、最悪なのは「毎日、何匹ネズミが取れたか棒グラフにして工場に張っているそうよ」
つまり、これだけネズミを駆除しているから衛生管理は大丈夫という見識なんだろうね、島が解説する。
怖いのは、それを正しいと理解しているところね。
島の情報では、「森永が不二家に食指を動かすそうだ、何と言っても、不二家は、最近は赤字だが、名門だから不動産等の優良資産を持っている、それにアイスクリームのサーティーワンは不二家がやっているから、その商権を握りたいらしい」
コンビニ、スーパーがアウトだから業界再編になるな。
銀さんに「株はどこを買ったらいいかな」と聞いてみた。
元山一の凄腕いわく「今日は反発した不二家が、急落するだろうから、そこが勝負だね」
明日は売りか、と島が呟いた、

お店の音楽が今井美樹のプライドに変わった。
夫バラバラ事件の妻は「結婚したころ、子供を中絶していたのよ」絵美が言い始めた。「誰の子供か分からない、そんなところだろうね」島が言う。
「結婚式は友達同士の普通の会食で、親が来なかった」つまり家庭に問題ありね。「自分は独身で外資に勤めるキャリアウーマン」と外では言ってたそうよ。
殺した方法は、ワインボトルじゃなくて、ボーリングのボールで、寝ている後頭部を強打した。飼っている犬の目の前で、のこぎりでバラバラにしたのよ。
頭なんか小田急線で町田まで運んで公園に埋めたから普通の神経じゃできない。
きれいごとを言っているけど普通じゃないって、桜田門も顔をしかめていたわ。

歯科医のバラバラは、「なじられたとか、夢が無いとか、歯科医になるのは人まねだとか、そんなきれいごとじゃない」「そんな理由では人を殺せない」
「妹に見とがめられて、親に言いつけるとなじられて、というのが桜田門の見方だね」「どうして?」「証拠が出てきたのさ」「何それ?」
いずれにしても、バラバラミンチ殺人は消しようが無い事実だから、そこで収束するんじゃないかな」
「どれも気持ちが滅入るね」銀さんため息をついた。
(ムラマサ、波の刃紋が冴えている)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする