環境問題、とりわけ里地里山の保全に関わるようになって以来、強く感じていたことがある。それは、問題の捉え方や解決に向けての視点・方法論について、主宰団体や関係者がそれぞれが我田引水、てんでにいろいろなことを言ったり行ったりしており、中には全く相反するような主張や行動もあったりして、調整をする場が必要だということである。
関連学会やお役所関係では交流の場もあるのだろうが、こうした活動の実戦部隊となるべき主人公は市民、地域住民でなければならない。そうでなければ、それぞれ特徴のある地域に根ざして、地道に数十年、数百年の長いスパンで継続していかねばならないこれらの活動は、いくら掛け声ばかりが高くても到底持続はできないだろう。
そんな折、環境省の外郭団体=「(財)水と緑の惑星保全機構里地ネットワーク」が「里なび」というネット交流の場を作ったので、また天下り先作りかとの懸念をしつつも期待を寄せたいことは以前にも書いた。
まだまだ交流、調整の場には程遠い情況が続いているが、チョットは期待できそうな全国縦断コンサートツアーのようなシンポジウムがただいま進行中である。その“京都公演?”=「里地里山シンポジウム」が明日予定されている。
これまで環境関連のイベントには失望させられることが多かった。今回の“京都公演”も、地方都市開催分のミニシンポと違って、その道の権威を自認する方々ばかりからなるパネラーのおしゃべりを参加者が有難く拝聴しお勉強をさせていただくという、安直でありがちなシンポジウムで、市民、地域住民の関わりがない点で不満はある(大体、学者をはじめとしたヒマ人しか参加できない平日の昼間に計画する時点ですでに市民への配慮に欠けている)が、今後の展開への期待の可能性を探る意味で参加してこようと思っている。おヒマな方は行ってみてはいかがでしょう。なお、地方都市開催分のミニシンポは、なかなか充実した内容だっただろうことが終了分のレポートからもうかがえて大変参考になります。
あらためてその様子はレポートします。ま、私のことですから素直には見ません、かなりの色メガネで斜交いから眺めることにはなるでしょうが。(いろんなメガネを掛け替えて、いろんなはす方向から見て初めて真実が見えてくるものです)