このところ病院通いが“趣味”になってきた。
先々週末、虫歯の歯痛と思って歯医者に行ったら、「虫歯じゃないですよ。副鼻腔炎です。」そう言われてみれば、虫歯なら継続して痛むし、時間が経つにつれて痛みが強くなってくるものだ。私の痛みは断続的だったし、歯医者に行ったころにはほとんど痛みは出なくなっていた。今ではなんともない。もっとも痛みを感じてなかった他の歯に軽い虫歯がある、ということでそちらの治療は続いている。
さて、問題は別にあった。
4年ほど前からだと思うが、気が付いたら口腔内上顎に白い小さな“できもの”ができていた。気付いたときは米粒くらいだったが、最近では山椒の実くらいになっていた。別に痛くもないし特に不都合もないのでほとんど気にかけていなかったのだが、歯医者へ行ったついでに診てもらったら、「大したことはないと思うけれど、一応大学病院で診てもらってください。」と紹介状を書いてもらって京大病院へ行ってきた。
京大に歯科があるとは知らなかった。歯学部はないのになんで歯科があるのだろう?そんなことはどうでもよい。
口腔外科のT先生は若い女医さん、小柄だがなかなかの美人だ。「ラッキー」なんて心の中でひとりごちながら、『あっっ、先生の白い細い指が私の口の中に..』なんて妄想を膨らませ..、そう言えば、“谷崎の作品”にこんなのがあったよなぁ(映画にもなった。ん?T先生、愛染恭子に似てる?)。
最初の見立てでは、「悪性のものではなさそうだけど、念のためX線検査しておきましょう」、ということでX線写真を撮ってもらったら、なんと上顎の“できもの=腫瘍”のある部分のウラの顎骨に穴が開いている!骨が無い!腫瘍に食われた!?
(私)「骨に穴が開いてるんですかぁ?このまま広がってどんどん骨が無くなっていくとマズイですよねえ。」(先生)「ええ、マズイですねぇ。」。先生、テスターみたいな電極を歯にあてて、「ちょっと電気流しますよ-、(気持ちよかったら)もとい、痛かったら言って下さいねぇ」「イタッ」「歯は生きてるようですね」なんて、漫才のようなのんきな会話を交わしながら、妄想のためかイマイチ危機感がわいてこない。
ま、とにかく放っておくわけにも行かないだろうから、ということで手術で除去してもらうことになった。『執刀はT先生がしてくれるのかしらん』『ついでにボーコー憩室の手術も一緒にやってもらうわけにはいかないかな?』などと、この期に及んでもあらぬ妄想から冷めない私であった。大丈夫かいな?