歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

興福寺・世親菩薩(国宝)  スプリング8で材質を特定 カツラ製

2008年08月13日 | Weblog
 国宝世親菩薩はカツラ製 スプリング8で京大特定(共同通信) - goo ニュース

 京都大生存圏研究所(京都府宇治市)の杉山淳司教授は、微量物質の構造を調べられる兵庫県佐用町の大型放射光施設スプリング8を使用して、運慶工房作の世親菩薩立像の素材がカツラであることを断定した
 木製文化財の鑑定は光学顕微鏡で木材の断面を観察する方法が主流であり、スプリング8を使って樹種を特定したのは初めて。
 昨年世親菩薩立像を修理した際に、偶然はがれていた長さ2mm、幅0・3mmの木片にスプリング8で強力なエックス線を照射し、コンピューター断層撮影(CT)による精密な三次元画像を観察。道管(水を通す管)のつなぎ目の構造が階段状になっている特徴などからカツラと断定した。
[参考:産経新聞、共同新聞ほか]

世親菩薩立像
 製作 承元二年(1208)、 安置場所 興福寺北円堂(奈良市)、 寄せ木造り(カツラ材)、 像高 192cm
 世親菩薩立像のことは「猪隈関白記」に詳細が書かれているし、北円堂本尊木造弥勒仏坐像台座の墨書により由諸を知ることが出来る。それによると承元二年(1208)、仏師運慶を頭とする十人余りの仏師により、北円堂本尊弥勒仏像及び脇侍、四天王像と共に制作された。

スプリング8 (SPring-8)
 電子を加速・貯蔵するための加速器群と発生した放射光を利用するための大型放射光施設。世界最高級の放射光を発生させることができる。
 1991に日本原子力研究所(原研)と理化学研究所(理研)の共同により、兵庫県播磨科学公園都市内に建設を開始し、1997年10月に供用を開始した。

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佐久市 西近津遺跡群 (1) 周辺古墳 

2008年08月13日 | Weblog
〇佐久郡にある主な古墳
 古墳時代に、佐久平には400基以上の古墳が造られるが、その殆どが10m程度の規模。その中で、主な古墳は2つ。ともに横穴式石室を持つ古墳時代後期の円墳である。 (写真は安原大塚古墳)

三河田大塚古墳 古墳時代後期 円墳・径30m、全長8.4mの横穴式石室 西近津遺跡群から南3.5kmの位置にある。

安原大塚古墳 6世紀末~7世紀中頃 横穴式石室をもつ円墳 西近津遺跡群から南東3.5kmの位置にある。
 (現地の説明版より)
 この古墳は、古墳時代後期の六世紀末から七世紀中頃の間に構築されたものと考えられ、佐久市内の古墳としては、三河田大塚古墳に次いで規模の大きな横穴式石室を有する円墳である。
 後世にいたり、周囲に手が加えられたため原形が損傷されていて、羨道の有無は確認ができないが、玄室の西壁第四天井石右の真下の基底部奥壁から、1.8m離れたところに幅1.19m、奥行69cm、高さ63cmの小出張出室をもつ特異な形態を呈する。
 遺物発見の記録はないが、羨道部と思われる地点から須恵器片や土師器片が採取されている。 佐久市教育委員会
[参考:前出]
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