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京畿漣川郡・瓠蘆古壘 「相皷」の字が書かれた高句麗・太鼓を発見

2009年06月22日 | Weblog
 韓国・土地博物館は22日、京畿漣川郡臨津江の川辺北沿岸玄武岩地帯に所在する古代城郭遺跡の瓠蘆古壘(호로고루、史跡 第467号)に対する第3次発掘調査結果として、「相皷」(상고)という銘文がある太鼓をはじめとして蓮華文瓦当、着固瓦などの高句麗時代遺物を多量に確認したと発表した。
主な出土品と発掘成果
① 楽器の一種の太鼓であることを明らかにする「相皷」という字が書かれた土製品は他の12片と共に発見された。「相皷」とは、高句麗・安岳3号墳の壁画に描かれている騎手の持つ太鼓(북)と同じようなもの。厚さは1.7cm程度で灰黒色を帯びて表面は普通の高句麗土器のように表面は磨研されている。太鼓を復元すると直径は55cm程度とみられる。口縁の部分には一定間隔で3列の穴があけられて、革をかぶせてひもを縛って固定できるようにしてある。
 この遺物は、朝鮮時代編纂された音楽専門書籍の『楽学軌範』(악학궤범)で、「相皷」という名前の楽器が絵と共に大きさ(49㎝)として出てくるため、今回の出土品と比較すると、大きさも似ているという。
 高麗史には相皷という楽器は、高麗時代に宋の国から入ったというけれど、今回の発掘を通じて、すでに高句麗時代に存在したことが明らかになったとする。
 今回の出土品は、土製品の「土鼓」のため、古墳壁画に見える太鼓はだいぶ発達した楽器という点と比べて、実際に使ったというよりは各種儀式に使った儀器だった可能性があるという見解もある。
② 2次発掘調査時に、井戸の中から周緣部が壊れた状態で1点だけ発見された蓮華文瓦当(注1)が今回は5点も発見された。ソウルの紅蓮峰第1堡壘に続き二番目となる出土。
 (注1)2006年度の第2次調査で出土した蓮華文軒丸瓦は六弁であった。
③ 建物屋根の棟両側にのせる大型装飾瓦の鴟尾(치미)が多数発見された。南韓地域の高句麗遺跡で鴟尾は初めてであり、瓠蘆古壘の中には派手さと威容を誇る建築物があった可能性がある。
④ 瓦を製作した数量とそれを使って残った個数を各々記録した文字資料のいわゆる「算板」(산판)瓦も発見された。
⑤東側城壁内側で2列の木柱穴が確認され、石垣城壁が立てられる前に木柵があったことが分かった。
[参考:聯合ニュース]
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