フランスや日本で活躍した画家藤田嗣治(1886~1968)が学生時代に描いたとみられる油絵が見つかったことが25日、分かった。
作品は、東京都内の個人が昨年、東京芸術大学に寄贈した、椅子に座った和服の女性の後ろ姿を描く油絵(縦約60cm、横約45cm)。
キャンバスの右上にフランス語風の「T.Foujita」の署名と1909年5月の日付があり、藤田が東京美術学校(現東京芸術大)の学生だった22歳のときに描いたとみられる。
鑑定した古田亮東京芸術大准教授によると、フランスに渡った後に確立した独特の乳白色の画風はまだ見られず、指導を受けていた黒田清輝(1866-1924)の影響がはっきりと表れているという。藤田は黒田に反発していたとされるが、当初は黒田の影響を受け、その後画風を大きく変えていった過程が明らかになったと話している。
これまでに確認されている作品の中で最も古いとされ、藤田がパリに渡る前の作品については不明なことが多く、画家の出発点を示す貴重な発見として注目される。
作品は7月4日から8月16日まで東京芸術大学大学美術館の「コレクションの誕生、成長、変容-芸大美術館所蔵品選」で一般公開される。
[参考:共同通信、産経新聞]
■藤田嗣治の渡仏までの略歴
1886年 東京市牛込区新小川町の医者の家に4人兄弟の末っ子として生まる。
1905年 東京美術学校(現在の東京芸術大学)西洋画科に入学
1910年 東京美術学校を卒業。
1912年 結婚(1年余りで破綻)
1913年 渡仏
2018.9.15追記
東京都美術館で開催されている、「没後50年 藤田嗣治展」で、本作品が展示されている。 本作品のモデルは、最初の妻となる鴇田とみ(ときたとみ)に面立ちが似ている。 作品の年記1909年5月は、藤田が22才の夏、房総への写生旅行の際、とみと出会った数か月前であり、とみであるとは断定できない。
作品は、東京都内の個人が昨年、東京芸術大学に寄贈した、椅子に座った和服の女性の後ろ姿を描く油絵(縦約60cm、横約45cm)。
キャンバスの右上にフランス語風の「T.Foujita」の署名と1909年5月の日付があり、藤田が東京美術学校(現東京芸術大)の学生だった22歳のときに描いたとみられる。
鑑定した古田亮東京芸術大准教授によると、フランスに渡った後に確立した独特の乳白色の画風はまだ見られず、指導を受けていた黒田清輝(1866-1924)の影響がはっきりと表れているという。藤田は黒田に反発していたとされるが、当初は黒田の影響を受け、その後画風を大きく変えていった過程が明らかになったと話している。
これまでに確認されている作品の中で最も古いとされ、藤田がパリに渡る前の作品については不明なことが多く、画家の出発点を示す貴重な発見として注目される。
作品は7月4日から8月16日まで東京芸術大学大学美術館の「コレクションの誕生、成長、変容-芸大美術館所蔵品選」で一般公開される。
[参考:共同通信、産経新聞]
■藤田嗣治の渡仏までの略歴
1886年 東京市牛込区新小川町の医者の家に4人兄弟の末っ子として生まる。
1905年 東京美術学校(現在の東京芸術大学)西洋画科に入学
1910年 東京美術学校を卒業。
1912年 結婚(1年余りで破綻)
1913年 渡仏
2018.9.15追記
東京都美術館で開催されている、「没後50年 藤田嗣治展」で、本作品が展示されている。 本作品のモデルは、最初の妻となる鴇田とみ(ときたとみ)に面立ちが似ている。 作品の年記1909年5月は、藤田が22才の夏、房総への写生旅行の際、とみと出会った数か月前であり、とみであるとは断定できない。