全英連参加者のブログ

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42

2013-11-12 04:12:41 | 全英連参加者 2013
 11月あたまの三連休。時間がとれたので、「42~世界を変えた男~」(以下「42」)を見てきた。
 僕はジャッキー・ロビンソン選手、彼が入団したブルックリン・ドジャースGMブランチ・リッキーの名前は知っていた。二人の名前に初めて接したのは、高1の時。教科書(NEW HORIZON)に取り上げられていた。42の公開を知り、絶対見ると決めていた。

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42

 この作品、前者をチャドウィック・ボーズマン、後者をハリソン・フォードが演じている。最初作品チラシを見た時、フォードが大物すぎる感があった。ボーズマンの映画出演作は多くない。日本での劇場公開作品は、たぶん本作が初めてだ。フォードの存在感に押されるのではと感じたのだ。でも、そんなことはなかった。
 無名のアフリカン・アメリカン選手だったロビンソン。黒人だけのプロ野球ニグロリーグチームから、ドジャースのマイナーチーム・モントリオールに入団。その後、ドジャースに昇格、有名になる。存在が物議を醸す。嘲笑と憎しみ、差別の対象になる。しかし、ものがたりが進むにつれ、ボーズマン演じるロビンソンの存在感がどんどん大きく、堅固になっていく。作品プログラムにもあるが、『よく知られた俳優が、ジャッキー・ロビンソンのようにこれまたよく知られた人物を演じると、観客はそれがロビンソンだと信じられなくなるからね。(p.29)』とした監督の考え方は正しい。スクリーンの中に苦しみ、悲しみ、そして戦うロビンソン選手がいる。そう見えた。
 助演は、ロビンソン夫人役のニコール・ベハーリーと、ロビンソン選手の専属広報担当ウェンデル・スミス役のアンドレ・ホランド。二人とも知らない俳優さん。でも、二人とも印象に強く残る。実際に、ロビンソン夫人にもウェンデル・スミスにも会ったことはないが、そんな感じだったのかなと思わせてくれる。

 カテゴリーとしては、有名人が主人公の伝記映画に括られる本作は、単純な立身出世ものがたりではない。スポーツ、アメリカ近現代史、そして、何よりもジャッキー・ロビンソン選手と、彼を支え、ともに戦った人々を丁寧に取り上げているいい作品である。秀作である。(文中敬称略)

 ☆☆☆☆(/5)かな。4.5でもいい。

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 関連エントリ(順にたどれます)
 2013.10.25、「Bud Fowler and William Edward White
 2013.10.12、「MOSES FLEETWOOD WALKER」
 2013.10.08、「「メジャーリーグ」の第1号」
 2013.10.05、「カラー・ライン」


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