全英連参加者のブログ

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医学部医学科

2016-09-14 04:00:00 | 気になる 教育行政

 平成27年、平成28年に2年連続で、次年度の医学部医学科の新設認可が下りている。

 平成28年度開設は、東北薬科大学(現東北医科薬科大学)医学部医学科である。これは、『東北地方における医学部設置認可に関する基本方針について』(平成25年11月29日)に基づくもので『震災からの復興、今後の超高齢化と東北地方における医師不足、原子力事故からの再生といった要請を踏まえつつ、将来の医師需給や地域医療への影響も勘案し、東北地方に1校に限定して、一定の条件を満たす場合に医学部新設について認可を行うことを可能とする。』ためのもの。
 平成29年度開設は、国際医療福祉大学医学部医学科である。これは、『国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針』(平成27年7月31日)に基づくもので、国内外の優れた医師を集め、最高水準の医療を提供できる、世界最高水準の「国際医療拠点」をつくるという国家戦略特区の趣旨を踏まえた、国際的な医療人材の育成のための医学部新設の方針を定める。』ことを目指すもの。

 あらためて2医学部の設置認可時の留意事項を読んでみよう。

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 平成28年度開設予定学部等一覧(平成27年8月)における、東北薬科大学(現東北医科薬科大学)医学部医学科認可時の留意事項 
・修学資金枠55人と一般枠45人という入学者枠の運用に当たっては、地域への医師定着や震災復興等、東北地方に新たに医学部を設置することとなった経緯や趣旨が損なわれることのないよう留意すること。
・卒業後の取組として挙げられている「医師循環システムの構築」について、その概要は理解できるものの、システムの運用に向けた学内の体制やプロセス等については具体的な内容が明確に示されておらず不明瞭である。そのため、本計画が本学医学部の特色として十分に機能する形で実施できるよう、学内の体制整備等、実施に向けた環境整備を万全にすること。

・「医療薬学概論」の内容の一部が他の薬学系科目の内容と重複していると思われることから、他の薬学系科目を含めて全体として体系的な教育が行われるよう、科目内容の精査を行い必要に応じて修正をすること。なお、現在示されている科目内容においては、薬学の知識として重要と考えられる「創薬」に関する内容が十分に含まれておらず取り扱う内容がやや偏っていると思われることから、科目内容の精査・修正に当たっては、「創薬」に関する内容が十分に盛り込まれるよう留意すること。
・シラバスは、旧来のGIO、SBOではなく、卒業時における到達目標を定め、それに従って各科目を位置付けた上で、評価方法についても明示するなど、グローバルスタンダードである学習成果基盤型教育に則って記載することが望ましい。
・教室名称については、患者や学生にとって分かりやすいものであることが望ましいが、内科学と外科学の教室に用いられる「第一~第三」という名称は便宜的な印象を与えるので、それが妥当なものであるか検討し、必要であればより分かりやすい名称に変更すること。
・附属病院の整備計画について、以下の各点に留意すること。
(1)診療に当たる医師数を学部開設後も段階的に増加させ、完成年度時点で260人程度の規模とする計画について、附属病院の診療要員の確保は医学部の教育を実施する上でも重要なものであることから、適切な人員が確保できるよう計画を着実に実行すること。
(2)新病棟の建設や仙台医療圏の2病院の統合等、学部開設後も機能拡充に向けた動きが続くことから、これらの動きが円滑に行われるよう、計画を着実に実行すること。
(3)既存の他大学医学部の附属病院と遜色のない高度な運営基盤の構築が早期に行われるよう、スタッフ数や施設設備等の更なる増強を可能な限り早期に行うことが望ましい。
・教員の補充を必要とされた8授業科目については、科目開講時までに教員を充足すること。うち、専任教員の配置を必要とされた3授業科目については、確実に専任教員を配置すること。
・附属病院を経営する学校法人としてのガバナンスやリスク管理能力を一層強化すること。
・大学病院本院としての質の確保と、中長期的な財政計画の策定・実施など経営基盤の安定の確保に取り組むこと。
・将来にわたって患者を確保するため、地域における医療のニーズ等を踏まえつつ、病院としての特色を打ち出すこと。
・病院経営に当たり、患者確保の方策や、それ以外の収益増加方策について具体的な計画を策定するとともに、地域の医療体制が崩壊しないよう病床のバランスを考慮しつつ、学校法人と附属病院のスタッフが一体となって実現に取り組むこと。
・認可後に補助金(宮城県)が収納予定であることから、収納後、速やかにその旨を報告すること。
・既設校の今後の定員充足の在り方について検討し、定員未充足の改善に取り組むこと。(東北薬科大学 薬学部生命薬科学科)

 GIOとSBOがわからないので、調べてみた。
 SBO:教育により「何々を説明する,測定する,行う」というような,学習者に期待される具体的行動目標あるいは到達目標(specific behavioral objective;SBO)のこと。
 GIO:個々のSBOを達成することにより学習者に期待される包括的成果,すなわち「何々を理解する,修得する」という概念的目標を一般目標(general instructive objective;GIO)のこと。
 薬学教育モデル・コアカリキュラム及び実務実習モデル・コアカリキュラムは,GIOsとSBOsに基づいて記述されている。

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 平成29年度開設予定学部等一覧(平成28年8月)における、国際医療福祉大学医学部医学科設置認可時の留意事項 
・「臨床実習Ⅳ」の国内での実習については、学生の希望に応じた診療科への配属がなされるよう可能な限り配慮すること。また、海外での実習については、実習先が提供するプログラムの内容や指導体制について、実習調整ディレクターが中心となってあらかじめ調整し、教育の質を確保した上で実施すること。なお、海外での実習先はアジア諸国を中心に調整が進められているが、欧米諸国をはじめとしたより多様な実習先を確保するよう引き続き調整し、学生により多くの選択肢を提供することが望ましい。
・人体の生理機能を理解するためにシミュレータを利用すると説明しているが、生物実験を体験したことのない学生であっても基礎医学に関する知識や技能を十分に修得できるように、生理学、生化学及び分子生物学など、基礎医学に関する実習を充実すること。
・全ての留学生が将来母国のリーダーとして活躍できるよう、母国の政府機関等の推薦を受けていない私費留学生も含め、卒後の進路についての支援体制を充実すること。
・医学教育統括センターは、本学の教育目標を達成するために重要な位置付けであると考えられることから、以下の点に留意し、その役割を十分に果たせるよう適切に運営すること。
(1)同センターに係る規程等を整備し、コース・ディレクター等センターに配置される職員の役割、責任体制、指揮命令系統等を明確にすること。
(2)専任教員25名及び兼担教員15名に加え、事務職員や技術職員等を十分に配置し、多岐にわたる業務を円滑に実施する体制を整えること。
・運動場が別地にあることから、教育に支障のないようにすることはもとより、学生の課外活動等に配慮すること。
・附属病院の財政における不測事態への対応など、リスク管理の一層の強化に取り組むこと。
・認可後に補助金(千葉県、成田市)が収納予定であることから、収納後、速やかにその旨を報告すること。

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 東北医科薬科大学への留意事項で青字部分は、同大学に医学部医学科が認可された原点ともいえることがらである。
 同大は医学部開設前に大学附属病院を開設している。東北厚生年金病院(仙台市宮城野区)を所有する独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)と売買契約を結び、同院を購入。平成25年4月1日から「東北薬科大学病院」として運営している。また、NTT東日本東北病院を平成28年4月1日付で事業譲受、「東北医科薬科大学若林病院」として運営している。

 国際医療福祉大学への留意事項で青字部分は、国家戦略特区という特別扱いにより医学部医学科が認可されたことへの宿題、1丁目一番地とでも言うべきことがらだ。

 2大学への留意事故の赤字部分が実は一番気になる部分。結局は人の確保がMUSTなのである。

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病院イメージ 東北医科薬科大学は前身の東北薬学専門学校が1939年(昭和14年)に開校。第2次世界大戦後の1949年(昭和24年)、学制改革にともない、東北薬科大学として発足している。
 国際医療福祉大学は1995年(平成7年)開学、保健学部(栃木県大田原市)を開設した。この20年で、神奈川県(小田原市)、福岡県(福岡市・大川市)、千葉県(成田市)に学部・大学院、病院等を開設・運営する急拡大の学校グループである。
 2医学部の入学定員は、東北医科薬科大学100人、国際医療福祉大学140人である。卒業生が現場に登場するまで、まだ7,8年かかる。数年後、大学院医学研究科の開設もすることになるだろう。それぞれが開設の趣旨、本旨を守りつつ、ちゃんとしたドクターを育てる歩みは、まだはじまったばかりである。

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 しかし、、、もうないんだろうな。


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