全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

FIRST MAN

2019-02-17 04:00:00 | 全英連参加者 2019
FIRST MAN poster image  A look at the life of the astronaut, Neil Armstrong, and the legendary space mission that led him to become the first man to walk on the Moon on July 20, 1969(IMDb).
 幼い娘を亡くした空軍のテストパイロット、ニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)は、NASAの宇宙飛行士に応募し、選抜される。彼は家族と一緒にヒューストンに移り住み、有人宇宙センターで訓練を受ける。指揮官のディーク・スレイトン(カイル・チャンドラー)は、当時の宇宙計画において圧倒的優位にあったソ連も成し得ていない月への着陸を目指すと宣言する。(MOVIX)

 僕はアポロ計画の記憶がおぼろげながらある。もちろん、報道や本、映画「Apollo 13」(1995)等による追体験により構築・再構築された部分も含めてだ。ただ、アポロ11号の月着陸ミッションは、アポロ13号の事故の記憶に影響されたのか、順風満帆とまでは言えないものの、ミッションそのものについてあまり知らないことに気がついた。これは月着陸後アームストロングが公の場でほとんど語ることなく、7年前に死去されたためでもあると思う。本作も記憶の再構築になるのかもしれない。そんなことを考えて、見に出かけた。場所はTOHOシネマズ上野、初めて出かけた劇場である。

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 静かな映画
 エンドロールまで見終えて感じたこと。本作、オープニングもエンディングもきわめて静か。特にエンディングはそうだ。作品全体もはらはらどきどきというよりも、あまり激しさはないと思う。クライマックスの月着陸、月面に着陸したアームストロング船長とオルドリン飛行士が星条旗を月面に立てるシーンもないし、地球帰還後のパレードのシーンもない。
 アームストロングがテストパイロットから宇宙飛行士を目指し、選抜されるところ。宇宙飛行士候補生になり日々訓練に励み、過ごしていく様子。その彼を支える家族との関係を丹念に描く、ドキュメンタリー映画のような不思議な作品である。本作はアームストロングが人類初の月面着陸を成功させるまでを描いている。これは間違いないのだが、成功物語を期待するとちょっと戸惑うと思う。

 映画を見るまで知らなかったこと。
 彼に娘がいて、幼くして病死したこと。

 映画を見て思い出したこと。
 アポロ1号の事故で、3名の宇宙飛行士が殉職したこと。

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 Apollo 13(1995)とはちがう!
 あの作品のように、困難が次々と11号のクルーに起こるわけではない。アポロ11号のミッション成功は、多くの困難と悲劇…その中にはアームストロングがジェミニ計画で体験したものを含め…から得た知見による部分がある。そんな描き方に見えた。
 ミッションを描く様子は月着陸シーンを除いて、それほどスリリングではない。

 月着陸・着陸後のシーンはすごい。
 着陸まで息をするのが、はばかられる感じがした。それくらいの緊張感、臨場感である。月面にアームストロング船長が降り立つシーンで、船外活動用に宇宙服を着用した2飛行士が、着陸船のハッチを開ける。残っていた空気が抜ける。無音。その場に立ち会った感じがした。

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 丸顔のアームストロングと、ゴズリングが重なるか少し心配したが問題ない。
 アポロ13号事故が題材の「Apollo 13」とも、ジェミニ計画の前のマーキュリー計画が題材の「The Right Stuff」(1983)とも違うと思う。☆四つだろうか。

 Tagline通り「EXPERIENCE THE IMPOSSIBLE JOURNEY TO THE MOON」大きなスクリーンで「体験」すべき映画だろう。
(文中敬称略)


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