ドラッカー博士、コトラー博士・・・マーケティングをこの世に浸透させた偉人たち・・・。
考え方ひとつ、とらえ方ひとつ、切り口ひとつで、世の中が変わっていくことを世に示した偉大なマーケティング学者です。
若い頃勤務していた広告代理店にマーケティング局という部署がありました。
ロジカルでアタマのいい人たちが集まるマーケティング局。
クライアントの置かれている状況をロジカル、マーケティング的に分析。
定量的、数量的に現状を構造化し、チャート図やスライドに落とし込めるスキルを持つ優秀なマーケターの集団でした。
クライアントで広告キャンペーンの競合プレゼン。
当時、ネット環境も十分でなかった時代、マーケター達は、独自の情報ソースを駆使してクライアント商品の分析を展開。
見事なまでのSWOTで切って見せました。
数十ページの表やグラフで、現在のポジショニングを示し、今後、あるべき位置づけを提言する素晴らしい企画書を徹夜で創っていました。
セグメント、ポジショニング、ターゲティング・・・客観的な分析は、本当に素晴らしいものでした。
が、問題はここから。
理科系の頭脳は、なかなかジャンプ出来ないのです。
マーケティング調査、マーケティング分析をして、現状を徹底分析したとしても、「それで、どうするの?」「So what?」という問いに対して十分な答えを出せないのです。
十数ページの分析ののち、具体的なマーケティング施策として、
「駅前でティシュを配りましょう」「西武の所沢球場でサンプリングをしましょう」・・・
というレベルのアウトプットになってしまうのです(笑)。
あの複雑怪奇な分析は、一体なんだったの?という感じです。
ここで、登場するのがクリエイター。
コピーライター、デザイナー、クリエイティブディレクターといった人たちです。
マーケターが分析した結果をしっかり読んだのか、そうでなかったのかは別にして(笑)、新規性の高い具体策を出してきます。
思いつきレベルのアイデアも含めて、「あっ」と思うアイデアを出してくるのです。
そのフラッシュアイデアで、突然商品が爆発的なヒットになることがあります。
分析に適した理系脳、創造に適した文系脳。
左脳と右脳といった対比になると思います。
今、日本の会社に必要なのは、後者。
新しさ、新規性、イノベーション・・・従来注目されなかったものを具体化、具現化していく・・・。
新しい「切り口」、創造性、独創性が求められる時代になってきたように思います。
21世紀のマーケター。
それは、今まで誰も注目しなかった事にスポットライトを当て、
それらを社会の光を当てることがミッションになってくると思います。
シュンペーターが提唱したイノベーション・・・新結合。
それは、文系の頭脳から出てくるように思います。
日本の産業界のためにも、グローバル市場で戦っていくためにも、独創性、創造性はますます重要になってくると思います。