フレドリック・ウィンスロー・テーラーが「科学的管理法」を執筆して一世紀。
近代マネジメントの歴史は、100年ということになると思います。
ただ、紀元前に建築されたエジプトのピラミッド、ギリシャのパルテノン宮殿、中国の万里の長城・・・。
マネジメントという言葉はありませんでしたが、その現場では高度な指揮命令系統があったと思います。
「マネジメントの心理学 第2版 経営心理学入門」
中西晶著 日科技連刊 1700円+税
著者の中西さんは、明治大学経営学部教授。
人的資源管理(HRM)、経営心理を専門とされています。
同書は、わずか100ページ。
経営学部の学生が、マネジメントの歴史を学ぶには、ちょうどいいサイズの書籍だと思います。
ご自身の専門分野に関する著作(しかも高価)をテキストとして使う先生が多い中で、同書はニュートラルな入門書としてバランスよくまとめられています。
分かりやすさ的にも、分量的にも、価格的にも学生さんの財布に優しい一冊です(笑)。
目次
第1章 経営心理学前史・・・テーラー、ファヨール
第2章 人間心理の発見・・・ホーソン実験
第3章 動機づけを考える・・・マズロー、ハーツバーグ、ローラー・ポーターモデル
第4章 リーダーシップの本質・・・オハイオ研究、フィードラー、ハーシー・ブランチャード
第5章 意思決定とその問題
第6章 オペレーションと安全
第7章 組織の構造と形態
第8章 組織文化と組織変革
第9章 個と組織の関係
第10章 組織学習と知識創造
同書では、レジリアンス、パイロットプログラムなどの新しいテイストにも触れ、とても分かりやすい構成になっています。
学生向けに書かれた入門書的な位置づけですが、マネジメントの概観を再理解したい人にも最適な一冊です。