PHP文庫から出ている超訳シリーズ。
今まで、哲学用語、哲学名著、カタカナ語、故事成語が出版されており、なかなか売れているようです。
今回は、「芸術用語」事典。美術、音楽、映画、音楽といった芸術、アート分野の用語を痛快に「超訳」解説しています。
超訳「芸術用語」事典
中川右介著 PHP文庫 800円+税
著者の中川さんは、「クラシックジャーナル」の編集長。
クラシック音楽を中心に歌舞伎や音楽に造詣の深い博覧強記の方とお見受けしました。
難解な芸術用語をバッサバッサと切る解説は、なかなか爽快感があります。
目次
第1章 いますぐ美術館にいきたくなる西洋美術用語
第2章 知ればもっと楽しめるクラシック用語
第3章 見てるだけでは分からない映画・演劇用語
第4章 音楽業界で使われる意外と説明できない用語
第5章 これは何?もはや意味不明の現代アート用語
一部、「超訳」をご紹介させていただきます。
アヴァンギャルド・・・美術の先頭の戦闘的な人々
ロマン主義・・・夢みたいなお話こそ、素晴らしい すごい意訳ですが、うまく伝わってきます
エコールドパリ・・・パリにいた芸術家のタマゴの外国人
ヌーベルバーグ・・・フランスの難しい映画 確かに難解な作品が多いですよね
ダダ・・・あせゆるものを否定せよ
キュレーター・・・品のいい画商 最近は学芸員以外に使われることもしばしばです
ゴシック・・・何となく不気味
バロック・・・暗さの発見
ロココ・・・元祖キレイ、カワイイ
ワルツ・・・上流階級の踊り
ソナタ形式・・・弁証法的作曲方式
ディレクターズカット・・・完成版とは限らない
メロドラマ・・・通俗の極み
キュビズム・・・三次元を二次元にしてみた実験
同書では、ほぼ見開き。
超訳、英訳、本来の意味、図解・表、関連ページで構成されており、とても読みやすく編集されています。
芸術の秋、ぜひとも目を通したい一冊です。