金融マンが書いた 経営の勘所八策 これが生き残り繁栄・成長を持続させる要諦だ
大内修著 近代セールス社 1600円+税
会計士の友人から一冊の本をいただきました。
金融機関から中小企業がどう見られているのか?という話をしていたのがきっかけです。
著者の大内さんは、1947年の生まれ。三菱銀行に長年勤務されたバンカー。
都銀の支店長、部長、ノンバンク社長のキャリアを持つ著者が、中小企業経営の要諦を、8つにまとめています。
サバイバルしている中小企業の社長の特徴が、よく出ています。
第1策 現金主義に徹し、ゆとりある資金繰りを実現
第2策 金融機関と信頼関係を構築している
第3策 重要な数字を把握し目標設定がうまい
第4策 モットーは「王道を行く」
第5策 経営課題も解決策もすべて「現場」にあることを知っている
第6策 「傾聴と会話」が行き届き人材活用に長けている
第7策 同業者をよく学んでいる
第8策 強い信念がツキを呼び込んでいる
どの策もシンプル。当たり前と言えば当たり前の話なのですが、その当たり前が出来ないのが経営・・・。
毎日のように、倒産というニュースが流れる昨今、中小企業経営者は、経営の原理原則である「基本のキ」に立ち返らなければならない時期に来ていると思います。
同書から、ラインマーカーを引いたところを引用させていただきます。
決算説明は社長の仕事であり、売上高(営業成約高)、売上総利益、売上総利益率、経費率に着目せよ
社員教育の基本は、「正確、迅速、約束を守る」
「悪い種が植えられる」好調の時にこそ、現場を重視
自分の言葉でまとめる
雨の日には傘を貸してくれない銀行・・・。
無借金経営への志向と、将来の発展成長に向けた投資とのハザマに智恵を絞る会社経営。
金融機関との関係性を考えながら、そして何よりも顧客との関係性を考えながら日々の経営をしていかなければならないと感じさせた一冊でした。