広島市西区の商工センターに、昨年、新しいショッピングセンター・LECT(レクト)が開店しました。
「新しさ」を前面に打ち出したショッピングセンター。
コンセプトは、住、食、文化、街・・・だそうです。
L・・・Living(住)
E・・・Eating (食)
C・・・Culture(文化)
T ・・・Town(街)
母体となるのは、地元の大手スーパーマーケットのイズミ。
HIROSHIMA T-SITEとしての蔦屋書店、インテリアのカインズや、ちょっと新しい切り口の中川政七商店、田頭茶舗などが出店しています。
地上四階建てのLECT。
一階部分は、youme食品館(イズミ)や蔦屋書店、フードコートや中食・惣菜店が入っています。
そして、二階はファッションアパレルやレストラン、カフェが入居。
三階、四階は駐車場になっているようです。
もともとこの土地は、1989年(平成元年)に開催された「海と島の博覧会」の会場跡地。
その後、地元の卸業や製造業などを誘致し、商工センターとして整備されました。
LECTは、その中にあり、周辺はちょっと無機質な感じが漂っています。
店内を歩いて感じたのが、LECTのメインターゲットは、おそらく、クルマ所有の30歳代の子連れのカップルということです。
郊外にマンションを買い、ミニバンやコンパクトカーを持つ若夫婦。小さな子どもを一人か二人育てながら、
子ども可のちょっと洒落たカフェで本を読みながら楽しみ、帰りにはスーパーで食材を買い、カインズでお気に入りのインテリア品を買って帰る・・・。
世の中のトレンドは、少子高齢化、シンプルライフ、クルマもマンションも買わない若年層ということなので、このLECTは、その逆張りをしているようにも思えます。
本当に、ここで、ビジネスが成立するのか・・・心配です。
(友人は、お客さんの半分は、瀬戸内海の魚!とシャレにならないジョークを話していました。)
まずは、これから増えてくるシニア層、高齢者層は、相手にされていないということ。
店舗、テナント構成からしても、シニア層、高齢者層対象のものは少なく、事実、客層にもおじいさん、おばあさんの姿を見ることが出来ません。
クルマなしで、LECTにたどり着くことは、ほぼ不可能。
最寄りのJR駅から10分のところにあるアルパークとの間にシャトルバスが出ているのですが、本数もかなり少なく、しかも有料(100円)です。
自家用車で行ったとしても、左折、右折で簡単に入れるようにはなっておらず、かなりの渋滞を覚悟しなければなりません。
ということは、帰りも大変ということが出来ます。
LECT・・・数年は持つとは思うのですが、その後は、かなりの苦戦を強いられると思います。
時代は、少子高齢化のもと、コンパクトシティ化をしていくと思うのですが、
LECTは、この逆。近所の人たちがサンダルを履いて、気軽に立ち寄ることも出来ません。
ましてや、シニア層、高齢者層は、ターゲット外・・・。
これは、たぶん、TSUTAYAの戦略と同じなのではないかとも思います。
全国のTSUTAYAで得た収益を、黒字にならなくても、蔦屋書店や蔦屋家電(2号店は広島駅前に去年開業)、T-SITEなどのフラッグシップ店に投入し、イメージアップを図る・・・。
同じように、地域密着のスーパーマーケットを展開するイズミ・・・黒字にならなくても、LECTというフラッグシップ店に資金投資し、イメージアップを図る・・・。
LECTとシャトルバスで結ばれているアルパーク。
1990年にオープンした複合商業施設で、百貨店やアパレル、飲食店等が出店しています。
あれから約30年、このアルパークも、空き店舗が出てきており、かってのような勢いがありません。
LECTの明日を見ているようで、ちょっと悲しい気分になった次第です。
1990年にオープンした複合商業施設で、百貨店やアパレル、飲食店等が出店しています。
あれから約30年、このアルパークも、空き店舗が出てきており、かってのような勢いがありません。
LECTの明日を見ているようで、ちょっと悲しい気分になった次第です。