年末年始は、積ん読だった本をグラス片手に読むことのできる至福のひと時でした。
朝、昼、晩と一冊ずつマイ・フェィバリット・ブックの世界に浸ることができる贅沢な時間。
その中の一冊・・・日本に進出した老舗の外資系コンサルティング会社ボストンコンサルティンググループから出された新刊本。
ボストンコンサルティングのトップコンサルタント14人からの提言、オピニオンから経営、マネジメント、マーケティングに触れることができます。
BCGが読む経営の論点2018
ボストンコンサルティンググループ編
日本経済新聞出版社 1600円+税
ボスコン、BCGは、1963年ボストンで創設、1966年に世界第2の拠点として東京にオフィスを設立。
名古屋にも拠点を置いているそうです。
現在、世界50カ国に90以上の拠点を展開しています。
シューカツでも人気のあるコンサルタント会社です。
BCGは、外資系といっても、ちょっとコンサバティブで地味なイメージ。
マッキンゼー社と比べても、かなりオーソドックスで、原理原則寄りな感じがします。
今回出された一冊も、「論点」というには、切り口が鋭くなく、ちょっとありふれ感が漂っています。
読まれると、ちょっと残念な感じを持つ人も多いと思います。
目次
chapter.1 デジタル化が変える競争戦略
デジタルトランスフォーメーション AI 破壊的技術プロックチェーン
chapter.2 人出不足・少子高齢化時代を生き残る
世界で進む少子高齢化 アジャイルによる働き方改革 競争戦略としてのダイバーシティ
chapter.3 ディスラプト(断絶)後の勝者の条件
グローバリゼーション つながる時代のビジネスモデルイノベーション M&Aレベル3の時代 シェアリングエコノミー
ただし、書き方、見せ方は秀逸。
ポイントを3~5つに整理し、チャート図、スライドで見える化、文章で補強していきます。
さすが、歴史と伝統のあるコンサル会社です。
同書は、「経営の論点」というよりは、プレゼンテーションを学ぶ本として、経営コンサルタントの技、スキルを習得する本として価値ありだと思います。
戦略も戦術も、企画書、プロポーザルの最終のセッションで、いかにクリエイティビティを打ち出せるかが勝負になります。
広告代理店の企画書にもありがちなのですが、前半部分で現状の分析、市場分析のために膨大なグラフや表を使って精緻な現状把握・・・分厚さがマーケターの熱意と徹夜仕事を感じさせます。
しかしながら、後半部の戦術プランになると、「駅前でティッシュを撒きましょう」的なところに落とされると、ガッカリ感も半端ありません(笑)。
具体論、各論をどれだけ持っているかの勝負になります。
企画でもプレゼンテーションでも、コンテンツ、具体論、代案が、大切です。