「経営は何をすべきか 生き残るための五つの課題」
ゲイリー・ハメル著
ダイヤモンド社刊 2、200円
ハメルさんは、「コア・コンピタンス」コンセプトで一世を風靡した経営学者。
現在、ロンドンビジネススクールの客員教授をされています。
5つの課題とは、次の通り。
1.理念
2.イノベーション
3.適応力
4.情熱
5.イデオロギー
理念、情熱、イデオロギー・・・いかにもハメルさんらしい切り口です。
「私たちの未来は、イノベーションにかかっている」
このフレーズを繰り返すハメルさん。
従来の硬直化した組織では、イノベーションは生まれないことを強く主張。
ゼネラルモータースの蹉跌を取り上げながら、熱く語ります。
市場対階層性という軸を二項対立として、その課題を浮き彫りにしていきます。
特に、引っかかったのが「衰退の診断」。
3つの要因を取り上げています。
第1の要因 重力に負ける
第2の要因 戦略の有効性が失われる
第3の要因 成功は堕落につながる
また、ビジネスパースンには、昇進より、影響が大切と言及します。
「昇進するためではなく、影響を及ぼすための競争を奨励する」
ハメル節に再び触れたい方には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。