萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

登山装備:遭難事故のNG心理

2017-08-31 21:57:26 | 解説:用語知識
自己分析×客観性=安全確保


登山装備:遭難事故のNG心理

今夏も遭難事故多発してましたけど、
トンデモ遭難者がブログ閉鎖したりもあったんだとか。
ツイッター&ブログで救助してくれた警察官に逆切れした一部始終UP

非難お叱り@リツイート&コメントその他

なんて顛末だったらしいですけど、
そりゃ遭難するだろーって装備&技術なヒトだなと。
で・遭難事故の起きやすい条件って何か?言うと、

「遭難したら警察or消防が助けにきてアタリマエ」

なんて安易な考えが一番の遭難原因で、笑
そんなトンデモ遭難者予備軍ホント最近多いです。

○単独行
○地図なし
○登山計画なし
○道迷いの対処も知らない←迷ったら「元来た道を戻る=登り返す」大原則を知らない。
○装備不足&レベル不足←各自装備・安全確保は自己責任

上の5つは警察・消防・民間どの山岳救助隊でもNGに挙げています。
これ5つ全部当てはまって遭難したら、そりゃー救助隊員に怒られてアタリマエ。
山の常識ワキマエナイ危険と恥をキッチリここで覚えないと、次は死ぬからです。

こーゆートンデモ遭難者は遭難時の対応をまったく出来ません。
対応できない=救助する側が無理を強いられます、そのために救助隊員が重傷・殉職した例は少なくありません。
それでもトンデモ遭難者は「救助隊員が死んだけど登山自体は楽しかった」なんて言っちゃったりします、
それくらい無謀遭難者は「自分が悪かった」自己責任が皆無です。

なぜダメなのか反省しない=学習能力が無い

ってことです、反省しないから欠点克服も出来ないワケです。
そのため同じように遭難して、次は死んでしまったなんて例も実際あります。
この8末に話題になったトンデモ遭難オバサンは単独行でしたけど、二人組女性が同じ場所で遭難した二度めに死亡しました。


で、なんで上5つダメなのか?っていうと、

1.単独行=アクシデント対応が困難。

山は危険な場所、アクシデントが普通に起きるところです。
たとえば「道迷い」のとき二人だと話し合うことで冷静になれます。
もっと差があるのは「野性獣との遭遇」クマなどに襲われる危険度は単独だとかなり高いです。
転滑落でも複数人数なら、無事なほうが救助対応&通報できるため生還できるパーセントが高くなります。

2.地図なし・登山計画なし・道迷い対処も知らない

この三つそろえば「道に迷う」条件コンプリート、笑
道迷い遭難の行く先は→崖や滝を無理に降りようとして転滑落→遭難死、
なんてこと珍しくありません。

で、こういう遭難事故は低山に多発しがちです。

標高が低い=安全、っていう誤解が事故直結なワケです。

標高が低い山は仕事での入山も多い=作業道が多い。
標高が低い山は野性獣も多く棲む=獣道が多い。

こういう道は登山図に載っていないものも多いです、
そのため登山ルートを知らず歩いて迷いこむ、なんてよくある話。
実際、行方不明看板よく見るのは標高2,000メートル未満の山域が多いです。

あと、よくあるのが「赤テープ」の誤認です。
登山ルートを示す赤テープだと思って辿ったら、途中で消えてしまった。
なんてよくある話で、元来た道を引き返せばいいのに無理に下るから迷います。

3.装備不足&レベル不足

水筒も各自で持たず、
運動靴でジーパンで、帽子も被らず、
手ぶらビーチサンダルで登山して、倒れそうフラフラ歩行。

悪天候の予兆あるのに無理に登る。
コースタイム知らず日没までに下山できない。

なんてやつら最近よく見ますけど、特に登山ツアーらしき団体サンに多いです。
登山ツアーは初対面同士+レベル違いも多く、引率の添乗員自身が山の知識皆無なんてことも。
実際に今夏、1時間以内に雷雨がくるだろうトコをムリに登っていく登山ツアー団体を見ました。

その30分後に麓でも雨が降りだしました、山は黒雲に覆われていたので視界カナリアウトだったと思います。

夏山の午後は雷雨がよくあります。
朝露が太陽熱で蒸発して雲になり、上空で冷やされた水滴が雷雨になるためです。
そのため夏は正午には下山完了することが安全原則、そういう基本も知らない添乗員に引率されるってことです。

キャンプや散策ついでの無防備登山も多いです。
男3人組4人組によくいるし、ご家族連れでもよくいます。
たいがい「行けるとこまで行ってみよう」なんて安易な考えから登るらしいですけど、

行けるとこまでが果てるとき=体力限界→遭難死

山で体力限界になれば「逃げられない」死を待つしかないってことです。
夏はよく無防備登山から行動不能、最悪は疲労凍死なんてこともよくあります。
夏に凍死なんてないでしょーなんて思ったら大間違い、もういちど「気化熱」について学んでください、笑

雨天の夏山は気温一気に下がります、雨でぬれた地表が冷めるためです。
人間の肌も同じこと、汗と雨に濡れた×山の強風で体温が一気に奪われます。
登山による疲労でカロリーを失ったところで体温を奪われて→疲労凍死に陥ります。

疲労凍死は夏から秋、午後の降雨が多いシーズンに多発しています。
観天望気と装備がちゃんとしていれば防げることです。

平地と山地は気象の別世界、
特にこれから秋、10月の山は降雪もありえるので雪山装備+車もタイヤチェーン必携です。
昨シーズンも11月初旬、標高2,000あたりから雪道になった林道で立ち往生している車いっぱい見ました。
登山道でもアイゼンなしで登っちゃったウッカリハイカーも立ち往生、すぐ登山中止を促しました。
そんな11月初旬@北奥千丈岳の山頂はコンナカンジです。


ここ近年、登山がファッションみたいに流行って、
イケメン俳優がボルダリングや登山をやってる俺カッコイイーみたいなこと言ってたり、
テレビ企画で登山させて感動するでしょうカッコいいでしょうみたいなこと演じちゃったりして、

そうだ山に登ろうWEBちょっと検索、

なんてヤマレコやハイカーブログとか見て、
軽装備カッコいいとか・無理矢理コースタイムがデキルヤツとか勘違いして、
そんなこんなで無謀無防備ハイカーになっちゃって結局、迷惑かけたくせに逆ギレしたりなんかする。

なんてバカしちゃって結果、遭難死とか哀しいのでこんな記事UPしてみました。
山を歩きたい誰もが・無事安全平和に山を楽しめるといいですね。


ねえ、ちょっと聞いてよ31ブログトーナメント
撮影地:山梨県、東京都

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登山装備:初夏雪山―雪崩遭難事故

2017-04-29 23:59:20 | 解説:用語知識
初夏×雪崩多発期


登山装備:初夏雪山―雪崩遭難事故

白馬岳にて雪崩事故がありました。
初夏4月末、でも山は積雪期×雪崩多発期です。

「雪はありますが冬山装備は要りません」

なーんてブログ×ヤマレコなど登山サイトのコメントもありますが、こーゆー無責任ホント止めてくれです。

雪がある=雪崩の危険がある→救助できる装備が必要
雪がある=転倒滑落の危険高→ケガで行動不能に→雪山ビバーク可能な装備が必要※ないと凍死必至

っていうのは初夏でも積雪期ならアタリマエ、
また初夏は天候急転も多い時期でもあります。

気温上昇→雪面が蒸発して雲ができる→雲が雨・雪を降らせ悪天候
気温上昇→雪面が溶けて→気温ちょっと下がると再凍結→雪崩発生

ようするに、

日照あれば夏×曇天&夜間は冬

4月5月の山は一日で季節急転、なんてことも珍しくありません。
午前と午後で季節まったく変わるわけで例えば、

例)奥多摩3月中旬に降雪、凍死

奥多摩は東京都の山岳地域です、
標高2,000メートルあるかないか、危険個所でもない稜線歩きのルート。
それでも3月半ばの積雪は60センチほど、ビバークポイントは北斜面、遭難者は雪山ビバークに耐えられない装備でした。

まさかビバーク=緊急露営するなんて思っていなかった、
標高2,000程度なら大丈夫だと思っていた、
もう3月半ばだし、

っていう意識がわかる装備+「ビバークポイントも北斜面だった」ことは遭難者の知識不足がうかがえます。

山は360度、積雪状態が方角により違います。
雪解けのころみると分かりやすいんですけど、

南斜面は雪がない+北斜面は積雪たっぷり凍結すごい

ようするに南と北では日照が違う=気温が全く違う、
そして当然のこと積雪量もまったく違う+体感温度もまったく異なります。
なのでビバークの時に南と北で運命は正反対になるわけです。

奥多摩3月この状況、で、山は標高×緯度で気温天候ほか変わります。
これが標高もっと高い山なら・緯度や内陸ほかより寒冷地になったら?

例)尾瀬のGWは積雪期

たとえば尾瀬の4月末5月初旬はコンナカンジです。
ようするに冬山装備じゃないと遭難だよってコトです。

ソンナワケで雪崩について再掲を


雪崩は自然災害です、でも遭難事故は人災でもあります。
雪崩が起きることは自然摂理です、が、そこに巻きこまれない常識は人智の及ぶトコロで。
で、率直に言ってしまえば・今回の事故は指導者があまりに素人判断すぎたことが原因です。

1.降雪時にビーコン無しでルート逸れたら「雪崩に遭うけど探さなくていいよ」って自殺宣言。
2.降雪時×雪崩警報が出ているとき入山は「遭難死に行きます救助要りません」って宣言と同義。
3.登山技術で最重要は「ゼッタイ無理しない」ちょっとでも不安要因あらば中止する判断力。

で、雪崩に埋まると15分の壁があります、
雪崩に埋没15分程度で生存率が急速に下がる、ってことなんですけど、

A.アイスマスク現象=呼気で融けた雪が再凍結し口周りに氷の壁ができ呼吸が出来なくなる。
B.雪が口や鼻に入りこみ窒息。
C.低体温=雪に体温を奪われる。
D.雪の重さ×雪崩の圧力。

っていうことが原因で生存率は低くなります、
その時間経過は、

埋没15分以内で92%まで低下、

埋没35分後に30%(窒息が死因)

埋没2時間後ほぼ0%(外傷・低体温症が死因)

今回の事故は警察の山岳救助隊へ通報した時点でもう30%以上が死亡しています。
この生死を分けるひとつが「エアポケット」なんですけど、

もし雪崩に埋まったらエアポケット=呼吸空間の確保→雪崩に巻き込まれたら両手で口のあたりに空間を作る。

っていう基礎も知らないで雪山に入っちゃダメです、
なにより雪崩が起きそうだなっていう観天望気できないならこの時季は登ったらダメ、

今日も悪天候予報×明後日も悪天候予報=低気圧に挟まれている明日

低気圧に挟まれているときって雪山危険です、
それでも登山予定だからって登りたい人も多い、

あーまた雪崩遭難とか起きそうだなあ思ったのでGWは積雪期×雪崩多発期だよって注意喚起を。

雪崩の起きる気象条件があり、低山でも雪崩は起きます。
春(低地の初夏4月5月も含む)は雪崩が起きやすい条件そろい踏み、
スキー場での雪崩も「よくある」話です。

1.雪崩は傾斜24度あれば起きる
2.気温上昇で融けて凍結のくりかえし→雪面が緩む=春は雪崩が起きやすい
3.低気圧が通過する=降雪により積雪で不安定な雪面になる→人為的要因でも発生しやすくなる。

ようするに、
降雪日と翌日×気温あまり冷えこまないと雪崩が起きやすい、ワケで、
ようするに春の雪は雪崩誘発しやすいよって話です。

そんな天候下で傾斜24度からの斜面を歩けば雪崩を誘発しやすく、
そういう条件まみれの春の雪山で訓練するとかアリエナイ素人判断ってことです。

警察や消防の山岳救助隊は遭難救助の専門家、
悪天候下こそ遭難が起きる=救助活動を行う可能性があり、そのため悪天候に訓練を行う必要もあります。

が、スポーツとしての登山やスキー競技は難事故を起こさないことが一番重要、
悪天候を選ぶ理由も意味もなく、むしろ悪天候に中止判断できないことは恥です。



積雪期の山は難易度が夏山とまったく変わります、装備も経験知識もなく登れば遭難してアタリマエ。
そうした事故が奥多摩はじめ東京近郊の低山は多く起きています。

○まず防寒
山の気温はかなり低く零下もアタリマエ、風・降雪・日照で体感温度の変化が激しいです。
・ハイキングでも冬季は防寒着しっかりで・爪先も指先も冷えるので装備が要ります。
・貼るカイロもおススメ、貼るポイントは尾てい骨=全身の骨が繋がる部分なので骨伝導により全身が温まりやすくなります。
・いわゆる「首」がつく部分も温めるポイントです、足首からふくらはぎはゲイターで・首はネックゲイター・手首も露出しないように温めます。

○登山用ウェア冬仕様に。
・登山用の冬用インナーはおススメ。
・夏ウェアでもレインスーツ・ゲイターなど利用して使いまわすことも可能です、その場合は冬インナー必須。
・防寒&防水をしっかりすること、ゴアテックス素材・ヒートテックなど材質は吟味、ケチらないことが遭難防止の第一歩。
※低山でも滝・渓流などがあると気温かなり低く、凍傷・低体温症など普通に起きやすい条件です。

○北斜面・渓谷は想像以上に低温なので要注意。
南斜面は雪なし陽だまり、が、北斜面は積雪凍結+太陽まったくささず、なんてアタリマエ。
南と北では同じ山でも体感温度が5~10度も違うと言われています。

○登山用ストックを一本で使うのもおススメ。
二本使いのダブルストックは杖に頼りがちなため逆にリスクが高いです、山岳救助隊でも一本使いのシングルストックを推奨しています。
※シングルストックならTグリップ+衝撃吸収システムが持ちやすく疲れにくいです。

○降雪がなくとも軽アイゼン必携
三月の山は積雪期、朝は凍結+午後は急激に冷え込みます。山は五月まで降雪アタリマエです。
たとえば奥多摩は東京都心部とは天候も気温もまったく違います、凍結や急な降雪も珍しくありません。
都下だから~近郊だから~と甘くみた結果の遭難事故が多発しています、奥多摩や丹沢は特に多く=珍しくないためニュースにならないほどです。

○ヘッドライト必携
急な天候悪化=降雪・吹雪、時間ロス=日没後の行動…など照明器具が必要なアクシデントが山ではよくあるコトです。

○クマ鈴は低山でこそ必携
春山は冬眠から目覚めるとき+冬眠明けで痩せているため身軽=空腹×敏捷なため襲われやすいです。
奥多摩も丹沢もツキノワグマの生息地、かつ食料が乏しい時期は低地へ降りてくる可能性も大です。
クマは突然の遭遇に驚くと攻撃する習性があります、遭遇回避のためにクマ鈴・話し声を。
注※クマに遭遇したら撮影は危険、ヘタな動きや音でクマを刺激し攻撃されます。

○山菜採り要注意
山菜=野性獣の食料→食料争奪戦で襲われます、単独での入山は危険度高です。

○耐寒できるビバーク装備
春山は雪が融けては凍るくりかえし→凍結による転倒・雪崩・滑落・天候急変などで行動不能に陥る危険性が高いです、
その場合に最低一晩は耐え抜けるビバーク(緊急露営)できる装備は必携です。

○雪山で三脚を担いでいくのはハイリスク
重みで雪に沈みやすい・冬の強風に煽られやすい・知らずに雪庇で設置し事故…など。

○山の情報きちんと把握
山小屋・ビジターセンター、気象予報・天気図などで事前情報を得る。
※山の天候・地形は毎日変化します、新しい情報ちゃんと調べて無理ない安全な登山計画を。

○山小屋・ビジターセンター・山岳救助隊に従う
その山のエキスパートは新情報+経験値がイウマデモナク信頼度大、その情報・指示を遵守して無難です。

○どんな状況でも自力下山できる山行計画
自分のレベル把握+適切な装備+悪天候や体調不良の撤退判断力、など無理ゼッタイしないこと。
ぼく、真剣なんです。 18ブログトーナメント

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登山装備:春山の雪ー雪崩遭難事故

2017-03-31 22:45:00 | 解説:用語知識
山眠るときに、


登山装備:春山の雪―雪崩遭難事故

高校生の大量遭難事故に、まず哀悼を。

雪崩は自然災害です、でも遭難事故は人災でもあります。
雪崩が起きることは自然摂理です、が、そこに巻きこまれない常識は人智の及ぶトコロで。
で、率直に言ってしまえば・今回の事故は指導者があまりに素人判断すぎたことが原因です。

1.降雪時にビーコン無しでルート逸れたら「雪崩に遭うけど探さなくていいよ」って自殺宣言。
2.降雪時×雪崩警報が出ているとき入山は「遭難死に行きます救助要りません」って宣言と同義。
3.登山技術で最重要は「ゼッタイ無理しない」ちょっとでも不安要因あらば中止する判断力。

で、雪崩に埋まると15分の壁があります、
雪崩に埋没15分程度で生存率が急速に下がる、ってことなんですけど、

A.アイスマスク現象=呼気で融けた雪が再凍結し口周りに氷の壁ができ呼吸が出来なくなる。
B.雪が口や鼻に入りこみ窒息。
C.低体温=雪に体温を奪われる。
D.雪の重さ×雪崩の圧力。

っていうことが原因で生存率は低くなります、
その時間経過は、

埋没15分以内で92%まで低下、

埋没35分後に30%(窒息が死因)

埋没2時間後ほぼ0%(外傷・低体温症が死因)

今回の事故は警察の山岳救助隊へ通報した時点でもう30%以上が死亡しています。
この生死を分けるひとつが「エアポケット」なんですけど、

もし雪崩に埋まったらエアポケット=呼吸空間の確保→雪崩に巻き込まれたら両手で口のあたりに空間を作る。

っていう基礎も教えない雪山講習とかマジありえません。

明日も山間部は降雪が予想されます、
それでも登山予定だからって登りたい人も多い、

あーまた雪崩遭難とか起きそうだなあ、思ったので春山は積雪期×雪崩多発期だよってコトまとめようかなと。



雪崩の起きる気象条件があり、低山でも雪崩は起きます。
春は特に雪崩が起きやすい条件そろい踏み、
スキー場での雪崩も「よくある」話です。

1.雪崩は傾斜24度あれば起きる
2.気温上昇で融けて凍結のくりかえし→雪面が緩む=春は雪崩が起きやすい
3.低気圧が通過する=降雪により積雪で不安定な雪面になる→人為的要因でも発生しやすくなる。

ようするに、
降雪日と翌日×気温あまり冷えこまないと雪崩が起きやすい、ワケで、
ようするに春の雪は雪崩誘発しやすいよって話です。

そんな天候下で傾斜24度からの斜面を歩けば雪崩を誘発しやすく、
そういう条件まみれの春の雪山で訓練するとかアリエナイ素人判断ってことです。

警察や消防の山岳救助隊は遭難救助の専門家、
悪天候下こそ遭難が起きる=救助活動を行う可能性があり、そのため悪天候に訓練を行う必要もあります。

が、スポーツとしての登山やスキー競技は難事故を起こさないことが一番重要、
悪天候を選ぶ理由も意味もなく、むしろ悪天候に中止判断できないことは恥です。



積雪期の山は難易度が夏山とまったく変わります、装備も経験知識もなく登れば遭難してアタリマエ。
そうした事故が奥多摩はじめ東京近郊の低山は多く起きています。

○まず防寒
山の気温はかなり低く零下もアタリマエ、風・降雪・日照で体感温度の変化が激しいです。
・ハイキングでも冬季は防寒着しっかりで・爪先も指先も冷えるので装備が要ります。
・貼るカイロもおススメ、貼るポイントは尾てい骨=全身の骨が繋がる部分なので骨伝導により全身が温まりやすくなります。
・いわゆる「首」がつく部分も温めるポイントです、足首からふくらはぎはゲイターで・首はネックゲイター・手首も露出しないように温めます。

○登山用ウェア冬仕様に。
・登山用の冬用インナーはおススメ。
・夏ウェアでもレインスーツ・ゲイターなど利用して使いまわすことも可能です、その場合は冬インナー必須。
・防寒&防水をしっかりすること、ゴアテックス素材・ヒートテックなど材質は吟味、ケチらないことが遭難防止の第一歩。
※低山でも滝・渓流などがあると気温かなり低く、凍傷・低体温症など普通に起きやすい条件です。

○北斜面・渓谷は想像以上に低温なので要注意。
南斜面は雪なし陽だまり、が、北斜面は積雪凍結+太陽まったくささず、なんてアタリマエ。
南と北では同じ山でも体感温度が5~10度も違うと言われています。

○登山用ストックを一本で使うのもおススメ。
二本使いのダブルストックは杖に頼りがちなため逆にリスクが高いです、山岳救助隊でも一本使いのシングルストックを推奨しています。
※シングルストックならTグリップ+衝撃吸収システムが持ちやすく疲れにくいです。

○降雪がなくとも軽アイゼン必携
三月の山は積雪期、朝は凍結+午後は急激に冷え込みます。山は五月まで降雪アタリマエです。
たとえば奥多摩は東京都心部とは天候も気温もまったく違います、凍結や急な降雪も珍しくありません。
都下だから~近郊だから~と甘くみた結果の遭難事故が多発しています、奥多摩や丹沢は特に多く=珍しくないためニュースにならないほどです。

○ヘッドライト必携
急な天候悪化=降雪・吹雪、時間ロス=日没後の行動…など照明器具が必要なアクシデントが山ではよくあるコトです。

○クマ鈴は低山でこそ必携
春山は冬眠から目覚めるとき+冬眠明けで痩せているため身軽=空腹×敏捷なため襲われやすいです。
奥多摩も丹沢もツキノワグマの生息地、かつ食料が乏しい時期は低地へ降りてくる可能性も大です。
クマは突然の遭遇に驚くと攻撃する習性があります、遭遇回避のためにクマ鈴・話し声を。
注※クマに遭遇したら撮影は危険、ヘタな動きや音でクマを刺激し攻撃されます。

○耐寒できるビバーク装備
春山は雪が融けては凍るくりかえし→凍結による転倒・雪崩・滑落・天候急変などで行動不能に陥る危険性が高いです、
その場合に最低一晩は耐え抜けるビバーク(緊急露営)できる装備は必携です。

○雪山で三脚を担いでいくのはハイリスク
重みで雪に沈みやすい・冬の強風に煽られやすい・知らずに雪庇で設置し事故…など。

○山の情報きちんと把握
山小屋・ビジターセンター、気象予報・天気図などで事前情報を得る。
※山の天候・地形は毎日変化します、新しい情報ちゃんと調べて無理ない安全な登山計画を。

○山小屋・ビジターセンター・山岳救助隊に従う
その山のエキスパートは新情報+経験値がイウマデモナク信頼度大、その情報・指示を遵守して無難です。

○どんな状況でも自力下山できる山行計画
自分のレベル把握+適切な装備+悪天候や体調不良の撤退判断力、など無理ゼッタイしないこと。

積雪期の山は平地とまったく違う常識の世界、
標高1,000メートル@東京でも雪崩は起き、東屋も潰してしまう威力があります。

そんな雪崩の痕@標高2,000未満のリアルがこれです。
「ニュース」94ブログトーナメント

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山歩雑談:山岳遭難事故の継承×警鐘

2017-02-17 23:52:05 | 解説:用語知識
目的は?



山歩雑談:山岳遭難事故の継承×警鐘

先週、阿弥陀岳@八ヶ岳で早稲田大学ワンゲルでの遭難事故がありましたけど、冥福を祈ります。

ご遺族は悲しんでおられるだろうと想います、
それでも大学に入ったら山岳部いくぞーなんて学生もいるかなと。
だからこその事実提起なんですけど、

この大学は遭難事故もう何度目ですか?

早大は山岳系サークル複数ある×伝統があり、ワンダーフォーゲル部も探検部も有名です。
早稲田に限らず山岳部の伝統校はいくつかあります、東大や京大、明治大・日大も有名です。
今はホームページを開設しているとこ多いですけど、閲覧してみると温度差がけっこうあります。

○山岳遭難事故を起こした経歴を明記しているところ、
○山の危険性をきちんと記しているところ、

こういうところはイイなって思います、
山は危険が当たりまえ、そこで何十年もサークル部活動やってりゃ事故事例もある、
その事実をきちんと挙げて分析してこそ、次の無事な山行ができるってもんです。

逆に、
過去の事故=いわゆる負の遺産を明示していないところは、危険だなーと。
すべき反省をきちんと継承する気がない、っていう伝統があるのかな?と。

そーゆー危険サークル減ってほしいし、
そういうとこで犠牲になる学生はゼロになってほしい、
なんてことを想うので、某大学の山岳系サークル実例を↓



東京都の山岳地域・奥多摩を管轄する警察山岳救助隊は青梅署と五日市署です、
その青梅署副隊長手記に・ある大学の遭難事故について書かれています。

平成14・2002年5月11日 雨降谷滑落 W大学探検部1名死亡
平成14・2002年7月14日 真名井沢転落 W大学ワンダーフォーゲル部1名重傷

同じ年に同じ大学、たった2ヶ月後に遭難事故が起きました。
2件とも遭難者はサブリーダーを務めていた学生です。

5月の滑落死亡事故は、沢登りで滝を超えるときに起きました。
考えられる原因は二つ、

○セルフビレーの欠略。
○全員が初めての沢でルートを知らず、危険ルートを登ってしまった。

7月の転落事故も沢登り目的で、沢源頭部の岩場を40メートル転落。
頭蓋骨骨折・脳挫傷・脳内出血・脳膜外出血と厳しい容体でした。

○読図上のミス、等高線で判断できる安全ルートをとらず急峻なルートを選択した。
○ザイルで懸垂下降すべき場所でそうしなかった。

上記2件には共通点があります、
1)遭難者はサブリーダー。
2)読図・ルートミス+ザイル欠略=初歩的ミスが原因。

この2点から考えられることは、
○部活サークルOBが初歩的安全策を教えていない。
○リーダーおよびサブリーダーを担える人材が育っていない。

初歩的安全策を徹底することは、登山の基礎です。
怠れば危険が起きてアタリマエ、それは標高にカカワラズ同じこと。
実際・上2件も標高1,000メートルない地点で遭難しています。

奥多摩はこーゆー初歩ミス遭難が多いです。
ってことから考えても、

標高が低い=油断する、

っていうのが一番の遭難原因かな、と。
トコロガ山は油断禁物!油断したら遭難するのが山です。
転落も滑落も足場不如意、足元の不注意や装備不足・ザイル欠略など油断が原因。
登山靴の紐やアイゼンのベルトを締めなおそうとした瞬間、風にあおられ滑落ナンテコトも珍しくありません。

たった一瞬の油断が死、そのリアルは低山でも高山でも同じです。

なんですけど、
じゃ・上2件の事故を起こした大学はドースリャ良かったのか?

1.同じ大学内で別サークルが起こした遭難事故を「他人事」にしない。
2.遭難事故を分析し改善策をうちだす・実行する。
3.別サークルでも情報共有をする。
4.登山に関わるリスクを周知徹底する。

なんてことをしないと、また繰り返すのではないかな?と。

厳しい直言すれば・・・
同じ年たった2ヶ月後にサブリーダーが遭難事故、っていうのはカナリ運が悪いorカナリ低レベルのどっちかです。
別サークルでも同組織内=根源的意識に問題と思うしかないなあと。

もし「運が悪い」なら、
「あ~これは登山しちゃいけないって運命なんだな俺、」と辞めること。
実際・遭難したら山を辞めようと決めている人もいます、ソレも山好きの在り方だろうなと。
もし「低レベル」なら、
「あー技術ちゃんと身に着けてから登ろう、」と努力ちゃんと積むこと。
どんなトップクライマーも「まだ自分は技術不足だな」っていう自己認識から努力がスタートしています。
そういう謙虚な分析力は山を登るイチバンの素質かもしれないです。

とにかく山は「無理をしない」が鉄則、
技術を無理しない、
計画を無理しない、
天候を無理しない、
体調を無理しない、
ってことを客観的に謙虚に分析しながら山を歩く、
この無理をドレか一個でもすれば遭難事故は起こります。

こーゆー分析&山行反省&徹底をしない山岳部サークルは信用NG、
特に大学パーティー遭難事故は「計画・天候」を無理した結果が多いです、
大学の講義とかバイトとか予定があるから~って無理しちゃうんでしょうけど、
毎年何件も大学生の遭難事故が起きていることを軽視しないでください。



大学の遭難事故は表沙汰になっていないものも多くあります、大学イメージのマイナスになるためでしょうか?

上にだした実例も「w大」と伏せられて大学名は公表していません。
多分ココだろなーって大学サークルのHPにも遭難事故について全く触れていません。
上2件は奥多摩で起きていますが、奥多摩の遭難事故は多発すぎてニュースに載らないんだとか。
丹沢も同様・なかなかニュースになりません。

なので思うんですけど、
ニュースにならないのにHP上きちんと明記しているところは信頼性が高いなーと思います、
遭難事故を起こして、それについて改善しているからこそ明示する自信もあるのかなと。
もし、
「山は遭難してもアタリマエ、その危険を遊びに行くのだ」
なんて謳う先輩OBがいたらその山岳部サークルはレッドカードで、笑
登山の最大目的は危険遊びでもピークハントでもありません、無事に山を歩き無事に下山することです。

無事に登り無事下山、

だから山は「他人に迷惑をかけない=遭難しない最大限の努力をする」があたりまえ、
まず自分で出来ることはすべてやる、それが山の大原則「自助&相互扶助」です。

明日の天候は冬に逆戻り、
今日の気温で緩んだ雪は再凍結→がちがち硬いアイスバーン化で滑りやすいと思います。
アイゼン・ピッケル・ストック+足先指先まで防寒しっかりで、強風低温ゼッタイ無理せず楽しんでくださいね、

もちろん受験生は勉強してくださいね?まず入試の山を登ってください、笑


撮影地:富士山@山梨県吉田口、三頭山@東京都檜原村、北奥千丈岳@山梨県
【参考文献: 金邦夫『山岳救助隊日誌』】

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登山装備:冬山散歩の前に、

2017-01-20 23:59:13 | 解説:用語知識
凍嶺の時間を、



登山装備:冬山散歩の前に、

今季も冬山遭難すでに多発しているんだとか、ソンナワケでご参考までに。
で、大前提、

積雪期の山は難易度が夏山とまったく変わります、装備も経験知識もなく登れば遭難してアタリマエ。
そうした事故が奥多摩はじめ東京近郊の低山は多く起きています。

○まず防寒
山の気温はかなり低く零下もアタリマエ、風・降雪・日照で体感温度の変化が激しいです。
・ハイキングでも冬季は防寒着しっかりで・爪先も指先も冷えるので装備が要ります。
・貼るカイロもおススメ、貼るポイントは尾てい骨=全身の骨が繋がる部分なので骨伝導により全身が温まりやすくなります。
・いわゆる「首」がつく部分も温めるポイントです、足首からふくらはぎはゲイターで・首はネックゲイター・手首も露出しないように温めます。

○登山用ウェア冬仕様に。
・登山用の冬用インナーはおススメ。
・夏ウェアでもレインスーツ・ゲイターなど利用して使いまわすことも可能です、その場合は冬インナー必須。
・防寒&防水をしっかりすること、ゴアテックス素材・ヒートテックなど材質は吟味、ケチらないことが遭難防止の第一歩。
※低山でも滝・渓流などがあると気温かなり低く、凍傷・低体温症など普通に起きやすい条件です。
北斜面・渓谷は想像以上に低温なので要注意。

○氷瀑見物でも防寒&転倒注意
滝までのハイキングでも冬季は防寒着しっかりで・爪先も指先も冷えるので足元から冬装備必須です。
※水場は凍結しています、滑り防止×防水性などの機能性が高い登山靴を選んでください。

○登山用ストックを一本で使うのもおススメ。
二本使いのダブルストックは杖に頼りがちなため逆にリスクが高いです、山岳救助隊でも一本使いのシングルストックを推奨しています。
※シングルストックならTグリップ+衝撃吸収システムが持ちやすく疲れにくいです。

○降雪がなくとも軽アイゼン必携
たとえば奥多摩でも東京都心部とは天候も気温もまったく違います、凍結や急な降雪も珍しくありません。
都下だから~近郊だから~と甘くみた結果の遭難事故が多発しています、奥多摩や丹沢は特に多く=珍しくないためニュースにならないほどです。

○ヘッドライト必携
急な天候悪化=降雪・吹雪、時間ロス=日没後の行動…など照明器具が必要なアクシデントが山ではよくあるコトです。

○クマ鈴は低山でこそ必携
奥多摩も丹沢もツキノワグマの生息地、かつ食料が乏しい時期は低地へ降りてくる可能性も大です。
クマは突然の遭遇に驚くと攻撃する習性があります、遭遇回避のためにクマ鈴・話し声を。
注※クマに遭遇したら撮影は危険、ヘタな動きや音でクマを刺激し攻撃されます。

○耐寒できるビバーク装備
冬山は凍結による転倒・雪崩・滑落・天候急変などで行動不能に陥る危険性が高くなります、
その場合に最低一晩は耐え抜けるビバーク(緊急露営)できる装備は必携です。

○雪山で三脚を担いでいくのはハイリスク
重みで雪に沈みやすい・冬の強風に煽られやすい・知らずに雪庇で設置し事故…など。

○山の情報きちんと把握
山小屋・ビジターセンター、気象予報・天気図などで事前情報を得る。
※山の天候・地形は毎日変化します、新しい情報ちゃんと調べて無理ない安全な登山計画を。

○山小屋・ビジターセンター・山岳救助隊に従う
その山のエキスパートは新情報+経験値がイウマデモナク信頼度大、その情報・指示を遵守して無難です。

○どんな状況でも自力下山できる山行計画
自分のレベル把握+適切な装備+悪天候や体調不良の撤退判断力、など無理ゼッタイしないこと。

山の冬は平地とまったく違う常識の世界、
標高1,100メートル@東京でも滝は↓コンナカンジ、落差35メートルの瀑布でも凍結する冷厳零下です。



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山岳事情:明暗―流行×遭難救助裁判

2016-12-16 23:59:09 | 解説:用語知識
無責任の有責



山岳事情:明暗―流行×遭難救助裁判

雪山の事故+裁判がココントコ多いですけど、、

山は危険、があたりまえ。
危険に踏みこむ責任は踏みこんだ本人にある、
その責任を負える分だけ自由に歩ける、分を超えた山行は死だと自覚する。

っていうのが山のアタリマエで・これが解からないとき事故も理不尽な判決も起きます。

ってこと理解していないなーって判決×北海道警がありましたが、
遊びで危険区域に踏みこんだ結果死亡しても、その救助に失敗した救助者を責める権利はないのが山の常識。
なのに・・・命懸けで救助したのに損害賠償を支払わされる、って判決は=救助なんて無理にするもんじゃないって言ってるのと同じです。

あの判決は山の相互扶助にたいする否定、救助活動にブレーキかけたようなもの。
あんな責任を背負わされるなら救助しないと言われても・・仕方ないだろうなと。

危険性や注意点を明示しないでアウトドア特集する雑誌やテレビが結果、無知なハイカーも判決も作りだしています。
そこらへん山ブロガーさん達も責任もって記事UPしてくれたら、山の遭難事故は減るんじゃないかな?と。



10月以降、山は降雪の可能性があります。
5月までは雪、6月7月でも雪渓のこる山もたくさんあり。
ようするに雪対策マッタク無しで安全な時期は殆んどないってことです。

標高・緯度・地形は同じ県内でもまったく異なる=天候も異なる=難易度も違います。
同じ山でも季節により難易度が変化します、前に登れたら今回も大丈夫ってわけじゃない。

こういう変化を山行ごと事前把握する=情報収集と分析はどんな山でも必須です。

低い山だから~観光地に近いから~自分なら大丈夫だから~

なんて甘さが原因から遭難事故は増加傾向です、
山に踏みこむだけの準備をしなければ事故ってアタリマエ、かつ禁止事項をヤって遭難。
そんな甘ったれ遭難者のために命懸けで救助は…北海道警の判決がアレでは誰もしなくなる・としても仕方ないなあと。

登山靴も履かずゲイターも履かずに雪山へ踏みこめば凍傷してアタリマエ、
アイゼンを装備しないで歩けば転倒も当然、転べば滑落→負傷×凍死もアタリマエ、
食糧も水分も持たず、ライターやマッチもなく登れば疲労凍死するのがアタリマエ、

っていうアタリマエを理解できないナンチャッテ登山者や、その家族は・
理解できていないからこそ安易にナンチャッテ悲劇に酔ぱらって被害者面してしまうし、
救助してくれた人を加害者アツカイして暴言を吐けるんですよね、巻きこんだのは自分たちで加害者だと認める常識も良心もない。

こういう無理解を蔓延させないためにも救助隊の方たちは厳しい態度をされます。
厳しく戒められて「自分が悪かった」と認めることができない人間は、次から安全の努力をできないからです。

っていうリアルを無視しちゃったヒロイズム山岳マンガなんかあるから北海道警の裁判結果も起こるんですけど、



山は山、どんな山でも孤立無援がアタリマエ。
心×装備の準備なければどんな山も遭難します。

○登山レベル把握を正確に:季節ごと難易度マッタク違います。
○低山こそ迷いやすい:疲労凍死や転滑落に陥りやすいです、山中湖畔の標高2,000ない山で3年過ぎても見つからない遭難者も。
○地図読み・ルートファインディング:の未熟者がルート逸れたら即・死だと思ってOK、迷ったときは来た道を戻るのが最も安全な近道。
○天候・体調で無理する=遭難死:登山計画を臨機応変に中止できる決断力がないなら・最初から登らない。
○無責任発言を信用しない:あとちょっとですよ・あっちの道もいいらしいですよ・など甘い判断を誘うセリフは信じない。厳しい言葉を信じて無難。
○写真撮影や休憩に立ち止まる時は要注意:周りの人・岩・木にぶつかり転滑落、気をとられ雪を踏抜く・天候変化に気づかず遭難などよくあります。
○雪山に入るなら凍傷対策:凍傷の応急処置できる装備と知識は必須。靴下やグローブは2枚重ねがアタリマエ、貼るカイロを温湿布に使うなど。
○車で行く場合はタイヤチェーン・車の積雪を落とす道具など必須:朝は晴れても帰りは降雪などあたりまえ・アイスバーン化の時間も計算して計画を。
○冬山は14時下山完了:14時過ぎると凍る・日が陰り森は暗闇→行動不能、登りだしの時間から逆算し復路所要時間を計る→タイムアップ即ひき返す。

あと山行計画にからみますけど、
○安易な山岳ツアーに注意:参加者の登山レベルをチェックしないツアーは遭難しやすい傾向にあります、厳しい審査アリのツアーが無難です。
○天候悪化しても遂行するツアーは危険:山の天候変化は命に関わります、ってことが理解できない人は気象遭難します。
○予定時間変更になっても遂行するツアーは危険:時間の余裕がないと精神的余裕もないため遭難率が高くなります。

ざっくり注意事項あげましたけど、専門書ちゃんと読んでみてくださいね?笑


撮影地:山梨県

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山歩雑談:稜線の光陰―2015・2016年遭難事故

2016-11-16 22:27:00 | 解説:用語知識
娯楽×危険のリアル



山歩雑談:稜線の光陰―2015・2016年遭難事故

週末は山にいます、わりと。笑

いつも楽しく登って帰ってくるけれど反面、危険な登山者もよく見ます。
装備不足だったり、どう見ても体力ダメそうだったり、タイムスケジュール危なげな人、カメラの三脚アブナイひと。
そういうカンジは・有名な山+アクセスが楽+低山・になるほど多くて、そんなこんなで去年度の遭難件数は記録史上最悪でした。



【2015年度山岳遭難事故件数】

発生件数:2,508件
遭難者数:3,043人

○死者・行方不明者:298・37=計335人
○負傷者:1,151人
○無事救出者:1,557人

これは統計が残る1961年(昭和36)以降、史上最多です。
都道府県別だとドウか?っていうとワースト順に、

1.長野県 273件・300人、死者58人
2.北海道 175件・235人、死者12人
3.富山県 136件・156人、死者13人
4.東京都 135件・155人、死者5人
5.新潟県 123件・147人、死者21人
6.群馬県 120件・142人、死者11人
7.静岡県 114件・129人、死者8人
8.山梨県 107件・124人、死者25人
9.岐阜県  93件・117人、死者13人
10.神奈川県 93件・111人、死者9人

長野県はアルプス山系+八ヶ岳があり三千峰・高難度も多く、積雪量も多い山域です。
分水嶺=天候変化が急激なところでもあり、天候・季節による難易度の変化もあります。
有名な山域が多いためレベル違いの登山者も多く、そのため登山計画書が義務化されました。

北海道は高緯度で積雪量も多く低温、アイスクライミングや山スキーによる事故も。
過去ではトムラウシの遭難事故が有名です、またヒグマ遭遇による事故も少なくありません。
北海道のヒグマ事件で有名なのは→三毛別羆襲撃事件

富山県は最高難度ともいわれる剱岳があります。
富山の山域は豪雪×冷厳の世界、ロッククライミングのポイントも多く遭難事故が多発します。
そんな事情から発足した富山県警の山岳警備隊は日本最強と謂われていますが、これまで殉職者も複数出ています。
そうした厳しい山域で遭難救助を公務とすることは問題も多く、草創期は苦難の連続でした。

で、意外だー想われるのは東京都4位だと思います。
その東京にある山域・奥多摩の冬は落差35メートルの滝も凍ります。



東京都の最高峰は標高2,017メートル雲取山、2,000未満が多い山域です。
低山かつ観光名所に隣接している+都心からのアクセスが楽、
って条件が遭難事故件数ワースト4位の原因です。

低山=生活の場に直結します、そのため仕事道が多くルートを間違いやすいワケです。
どこも山は崖・谷・川がある=危険地帯あり→危険を避けて登山ルートは作られる→ルート逸れると危険にハマります。
山の樹林帯は日照を遮るため日没が速く、特に北斜面はすぐ暗く低温・夏でも16時には下山完了しないと暗闇に迷います。

ってことを甘くみて、
観光ついでナントナーク入山してしまったり、
2,000メートルないのに大げさだよ~~とカッコつけて装備不足、
なんて人たちを奥多摩は多く見ます、で、そういう人が起こす遭難事故が増えているそうです。

じゃあナンデ遭難するんだろ?っていう遭難の心理は→山岳ブンガク:生還―山岳遭難からの救出



2016年7・8月の遭難件数も統計が残る1968年以降の最多でした。

発生件数:660件
遭難者数:753人

○死者・行方不明者:48人
○負傷者:357人
○無事救助:348人

都道府県別発生件数は、
1.長野県 107件
2.静岡県 84件
3.富山県 62件

アウトドアについて雑誌やテレビでもよくやってますけど、危険について明示していないことが多いです。
ソンナカンジに乗せられて・悪条件下も無理に登って事故る人も少なくありません。

予定が今日だけ~、とか、せっかくきたんだし~、

っていうのが無理する理由、だけど大怪我・死亡したら後悔しませんか?
そういう無理が精神的余裕を失くして結果、命の危険に直結します。

夏でも凍死するのが山です、
その原因を理解できないなら山に踏みこんじゃダメだろうなと。

で、夏より遭難事故に陥りやすいのは秋です。
この11月は雪も降る+14時には暗くなり凍りだす、そんな秋の山は道迷いと転滑落が増えます。
霜月の雪山



去年の遭難最多記録、今夏も最多記録、
そのデータを知ることで、ムリヤリ登山を止める人が増えたら良いなーと書いてみました。

が、ドキュメント72時でテント村やってたけどキケンしまくってるし、
そういうのダメだって番組は言うべきで・が「こういう経験もいつか活きるかな~」なんてユルイこと言うアタリまじダメだろと。
悪天候下のテント泊に子連れとか死にいくようなもんです、まして岩ゴロゴロ積雪期は雪崩が起きる場所=豪雨は山崩れの危険もある。
無事に過ごせたのはラッキーだったダケ、そのラッキーに頼っての山行は登山ルール大前提「自助」に反することです。

登山はキケンを遊びに行くようなもの、立派な趣味とは言い難いモンです。
そこらへん自覚して・危険管理きっちり自己責任でやって楽しめたらイイですね、笑

ちょっと真面目に37ブログトーナメント


撮影地:山梨県、東京都、群馬県

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山歩雑談:霜月の雪山

2016-11-13 23:58:40 | 解説:用語知識
秋と冬の稜線で



山歩雑談:霜月の雪山

昨日は今シーズン最初の雪山でした、笑
そんなワケで今日は昼ゴハン誘われて出た以外は@家だったんですけど、
昨日いた場所との落差アラタメテ思ったり、で、昨日ちょっと驚いたことアラタメテ。


登ったのは北奥千丈岳、標高2,601メートル・奥秩父山塊の最高峰です。
同じ登山口から花の百名山・国師ヶ岳→百名山・甲武信岳への縦走ルートに入ります。
この縦走ルートから逸れたポイントに北奥千丈岳があるんですけど、登山口の大弛峠から短時間で登れる山です。
標準タイムは大弛峠→北奥千丈岳まで片道1時間15分、大弛峠→国師ヶ岳もそれくらいなので日帰り充分できるルートになります。

っていうふうに書くと、

「なーんだカンタンじゃん午後からでも楽勝だろw」

って思う人がいるんだろうなーと昨日あらためて思いました。
っていうのは・11月の山だっていうのにアイゼンも持たない不用意な人を多く見たからです。

11月の山でアイゼン持っていない人がどうなるか?

っていうと圧雪の氷に足もとが安定せず立往生→転倒滑落、遭難事故に陥ります。
そういう立往生サンを昨日は何人も見ました。


北奥千丈岳・国師ヶ岳までのルートは八割が木道です。
上の写真を見るとわかりますが、木道は板の下が空洞=橋と同じ状態になっています。
車を運転する人は経験アリだと思うんですけど、

橋=下が空洞=風が通る=低温下→凍結しやすいです。

また木道は通路=雪が踏まれる→圧雪→氷になる、いわゆるアイスバーン化しやすいワケです。
木道階段だと足を下ろす圧力が大きく=圧雪しやすく、新たな雪の下すぐ氷になっています。
ようするに「氷の階段」を歩くことになるわけです。

11月=秋=雪は降らない・と平地慣れしていると思いがち。
でも山の11月は降雪の季節です、雪が降らなくても霜が厚く積もるため凍結して薄氷が張ります。
天気予報を見て「けっこう温かいじゃん、零下じゃないし結氷とか嘘だろー」なんて大間違い、標高による気温低下を忘れずに。
また、山=県境な場合は地域またがる両方の天気から考える必要もあります。

標高による気温変化は季節によっても違いますが、

3,000メートル以下:1,000メートルで約5~6度
3,000メートル以上:1,000メートルで約10度

なぜ3,000メートルで気温変化が違うか?っていうと空気の湿度です。
標高3,000メートルを超えると湿度は低くなり乾燥します、乾燥空気のほうが気温低下ってことです。

北奥千丈岳や金峰山の登山口・大弛峠は標高2,365メートル。
大弛峠は山梨県甲府市にありますが、甲府地方気象台は標高273メートル。

標高差2,092メートル=10~12度の温度差がある、ってことです。

甲府11月12日の気温は最高19.3度/最低8.7度→大弛峠は9度/零下3度くらいになります。

前日11月11日までに雨も降った。

大弛峠では降雪、凍結が起きる。

最低気温が10度を下回る11月、山では零下がアタリマエってことです。

山は北斜面と南斜面で日照時間が違うため、気温もマッタク違います。
同じ斜面でも鬱蒼とした針葉樹林帯は暗い=日当たりが無い=気温が上がりません。


日向と日陰は気温差が大きい、
それが斜面の向きでずっと暗ければ気温差さらに大きくなります。
これは森の日当たりでも同じこと・10センチの距離でも日陰になれば氷が張ります、そのため、

角を曲がったとたん足もとアイスバーン→転倒滑落、なんてことがフツーにあるワケです。

ここまで書くと解かると思うんですけど、
凍結は日照時間の影響も大きいため、標高が高くない山でもアタリマエに起きます。
北斜面・樹林帯で日照時間が少ない+谷から冷風が昇る、なんて条件下は冷蔵庫と同じだってことです。

こうした路面凍結は登山口に向かう林道でも同じこと、
カーブを曲がったとたんアイスバーン覆われている、なんてよくあります。
なので11月の山は車道もドライブ慎重に、スピードすこし落として路面凍結を予測しながらの運転が必要です。

11月の登山はアイゼンが欠かせません、軽アイゼンでも必ず持って行くこと。
もし忘れたなら登らない・ちょっとでも凍結があったら即回れ右、が安全を守ります。

林道の運転も同じこと、路面にアイスバーン発見したら危険信号です。
アイスバーンの走行は下り坂だとブレーキが利きにくく、難易度さらにUPします。
行きの登りは走れても帰りの下りはダメだ~~ってよくある話です。

なのでイキナリ通行止め・イキナリ登山バス運休はよくあるコトです。
登山バスに乗ったけど途中で降ろされる、なんてコトも。

イキナリ降ろすなんてひどいなあ、って想う方もあると思います。
昨日も態度がナントカ話している登山客がいました、が、無理に運転走行して事故・死傷ナンテコトになるほうが不親切です。


アウトドアは楽しいです、その楽しさは自然に放りこまれる非日常感だろうなー思います。
その「非日常」っていうのは=「平地の感覚は通用しない」ってことです。

平地とは違う気温、天候変化、路面状況。
この違いが非日常感でもあるし、その違いから日常とマッタク違う事故も起こります。
たった一度のミス判断が大怪我・死亡事故になるなんてことは日常だと考えられないかもいれません、でもそれが山の日常です。

登山ブログもたくさんあって、テレビも登山番組たくさんあって、
登山やボルダリングやってますー宣言してくる芸能人イケメン俳優なんかも多くなって、
登山=「気軽にやれそうだなー」雰囲気ありますけど、気構え+知識技術がなくては即事故を起こします。

が、、、どれもイイとこしか採りあげない・注意喚起マッタクしないから、昨日みたいな立ち往生サンが多いんだろうと思います。

「あんまり大げさに危険言うのはカッコ悪いだろ?」
「こんな高い山でも簡単って言えちゃう俺カッコイイ、」

なんてカンジの登山ブログは、いつか事故る人です。
山の危険を解かっていない=登山をきちんと理解していないでも事故らず済んでいるのは、

周りが気をつけてくれている+運がイイ、

っていうだけで・その人の実力が優れているワケではありません。
自然に飛びこんで遊ぶことは、自然災害や天候変化の危険エリアに飛びこむこと。
その自覚があれば「備えあれば憂いなし」を実行するし、ブログにもそういう注意喚起は怠らないモンです。
無理山行はしない・注意喚起をしてくれる・観天望気する・ピークハントせず撤退も有りなのは信用おけます。

山の小屋主さんや警察・消防の山岳救助隊員さんは山の専門家、
そういう方たちは必ず注意喚起をしてくれます、で、ときには厳しいことも言ってくれます。
そういう厳しさはホントに相手の安全+楽しい登山を願ってくれるからです、山をホントに愛して守るために言ってくれます。

山は自分を自由にする~とか、
山おしゃれです~カッコいいでしょ~、
みたいなソウイウ精神論第一ブログ・雑誌書籍・テレビ情報はアウトで、笑

それくらい今現在・気軽に入山できるポイント=装備不足・レベル違いが原因になる遭難事故が増加中です。
そこらへん山ブロガーさん達みんな責任もってやってくれたら、山の遭難事故は減るんじゃないかなー思います。

登山も山ドライブも安全に楽しめたらイイなあ、
ナンテことを天気のいい休日に想ったので、なんとなく書いてみました、笑


第158回 過去記事で参加ブログトーナメント
撮影地:北奥千丈岳@山梨県

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山歩雑談:霜月、晩秋×初冬

2016-11-11 20:49:02 | 解説:用語知識
キケン×閑寂の山



山歩雑談:霜月、晩秋×初冬

上は11月初旬の谷川岳@群馬県、
谷川岳は標高1,977メートル、二千を超えなくとも山の11月は吹雪きます。
朝方すこし降ったダケで↓標高1,300アタリでこんなカンジ、この薄雪も日照で溶け・冷風に凍りアイスバーン化します。



そんなワケでアタリマエだけど山頂はもっと凍るわけですが、
下は11月の富士山、撮影は真昼ですが雲が湧きだしています。



山の午後は雲や霧が湧きやすいです←日照で雪や霜、朝露が蒸発=雲になるから。
秋の山は朝晩よく冷える=降雪・降霜・朝露があるため、霧も雲も湧きやすい。
この霧や雲に巻かれて道迷い・踏みはずし、転滑落が多く起こります。

秋の日暮れはあっというま→14時の森は暗くなりはじめ、16時には真っ暗に。

秋の山は午後になると気温低下→結露・凍結して足もとが滑りやすい。

なんて事情が秋の山にはあり、
ソンナワケで秋の午後は山岳遭難が起こりやすいワケです。



11月の平野の雨は山で雪、
明日もし登山に行かれるなら冬装備必須で、安全&無事に楽しめると良いですね。


撮影地:群馬県、山梨県、東京都

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山岳ブンガク:生還―山岳遭難「まさか」のリアル

2016-09-04 23:42:09 | 解説:用語知識
遭難は0.1秒



山岳ブンガク:生還―山岳遭難「まさか」のリアル

登山これからしよっかな、って方、まずコレ読むべき本です。
登山いつもやってるけど、って方もあらためて読んだ方がと。

羽根田治『ドキュメント生還』ヤマケイ文庫

なぜ遭難者は遭難するのか?

その心理は誰でも・いつでも陥りやすい、それは自分自身もそう。
そういう自覚が遭難を防ぐポイントだなってコトがよく解かる本です。

で・自分もツイコノアイダ初めて道迷いしかけました、笑

およそ標高1,700メートル某山、ノーマル・ルートなら危険個所なんてない。
一面ひろがる草斜面は夏花あふれるハイキングみたいなルート、
が、別ルートはまったく違います。

藪漕ぎルート、森と谷へ入りこむルート、別山への縦走ルートほかアレコレ、
別のルートへ行くと下山ポイントも違う+クマ生息地も通ることになる。
そんな多種多様な道はすべて山頂で分かれています。

で、ナンデ迷いかけちゃったのかいうと霧です。

天候:明方に雨→日の出後の気温上昇=霧が昇る状況=雲が低くすりぬける視界不良、

視界不良→山頂で道標や下山口の相違が見分けにくい

違う下山口を下りかけた、

っていうカンジで道迷いしかけたワケなんですが、
自分は迷わずフツーに下山できたんですけど、その理由はごく簡単、

「あれ?これ行きと違う道じゃん戻ろうっと、」

って気づいて即座すぐ来た道を山頂へ戻り、

往路に来た道を戻って下山、

駐車場へ戻ったら雨降りだした、

ってワケで雨にも降られず無事に帰ることができたワケです。
無事だった要因は「来た道すぐ山頂に戻り」なんですけども、

「コンナン簡単ジャン誰デモデキルデショ?」

って思うと思うんですけど・コレが出来ない人が道迷い遭難→転滑落で大ケガ・死亡。
ナンテ事例について『ドキュメント生還』は載せられており、
本になるだけソウイウ事例は現実に多いってことです。

遭難する心理は「焦り×安直」です。



1)早く下山しないと電車・バスが無くなる、日が暮れる、
 ↓
2)「アレ?ナンカコノ道チョット違ウカモ?」
 ↓
3)「デモ下ッテイケバ山カラ出ラレルデショ、」
 ↓
4)「ア…谷ダ、滝ダ…飛ビ越セバイケルカナ?」
 ↓
5A)転落→→→死亡or大怪我×後遺症
5B)飛べても戻れない→深く迷い込む→食糧・水分不足から体力喪失→死亡

ってカンジに道迷い遭難は多く下山時に起きます。
そんな事例を生還した遭難者たち自身のドキュメンタリーで描いたのが『ドキュメント生還』です。
この本はタイトル通り生還者たちの肉声から書かれています、が、ただ生還したワケではない方も含まれています。

ルートミスで滝に出る

無理に登攀

滝から転落

頭部と大腿部の裂傷と解放骨折

救助を待つ間に傷が悪化

傷口に蛆がたかる

救助されたが後遺症は残った。
・蛆が眼に入りかけ、取り除こうとして片目の涙腺損傷
・治療のため片脚が長くなり通常には歩けない

蛆=ウジがたかるなんてあるの?って思うかもしれませんけど、放置した傷はすぐ蛆虫がたかります。
たとえば夏なら30分で蛆虫は集まり1時間で産卵、半日で体長2.0mmに成長して1日で4.0mm、2日で7.0mm…5日12.0mm。
ようするに放置すれば傷口から蛆に食い散らかされて死に至るってコトです。

20代女性2名が荷物を宿に置いたまま散策@7月

登山者と会話「西穂山荘まで登ればお花畑が見られるよ」

片道4時間なら帰りのバスに間に合う・登ろう

下山時、まちがえて別ルートを下る

立木の赤ペンキ目印を道標と思い込み下る※道標ではなく境界標識だった

熊笹の藪に迷い込み1名転落・受傷

9日後、転落した1名が自力下山し工事現場に到達・工事現場作業員に救助される

11日後、滝の上部で残り1名を捜索隊員が発見・救助される。

この女性2名は「奇跡の生還」としてマスコミが大々的に報じました。
山にマッタク無知な女性二人が9日間と11日間という長期間を生き延びたドラマ性が注目されたワケです。

が、この事件は後日談があります。

翌年5月「遭難現場を見に行く」と自宅に書き残して二人は入山。

その翌年7月に谷の上流部で2名の遺体発見。

遺体発見現場は、最初の遭難で9日間目に救助された女性が発見された谷でした。

で、この↑事件ドコが現場の山かいうと西穂高岳です。

っていうと山やる人はもう「あー5月とかマジムリだろ死亡フラグだろ?」ってなると思います。



5月の山は雪です、標高1,600あたりフツーに銀世界。
西穂高岳は標高2,909メートル、西穂山荘は2,385メートル。

春の残雪期は厄介です、山やっている方・ココを何度か読まれた方はもう解かると思うんですけど。
日中に溶けて・夜間に凍って、

固く締まった雪はアイスバーン状態=つるつる鏡面状態で滑落アウト
or
緩んだ雪はミゾレ状態=くずくず底なし沼状態に足とられて疲労凍死

っていうことが春5月の高山ではフツーにあります。
なのでフツーに冬山装備&技術はアタリマエに必要で、

アイゼン=登山靴の底に嵌める滑り止めのブレードやワカン=雪の踏抜きを避ける+ゲイター(膝下スパッツ)で足もと固めて、
ストック=杖で雪の深度を確かめたり、ピッケル=刃や石突がついた杖・つるはしをストッパーに使ったり、
防寒着・火を焚ける準備・急な降雪の装備(雨具・ツェルト・ヘッドライト)など当然に必要、
そしてなにより…

冬山・積雪期と夏山・無雪期は難易度マッタク違います。

積雪によりルートは不明瞭、道標も雪埋もれてしまうこともあり、
冬の偏西風は強く高山では突風になり、積雪期の富士山はシャッターを吹っ飛ばすほどの豪風となります。
そんなわけで5月の穂高は雪のなか、ヘルメット着用も必須となる初心者だけでは無謀すぎるルートです。

遭難現場は登山ルートから逸れた場所=危険個所だらけでルート設定できない場所、ってことです。
そして彼女たちの遺体が発見された場所は外ヶ谷=谷は急斜面=雪崩の危険アタリマエな場所です。

5月の穂高が積雪期であることも知らず、遭難現場がどういうポイントなのかを考えてもいない。
積雪期に遭難現場を見に行くという発想自体が・遭難時から進歩がない無知レベルのままだと暴露しています。

こんなこと言うと死者に鞭打つコトになるけれど「反省しろ迷惑を考えろ」と思います。

山岳遭難した当事者はしばらく登山を自粛することが多いです。
この『ドキュメント生還』に綴られる当事者たちも自粛期間を設けています、
それは自身に課した反省であり反芻=頭を醒ます期間でもあり、そうした時間が次からの山行を用心深くします。

2)「アレ?ナンカコノ道チョット違ウカモ?」
 ↓
3)「デモ下ッテイケバ山カラ出ラレルデショ、」
 ↓
4)「ア…谷ダ、滝ダ…飛ビ越セバイケルカナ?」

この2~3は「頭が醒めていなかった」ゆえの判断ミス、だから頭を醒ます反芻期間が必要なワケです。

「なぜ自分が遭難したのか?」

それを自身で突詰めて、その結論から遭難しない準備訓練をする。
そういうホントの反省を経てから「遭難現場を見に行く」人もあると思います、が、その場合は危険度が低い日時を選びます。
また危険個所には近寄らず遠くから見るなど安全遵守が当然のマナーです、そうした反省山行をしている方は作中にもいます。

で、この西穂高岳遭難事故について思うのは・こういう人は今もたくさんいるなってことです。



今夏、富士山で同じような人を見かけ引き返させたことが2度ありました。
サンダル履き女の子+街中ふぁっしょん男性ってカップル、半袖ハーフパンツのドライブ途中な男性、
いずれも時間は午後+天候は1時間以内に雨降るだろうなって曇×霧+クマが生息する標高、っていう条件、

「あーこれホッタラカシたら道迷いorクマ遭遇でアウトだなー」

思ったので声かけたんですけど、
その時の印象なんていうか…正直ちょっとホラーな感じがしました、

“魔がさす”

って言葉ありますけど、あんなカンジ。
なんでソンナこと言うのかっていうと、

カップルは手を繋いでマイナールートの林道をふらふらっと登りかけてゆき、
半袖男性はルート逸れた森へ(途中まで作業道アリ)ふらり踏みこんでゆき、

「…もうじき雨ヤバイって解かるだろこの曇り方×霧の降り方?」

っていう天候条件の午後は、もう森の中は薄闇が降り始めていて、
フツーに考えたらソンナトコわざわざ踏みこもうなんて思わない、だって真っ暗になるの近いだろ??
…っていうフツーの判断力も低下してしまうから「ふらふら」踏みこんでしまうんだろうけれど…なんていうか「?」な背中してて、

「すみませーん、そっちクマが棲んでますよ?今年は遭遇率が高いですよー」

って声かけたら、
どっちの時も「はっ!?あああれっ?」ってカンジの貌していて、
驚いたような醒めたような貌から「ああすみませーん、」て戻って行った貌が・なんていうか、

魔がさす、引きこまれる惹きこまれる、

ソンナカンジのなんとも言えない空気感があったんですよね。
コウイウコトって今夏だけじゃなくて今までに何度もあって、

積雪期の奥多摩でもいたし、
積雪期の尾瀬でもいたし、谷川岳でもいたし大菩薩嶺でもいたし…その他あちこちの山でもいて、
秘密にしている花の楽園な山でもナゼかいたときは正直・なんでコイツこんな恰好でこんなとこ?って薄気味が悪かったです。



それから、
子連れで装備が薄い・っていうか散歩スタイルな家族連れを2年前あたりからよく見ます、
ハッキリ言ってしまうけど・アレは子どもを殺しに行くようなもんです。

前に入笠山だったかな?で脱水症状の小学生に遭いました。
散歩スタイル(半袖)の親子連れ、持っているのは4人家族でペットボトル2本、
山頂360度パノラマ吹きさらし・風あり・曇・気温低め・紅葉も盛りすぎる秋10月っていう条件で、

「あ、これヤバイやつだ?」

思ったので塩分補給の飴と予備の水ペットボトルを小学生にあげました、
で、親御さんには、水しっかり飲ませて早く下山しろ低体温症になるぞ言ったんですけど、
半袖ハーフパンツにビーチサンダル履いた親はボケーッと反応も鈍いまま突っ立っていました。
親自身も疲労困憊で頭が動かない+自分たちは大丈夫っていう意地もある、っていう貌していたので、

ま、そこに大学山岳部なグループが飯食ってるし任せられるな?

と判断して自分も予定時間があるので、
いざとなったら助け求めろよと親&本人に念を押して下山しました。
そこにいた他の登山者みんなが装備ちゃんとしていた+正午前だったので、なんとかなったろう思います。



ノリやナントナクで山を歩けば、死に当る。

それくらい山の地形は複雑で・天候変化と日没は急激です。
それはオドシでも何でもない山の現実で、この本はそんな現実をつづっています。
大自然に無知・無防備な者は死ぬ、たとえ生還しても・遭難事故の後遺症が人生を変えてしまうことも当り前の現実。

なんて書くと山怖いなー思うと思いますが、その「怖い」こそが慎重な山行を歩かせてくれます。
怖いと思うから装備を整え・技術を学び・万が一サバイバル状況からも生還する知識と覚悟を備えさせてくれる。
だから「怖い」と、この本を読んで感じてもらえたらいいなー思います。

上にも書いたけど・自分が道迷いしても遭難しなかったのは判断力×決断力のおかげです。

「これ行きと違う道じゃん戻ろうっと、」

って思えたのは漠然とした感覚だけではありません。
そういう「違う道じゃん」って気づけるだけの歩き方をしているからです。

○登山ルートの事前確認。
・登山道がいくつあるかチェック、分岐点に要注意。
・ルートの途中に何があるか、標準コースタイムなどを登山図でチェックする(パンフレットや旅行雑誌の簡易マップでは補えないのでNG)
・自分が登らないルートの知識も頭に入れておく、別ルートの知識があると迷い込んでもすぐ気づける。

○登る途中たまに振り向く。
・山は登りと下りで風景が変わるモノ、振りかえることで下山時の風景を記憶させます。
・振りかえるときは後方左右+足場に要注意。
 ※登山ザックがぶつからないよう注意:後方や隣の人にぶつけて転滑落させる事故が起きています。
 ※ふりむく一歩がバランスを崩し滑落・落葉や雪庇を踏抜いて転落…など注意、安全な場所に立ち止まってから振向くこと。

○違和感を感じたらすぐ戻る。
・山頂は必ず正規の登山道に繋がっています、そこまで戻れば迷わずに下山可能です。
・戻るのはメンドウクサイ…と思った瞬間に遭難と直結します、マジメ戻りましょう。

○天候悪化の気配は即、下山…悪天候下の行動は道迷い頻発。
・遠雷→雷は標高が高いほど雷撃の危険が増加します、雷が小さくとも鳴ったら即・下山※雷撃死は奥多摩でも事例アリ・低山でも危険です。
・雨の匂い→埃っぽい湿った風は雨の報せ、10分~30分以内に降りだします。雨具を備え+岩場など滑りやすい場所で降雨に遭わないよう急ぐ。
・雪雲→10月~5月の山は雪の季節、灰色の重たい雲は雪を降らせます。西でこの雲が湧きだしたら風のスピードで15分後は吹雪くことも。
・強風→強い風は突風になり煽られバランスを崩し転倒・転落が危険です、天候変化も急激に起こします。
・霧→山の霧は雲=視界不良で道迷い・転落の危険度が増します、ヘッドライトの準備をして無難です。夏山の午後はよく霧が湧くため要注意。

○遅くとも15時には下山完了
・山中の日没は平地より早いです、16時で樹林帯は真っ暗になります。
・とくに秋は日暮れあっという間、要注意。
・夕方は野生獣が活動します(早朝・夕方はゴハンタイム餌探し)



それから…いちばん大事なのは、

“その場限りの言葉を信用しない”

これすごーく多いんですよね、実際。

「あとちょっとで行けますよ、すぐです、」
「ハイキングレベルですからナンテことありません、楽な道です」
「あっちのルートも良いらしいんですよ、下山あちらも良いんじゃないですか?(まだ私も行ったこと無いけど)」

なんていう安易な励まし?発言は・絶対に・信用しないほうがいいです。
こういうのは発言者の主観と見栄が入りこみやすいのでアテになりません。

・ちょっとで行けます=コースタイムは歩幅・技術で個人差が大きいです。
・ハイキングレベル=公式は中級レベルの山でもハイキング~と言う人は多くいます※山ブロガーは要注意。
・楽な道=ヤヤ面倒な道でも「俺レベルだとコンナ山は簡単だし?」っていう見栄が配合された発言であることも多くアリ。

特に危険なのは、

「あっちのルートも良い『らしい』んですよ、」

っていう伝聞形はホント無責任な発言だと思ったほうがいいです。
逆に「あっちのルートは危ないらしいですよ?」は信用したほうが無難ですけど。

こういう伝聞形の発言を、
山上での昼飯で一緒になった初対面者から言われて信じちゃって、
そのルートに行ってみたら道迷い+沢水の増水で渡渉不可+体力と時間を奪われて遭難、
っていう実例はよくある話で『ドキュメント生還』にも載せられています、で、当事者の述懐にも、

……
行ったこともないコースを「そっちのほうが近いんじゃないか」なんて、やっぱり言うべきじゃないと思います。
山ではよく励ますつもりで「もうすぐですよ」とか言ったりするけど実際にはけっこう時間がかかってりするでしょ。
だからあんまり安直なアドバイスはしないで「ちょっと大変だよ」ぐらいに言ったほうがいいかもしれないね。
……

コレほんとそうだなって思います、
この本を読む前からですけど、自分は山で訊かれるといつも「~が危ないので気を付けてくださいね?」とハッキリ言います。
危険ポイントを言われると・たいてい誰でも用心して歩くので遭難に陥る危険度も減ります。
だから装備とか様子を見て、

「あ、このひと山を調べずに歩いてる危険だな?」
「まだ登山始めたばっかりっぽいな、危ないな?」

思ったら、あいさつの後で声を掛けます、
あいさつすると「どうですか?」とかアレコレ訊いてくれるので「危ないですよ?」とハッキリ言います。
特に積雪期や天候が悪化する時に登ろうとする装備の薄い人は声を掛けます、それで戻らないなら本人の責任です。
登山は自助と相互扶助、基本の自助努力をしない人なら救助もいらないんだなーって判断させてもらって自分は下山します。

ざっくり書きましたけど・こういう知識だけだと身に沁みにくいと思います、
で、遭難の取材した本を読むと「遭難ヤバイ自分ならどうする?」て自分の頭で感じて考えるから沁みます、笑
この『ドキュメント生還』の著者・羽根田治さんは他にも遭難本を出してるんですけど、山に行くなら一読したらと思います。

青梅署山岳救助隊で長年勤められた金邦夫さんの著作もオススメ、
山の警察官として多く授章された山岳救助の指導者で、高難度の登山を多数こなしながら山岳救助の現場指揮をしたプロ中のプロ。
山好きな現皇太子の護衛兼ガイドも務めた人で、多くの山ヤさんと交流があり世界最強の山ヤと謳われた山野井泰史さんとも親しいそうです。

どんな道でもまず先達に習い倣うこと、って言いますけど・登山もまったくそうだな思います。
読んで学ぶこともオススメです、笑
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