萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

山岳点景:最高峰の森、皐月富士

2017-05-28 15:10:10 | 写真:山岳点景
雪嶺の初夏、


山岳点景:最高峰の森、皐月富士

富士山5月、
雪面こまやかな斑は雪崩の痕跡、荒ぶる目覚め時です。


5月の上部は融解×凍結くりかえして硬度コンクリートの鏡面状態。
それでも雪どけ迎えた森林限界の山腹、森は新緑ひらく春。


見あげる梢はるかな山頂、絶えない雪煙×陽ざしの夏。


吹きおろす冷たい風、芽ぶきの落葉松やさしい緑。


足もと、薄紫まぶしい菫スミレ。


林床から萌える実生、


わずかな草地に白い可憐な小さな花、白花蛇苺シロバナヘビイチゴ。


標高すこし低めたポイント、
木洩陽に透ける赤紫いろは三葉躑躅ミツバツツジ。


ミツバツツジは春酣の花、下界とは開花期が1ヵ月から違います。


山麓、やわらかな朱色は山躑躅ヤマツヅジ。


麓めぐらす森の彼方、雲を吐く最高峰。


撮影地:富士山@山梨県2017.5

山開き前は危険が多い時季です。
○雪崩が起きやすい時期→富士山は「遮るものがない」雪崩が大規模化しやすい地形、スバルライン下部まで到達したこともあります。
○シーズンオフの山小屋@富士山は休業中、一ヵ所のみ開きますが登山レベル次第で断られます・それだけ危険度が高いと認識してください。
○雪どけ初夏の山は冬眠明け、子連れの野性獣は飢餓と緊張で荒いときです。
・熊鈴は必携、富士山はツキノワグマの生息地です。
・富士山のツキノワグマは住宅街まで降りることもアリ・林道や登山道を逸れると遭遇率ナオサラ高く危険です。
・自生する山菜などの採取は野性獣との衝突→襲われる原因になります(富士山では入会権からも無許可採取は禁止です)
○午後からの入山は厳禁、富士山は想像よりコースタイムが掛かる+日没まっ暗→行動不能に陥りやすいです。
あと、
【富士山でのスキー&スノーボードは危険】
ブログや動画で自慢する方も多いですが・二次遭難&雪崩誘発の危険性と責任は否めません。

雪崩は地形+天候が発生要因ですが・人為的誘発も多くあります。
欧米では全体の8~9割が人為的発生、国内でも1993年に北海道大学で6割強が登山者・スキーヤーの誘発とみなされる報告がされました。
また「自分の足もとで起きる=誘発」ではありません、振動・衝撃が雪を伝わり誘発するため無自覚の雪崩トリガー者が多いです。

○救助へ向かった別パーティ登山者の死亡例も少なくありません、その責任・遺族への賠償は娯楽レジャーの代償にはキツイ現実です。
○それでもやるなら「救助は絶対に要りません、遺体も回収不要」ぐらいの遺書+家族の了承+管轄警察にもその旨の連絡を。

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