恵みの木

soliloquy 風待月act.3―another,side story「陽はまた昇る」
まるい実は、あまやかな香に季節を知らす。
この香は春の花とよく似て、春よりも瑞々しい。
あまく爽やかに風もそまる、懐かしい記憶がそっとふれていく。
この香は留めておくことが出来る、色んな方法で。
氷砂糖や蜂蜜と一緒に焼酎で漬けこむと、食前酒にも薬酒にもいい。
あまく砂糖で煮込んで、甘露煮にすれば茶席の菓子にも、デザートにも使える。
それから、これは手間がかかるけれど梅干しにしたら、何年でも保存が出来てしまう。
…ほんと良いよね、梅って…
ストレートな想いに、梢のまるい実たちへ微笑んでしまう。
この梅の実は、台所を守る立場からも好ましいから。
いつも菓子にも料理にも使えて、長く重宝する。
そして梅の花は雪にも咲いて、春告げる。
奥多摩の梅も美しかった、この庭でも春に香って茶席にも季節を告げてくれた。
こんなふう梅は、春と夏と2度の季節に恵みをくれる。
どちらの梅の季も、あまやかな香に包まれ愛おしい。
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まるい実は、あまやかな香に季節を知らす。
この香は春の花とよく似て、春よりも瑞々しい。
あまく爽やかに風もそまる、懐かしい記憶がそっとふれていく。
この香は留めておくことが出来る、色んな方法で。
氷砂糖や蜂蜜と一緒に焼酎で漬けこむと、食前酒にも薬酒にもいい。
あまく砂糖で煮込んで、甘露煮にすれば茶席の菓子にも、デザートにも使える。
それから、これは手間がかかるけれど梅干しにしたら、何年でも保存が出来てしまう。
…ほんと良いよね、梅って…
ストレートな想いに、梢のまるい実たちへ微笑んでしまう。
この梅の実は、台所を守る立場からも好ましいから。
いつも菓子にも料理にも使えて、長く重宝する。
そして梅の花は雪にも咲いて、春告げる。
奥多摩の梅も美しかった、この庭でも春に香って茶席にも季節を告げてくれた。
こんなふう梅は、春と夏と2度の季節に恵みをくれる。
どちらの梅の季も、あまやかな香に包まれ愛おしい。
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