目的は?
山歩雑談:山岳遭難事故の継承×警鐘
先週、阿弥陀岳@八ヶ岳で早稲田大学ワンゲルでの遭難事故がありましたけど、冥福を祈ります。
ご遺族は悲しんでおられるだろうと想います、
それでも大学に入ったら山岳部いくぞーなんて学生もいるかなと。
だからこその事実提起なんですけど、
↓
この大学は遭難事故もう何度目ですか?
早大は山岳系サークル複数ある×伝統があり、ワンダーフォーゲル部も探検部も有名です。
早稲田に限らず山岳部の伝統校はいくつかあります、東大や京大、明治大・日大も有名です。
今はホームページを開設しているとこ多いですけど、閲覧してみると温度差がけっこうあります。
○山岳遭難事故を起こした経歴を明記しているところ、
○山の危険性をきちんと記しているところ、
こういうところはイイなって思います、
山は危険が当たりまえ、そこで何十年もサークル部活動やってりゃ事故事例もある、
その事実をきちんと挙げて分析してこそ、次の無事な山行ができるってもんです。
逆に、
過去の事故=いわゆる負の遺産を明示していないところは、危険だなーと。
すべき反省をきちんと継承する気がない、っていう伝統があるのかな?と。
そーゆー危険サークル減ってほしいし、
そういうとこで犠牲になる学生はゼロになってほしい、
なんてことを想うので、某大学の山岳系サークル実例を↓
東京都の山岳地域・奥多摩を管轄する警察山岳救助隊は青梅署と五日市署です、
その青梅署副隊長手記に・ある大学の遭難事故について書かれています。
平成14・2002年5月11日 雨降谷滑落 W大学探検部1名死亡
平成14・2002年7月14日 真名井沢転落 W大学ワンダーフォーゲル部1名重傷
同じ年に同じ大学、たった2ヶ月後に遭難事故が起きました。
2件とも遭難者はサブリーダーを務めていた学生です。
5月の滑落死亡事故は、沢登りで滝を超えるときに起きました。
考えられる原因は二つ、
↓
○セルフビレーの欠略。
○全員が初めての沢でルートを知らず、危険ルートを登ってしまった。
7月の転落事故も沢登り目的で、沢源頭部の岩場を40メートル転落。
頭蓋骨骨折・脳挫傷・脳内出血・脳膜外出血と厳しい容体でした。
↓
○読図上のミス、等高線で判断できる安全ルートをとらず急峻なルートを選択した。
○ザイルで懸垂下降すべき場所でそうしなかった。
上記2件には共通点があります、
1)遭難者はサブリーダー。
2)読図・ルートミス+ザイル欠略=初歩的ミスが原因。
↑
この2点から考えられることは、
○部活サークルOBが初歩的安全策を教えていない。
○リーダーおよびサブリーダーを担える人材が育っていない。
初歩的安全策を徹底することは、登山の基礎です。
怠れば危険が起きてアタリマエ、それは標高にカカワラズ同じこと。
実際・上2件も標高1,000メートルない地点で遭難しています。
↑
奥多摩はこーゆー初歩ミス遭難が多いです。
ってことから考えても、
標高が低い=油断する、
っていうのが一番の遭難原因かな、と。
トコロガ山は油断禁物!油断したら遭難するのが山です。
転落も滑落も足場不如意、足元の不注意や装備不足・ザイル欠略など油断が原因。
登山靴の紐やアイゼンのベルトを締めなおそうとした瞬間、風にあおられ滑落ナンテコトも珍しくありません。
たった一瞬の油断が死、そのリアルは低山でも高山でも同じです。
↓
なんですけど、
じゃ・上2件の事故を起こした大学はドースリャ良かったのか?
1.同じ大学内で別サークルが起こした遭難事故を「他人事」にしない。
2.遭難事故を分析し改善策をうちだす・実行する。
3.別サークルでも情報共有をする。
4.登山に関わるリスクを周知徹底する。
なんてことをしないと、また繰り返すのではないかな?と。
厳しい直言すれば・・・
同じ年たった2ヶ月後にサブリーダーが遭難事故、っていうのはカナリ運が悪いorカナリ低レベルのどっちかです。
別サークルでも同組織内=根源的意識に問題と思うしかないなあと。
もし「運が悪い」なら、
「あ~これは登山しちゃいけないって運命なんだな俺、」と辞めること。
実際・遭難したら山を辞めようと決めている人もいます、ソレも山好きの在り方だろうなと。
もし「低レベル」なら、
「あー技術ちゃんと身に着けてから登ろう、」と努力ちゃんと積むこと。
どんなトップクライマーも「まだ自分は技術不足だな」っていう自己認識から努力がスタートしています。
そういう謙虚な分析力は山を登るイチバンの素質かもしれないです。
とにかく山は「無理をしない」が鉄則、
技術を無理しない、
計画を無理しない、
天候を無理しない、
体調を無理しない、
ってことを客観的に謙虚に分析しながら山を歩く、
この無理をドレか一個でもすれば遭難事故は起こります。
こーゆー分析&山行反省&徹底をしない山岳部サークルは信用NG、
特に大学パーティー遭難事故は「計画・天候」を無理した結果が多いです、
大学の講義とかバイトとか予定があるから~って無理しちゃうんでしょうけど、
毎年何件も大学生の遭難事故が起きていることを軽視しないでください。
大学の遭難事故は表沙汰になっていないものも多くあります、大学イメージのマイナスになるためでしょうか?
上にだした実例も「w大」と伏せられて大学名は公表していません。
多分ココだろなーって大学サークルのHPにも遭難事故について全く触れていません。
上2件は奥多摩で起きていますが、奥多摩の遭難事故は多発すぎてニュースに載らないんだとか。
丹沢も同様・なかなかニュースになりません。
↓
なので思うんですけど、
ニュースにならないのにHP上きちんと明記しているところは信頼性が高いなーと思います、
遭難事故を起こして、それについて改善しているからこそ明示する自信もあるのかなと。
もし、
「山は遭難してもアタリマエ、その危険を遊びに行くのだ」
なんて謳う先輩OBがいたらその山岳部サークルはレッドカードで、笑
登山の最大目的は危険遊びでもピークハントでもありません、無事に山を歩き無事に下山することです。
無事に登り無事下山、
↓
だから山は「他人に迷惑をかけない=遭難しない最大限の努力をする」があたりまえ、
まず自分で出来ることはすべてやる、それが山の大原則「自助&相互扶助」です。
明日の天候は冬に逆戻り、
今日の気温で緩んだ雪は再凍結→がちがち硬いアイスバーン化で滑りやすいと思います。
アイゼン・ピッケル・ストック+足先指先まで防寒しっかりで、強風低温ゼッタイ無理せず楽しんでくださいね、
もちろん受験生は勉強してくださいね?まず入試の山を登ってください、笑
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先週、阿弥陀岳@八ヶ岳で早稲田大学ワンゲルでの遭難事故がありましたけど、冥福を祈ります。
ご遺族は悲しんでおられるだろうと想います、
それでも大学に入ったら山岳部いくぞーなんて学生もいるかなと。
だからこその事実提起なんですけど、
↓
この大学は遭難事故もう何度目ですか?
早大は山岳系サークル複数ある×伝統があり、ワンダーフォーゲル部も探検部も有名です。
早稲田に限らず山岳部の伝統校はいくつかあります、東大や京大、明治大・日大も有名です。
今はホームページを開設しているとこ多いですけど、閲覧してみると温度差がけっこうあります。
○山岳遭難事故を起こした経歴を明記しているところ、
○山の危険性をきちんと記しているところ、
こういうところはイイなって思います、
山は危険が当たりまえ、そこで何十年もサークル部活動やってりゃ事故事例もある、
その事実をきちんと挙げて分析してこそ、次の無事な山行ができるってもんです。
逆に、
過去の事故=いわゆる負の遺産を明示していないところは、危険だなーと。
すべき反省をきちんと継承する気がない、っていう伝統があるのかな?と。
そーゆー危険サークル減ってほしいし、
そういうとこで犠牲になる学生はゼロになってほしい、
なんてことを想うので、某大学の山岳系サークル実例を↓
東京都の山岳地域・奥多摩を管轄する警察山岳救助隊は青梅署と五日市署です、
その青梅署副隊長手記に・ある大学の遭難事故について書かれています。
平成14・2002年5月11日 雨降谷滑落 W大学探検部1名死亡
平成14・2002年7月14日 真名井沢転落 W大学ワンダーフォーゲル部1名重傷
同じ年に同じ大学、たった2ヶ月後に遭難事故が起きました。
2件とも遭難者はサブリーダーを務めていた学生です。
5月の滑落死亡事故は、沢登りで滝を超えるときに起きました。
考えられる原因は二つ、
↓
○セルフビレーの欠略。
○全員が初めての沢でルートを知らず、危険ルートを登ってしまった。
7月の転落事故も沢登り目的で、沢源頭部の岩場を40メートル転落。
頭蓋骨骨折・脳挫傷・脳内出血・脳膜外出血と厳しい容体でした。
↓
○読図上のミス、等高線で判断できる安全ルートをとらず急峻なルートを選択した。
○ザイルで懸垂下降すべき場所でそうしなかった。
上記2件には共通点があります、
1)遭難者はサブリーダー。
2)読図・ルートミス+ザイル欠略=初歩的ミスが原因。
↑
この2点から考えられることは、
○部活サークルOBが初歩的安全策を教えていない。
○リーダーおよびサブリーダーを担える人材が育っていない。
初歩的安全策を徹底することは、登山の基礎です。
怠れば危険が起きてアタリマエ、それは標高にカカワラズ同じこと。
実際・上2件も標高1,000メートルない地点で遭難しています。
↑
奥多摩はこーゆー初歩ミス遭難が多いです。
ってことから考えても、
標高が低い=油断する、
っていうのが一番の遭難原因かな、と。
トコロガ山は油断禁物!油断したら遭難するのが山です。
転落も滑落も足場不如意、足元の不注意や装備不足・ザイル欠略など油断が原因。
登山靴の紐やアイゼンのベルトを締めなおそうとした瞬間、風にあおられ滑落ナンテコトも珍しくありません。
たった一瞬の油断が死、そのリアルは低山でも高山でも同じです。
↓
なんですけど、
じゃ・上2件の事故を起こした大学はドースリャ良かったのか?
1.同じ大学内で別サークルが起こした遭難事故を「他人事」にしない。
2.遭難事故を分析し改善策をうちだす・実行する。
3.別サークルでも情報共有をする。
4.登山に関わるリスクを周知徹底する。
なんてことをしないと、また繰り返すのではないかな?と。
厳しい直言すれば・・・
同じ年たった2ヶ月後にサブリーダーが遭難事故、っていうのはカナリ運が悪いorカナリ低レベルのどっちかです。
別サークルでも同組織内=根源的意識に問題と思うしかないなあと。
もし「運が悪い」なら、
「あ~これは登山しちゃいけないって運命なんだな俺、」と辞めること。
実際・遭難したら山を辞めようと決めている人もいます、ソレも山好きの在り方だろうなと。
もし「低レベル」なら、
「あー技術ちゃんと身に着けてから登ろう、」と努力ちゃんと積むこと。
どんなトップクライマーも「まだ自分は技術不足だな」っていう自己認識から努力がスタートしています。
そういう謙虚な分析力は山を登るイチバンの素質かもしれないです。
とにかく山は「無理をしない」が鉄則、
技術を無理しない、
計画を無理しない、
天候を無理しない、
体調を無理しない、
ってことを客観的に謙虚に分析しながら山を歩く、
この無理をドレか一個でもすれば遭難事故は起こります。
こーゆー分析&山行反省&徹底をしない山岳部サークルは信用NG、
特に大学パーティー遭難事故は「計画・天候」を無理した結果が多いです、
大学の講義とかバイトとか予定があるから~って無理しちゃうんでしょうけど、
毎年何件も大学生の遭難事故が起きていることを軽視しないでください。
大学の遭難事故は表沙汰になっていないものも多くあります、大学イメージのマイナスになるためでしょうか?
上にだした実例も「w大」と伏せられて大学名は公表していません。
多分ココだろなーって大学サークルのHPにも遭難事故について全く触れていません。
上2件は奥多摩で起きていますが、奥多摩の遭難事故は多発すぎてニュースに載らないんだとか。
丹沢も同様・なかなかニュースになりません。
↓
なので思うんですけど、
ニュースにならないのにHP上きちんと明記しているところは信頼性が高いなーと思います、
遭難事故を起こして、それについて改善しているからこそ明示する自信もあるのかなと。
もし、
「山は遭難してもアタリマエ、その危険を遊びに行くのだ」
なんて謳う先輩OBがいたらその山岳部サークルはレッドカードで、笑
登山の最大目的は危険遊びでもピークハントでもありません、無事に山を歩き無事に下山することです。
無事に登り無事下山、
↓
だから山は「他人に迷惑をかけない=遭難しない最大限の努力をする」があたりまえ、
まず自分で出来ることはすべてやる、それが山の大原則「自助&相互扶助」です。
明日の天候は冬に逆戻り、
今日の気温で緩んだ雪は再凍結→がちがち硬いアイスバーン化で滑りやすいと思います。
アイゼン・ピッケル・ストック+足先指先まで防寒しっかりで、強風低温ゼッタイ無理せず楽しんでくださいね、
もちろん受験生は勉強してくださいね?まず入試の山を登ってください、笑
撮影地:富士山@山梨県吉田口、三頭山@東京都檜原村、北奥千丈岳@山梨県
【参考文献: 金邦夫『山岳救助隊日誌』】
【参考文献: 金邦夫『山岳救助隊日誌』】
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正論ですし当たらずとも遠からず。
申し訳ない部分も多いです。
ですが、そもそも冒頭の阿弥陀の遭難はワンゲルの事故ではないですよね?
それに探険部はサークルです。
参照してるものも乏しいですし、書くならもうちょっとは調べて書いて欲しいです。
参考文献はコレだけではありません、他資料でも貴大学の遭難事例をよく見るため書きました。
ここには警視庁管轄の山域で起きた遭難事例を提示したので、直接引用した警視庁山岳救助隊副隊長の手記を明示してあります。
自分が尊敬する学者に、早稲田大学ご出身の先生がいます。
その分野の第一人者としてご尽力され、海外でも教鞭を執られた方です。
そういう方を輩出する大学は素晴らしいと思います。
だからこそ、繰り返される遭難事故が残念で書いた記事です。
OBさんということですが、部活・サークルの区別というより共有意識が大事だと思いませんか?
組織内で起きたマイナスは、全体のマイナスとして共有し自認することで改善ポイントが見いだせます。
なにより登山は危険を回避して楽しむことが前提です、失敗に学ぶことは危険回避につながります。
まして大学は学びの場です、私立大学で首位を競う貴学だからこそ示せる姿があるのではないでしょうか?