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朝日新聞社
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輪子の父親虎雄は、競輪選手になりそこねた男だった。
その時は追い風であり、100㍍10秒8が出て母校のそれまでの高校陸上記録を塗り替えるような記録だったのだ。
「俺、競輪選手になる」と母親のミネに胸を張る。
だが、「バカなこと言うじゃない!絶対に許さんぞ!」と激怒した父親の佐吉に頭をしたたか殴られたのだ。
若い頃、松戸のボクシングジムに通っていたと言う佐吉はいわゆるパワハラ・オヤジで口より手が先に出るので、高校生の息子にとって常に威圧する存在だった。
後年、どのように虎雄は悔いても、それまでなのである。
つまり、親の反対を押し退けてまで競輪選手になるという<願望>が欠けていたのだ。
ところが皮肉なもので、後輩たちが競輪選手になって活躍し出す。
競輪選手として高収入を得た後輩に、取手市内のスナックで顔を合わす機会も増える。
農家を継いだ虎雄は、歯ぎしりをする思いだったのだろう。
そこで、田畑を売ってまで競輪の車券買いに走り、破滅の道へ向かって行く。
そんな父親と同じように、輪子は競輪大好き人間になっていた。
4月から約2カ月間続いた東京都の休業要請は19日、接待を伴う飲食店などの営業再開に伴い、全面解除される。
都内では「夜の街」で多数の新型コロナウイルス感染者が確認されていることから、新宿区が積極的な検査受診を店舗側に呼び掛けるなど、二次感染を防ぐ取り組みが進められている。
ホストクラブやキャバクラといった店が多く集まる新宿区は18日、従業員や事業者の組合などを交えた対策連絡会の初会合を開いた。吉住健一区長は「安全で安心できる環境をつくっていく。どうやったら感染拡大を防止できるか情報共有していきたい」と強調。予防策の徹底や、感染者が確認された場合は保健所の調査に協力するよう事業者側に求めた。
区は、感染者が出た店舗の要望に基づき、従業員に対する集団検査を実施している。積極的な検査で市中へのさらなる感染拡大を防ぐ考えで、連絡会などを通じて連携し、事業者側に受診を勧奨。都も取り組みを後押しするため、保健所の調査を支援している。
緊急事態宣言の発令後、都は4月11日から幅広く休業を要請した。5月25日に宣言が解除されると、翌日から図書館や博物館を再開。6月1日には、商業施設をはじめ大幅に緩和するステップ2に移行した。12日にパチンコ店やカラオケ店などの再開を認めるステップ3に移った。
誰も言わなかったし、誰も書かなかったので、批判を覚悟であえて言及することにした。
政治家も行政の人も、さらに専門家の人たち、同時にマスコミの人たちも、この自粛の期間、通常どおりにそれなりの収入(金銭)を得て普通に生活をしてきたという現実がある。
一方、自粛要請に協力してきた自営の方々は、無収入に陥り、しかも家賃やテナント料も払えないという悲惨な状態に置かれてしまったのである。
「どうしてくれるの?」という憤りが聞こえてくるばかりだ。
政治家、行政、専門家、マスコミなどの皆さん方も、この自粛期間、全くの無収入なら納得できる措置ではありませか?
自粛を強いるなら、シビアに社会の現実(生活)に即しての<痛みを分かち合ってこそ>の自粛措置であるべきではないでしょかね!
沼田利根
激烈な争いが「実弾」攻勢につながった可能性もある。
2013年と16年参院選の広島選挙区で圧勝が続いた自民党は、昨夏、新人だった案里議員と現職の2人を擁立し、改選2議席の独占を狙った。
自民党が案里議員の公認を正式決定したのは、投開票4カ月前の昨年3月。同党は6選を目指す元国家公安委員長の溝手顕正氏を公認済みで、案里議員の公認は、党県連幹部の反発を押し切っての決定だった。
県議だったとはいえ、案里議員は県全域をカバーする支持基盤を持たない。2人の間では、組織力に勝る溝手氏が有利とみられたが、自民同士で票を奪い合う格好となり、結果は野党3党の推薦候補がトップ当選。案里議員が溝手氏に2万5000票余りの差をつけ、2番手に入った。
自民党が案里議員擁立にかじを切った背景には、安倍晋三首相と溝手氏の不仲があったともささやかれた。選挙資金をめぐる格差も如実で、案里議員と河井前法相の政党支部に党本部から「相場の10倍」と言われる計1億5000万円が送金されていたことには、党内からも疑問視する声が上がった。
検察当局はこうした資金提供にも着目。自民党本部の元幹部ら複数のOB職員から任意で事情聴取するなどして使途を捜査。河井前法相が中心となって「実弾」選挙を繰り広げた疑いもあるとみて調べを進めている。