7/29(金) 5:57配信 デイリー新潮
安倍家と統一教会“蜜月”の歴史 自民・現職大臣らも関与(後編)
安倍晋三元総理
前編(「文尊師は誠実な男」 岸信介が統一教会トップを賞賛した“異様”な機密文書)では、安倍晋三元総理の祖父・岸信介元総理が1984年、当時の米大統領に宛てた文書で、統一教会の開祖・文鮮明を称賛するとともに、当時アメリカで逮捕されていた文鮮明の釈放を求めていたことを報じた。しかし、統一教会の影響力は安倍家のみならず、自民党議員の多くに及んでいる。その中には、現役の大物議員の名も――。
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歴史をたどれば、かつて政治と統一教会の関係は自民党を中心として、右派勢力の広範囲に及んでいた。
「統一教会が最も深く政治に関与していたのは、1970年代から80年代を経て、90年代の初頭まででしょうか」
と言うのは、さる古参の永田町事情通である。
「国際勝共連合や関連団体を通して、国会議員のところにスタッフを送り込んでいました。派閥や政党には、統一教会サイドに話をつなぐ窓口役がいた。彼らの仲介で、議員の中には秘書や運転手を教会から派遣してもらう者もいました。スタッフの給与まで、教会丸抱えのケースもありましたね。あるいは、選挙になると、教会から数十人単位で運動員が送り込まれ、ポスター張りや電話での投票依頼などを行うんです」
「宗教的な情熱で動く人たちは違うんでしょうね」
彼らは、現場では重宝されたという。
「とにかくよく働くんです。土建会社や組合などから派遣されたスタッフにはサボる人も少なくなかったのですが、勝共連合は違う。朝6時から始まって、夜の10時くらいまで懸命に働いてくれて文句ひとつ言わない。見返りを求めない。やはり宗教的な情熱で動く人たちは違うんでしょうね」
実際、70年代から80年代にかけて、勝共連合のメンバーとして活動していた、さる元信者に聞いても、
「選挙の度に死に物狂いで自民党議員の支援をしたものです」
と往時を振り返る。
「ひとつの選挙区に40人は入ってね。時には徹夜で活動していました。もちろんボランティアですが、神のため、メシアのためになると信じてやってきましたよ」
教会が熱望した文鮮明の来日実現
政治家にとっては実にありがたい存在だが、では、教団側はどのようなメリットを求めて、こうした献身的な活動を行ってきたのだろうか。
「宗教問題」編集長で、ジャーナリストの小川寛大氏によれば、
「政権与党の有力な政治家を支援し、親密な関係を結ぶことによって、教団の求める施策の実現を図ろうとした側面がある」
実際、かつて勝共連合は「スパイ防止法」の制定を目指し、自民党の有力政治家に働きかけ、資金援助までしていた。結局、同法は成立しなかったが、教会がより熱望していたのは、文鮮明の来日実現である。前編で紹介した通り、文鮮明はアメリカで投獄された過去がある。そのため、入管法の規定上、日本には入国ができなかったが、1992年、法務大臣が特別許可を出して来日が許された。これには、金丸信をはじめとする自民党の有力政治家の後押しがあったという。
当時、勝共連合系とつながりを持つ議員は200人もいるといわれていたから、その蜜月ぶりたるやすさまじいものがあったのだ。
麻生太郎・副総裁や菅義偉・前総理大臣など大物の名も
総裁経験者も現職閣僚も……
ところが、80年代後半に入ると、統一教会の行う「霊感商法」や「合同結婚式」の問題点が大々的に非難され、教会は「カルト宗教」として世間に認識されるようになった。
これに伴い、危機感を抱いた政治家は徐々に教会と距離を置くようになり、人的支援を受けるようなことは一時ほど見られなくなってきたのだが――。
「それでもつながりそのものは途絶えたわけではもちろんなく、政治の世界に教団はアプローチを続け、関係は途切れることなく続いています」
と述べるのは、カルト宗教に詳しい、ジャーナリストの鈴木エイト氏である。
鈴木氏は、ここ20年ほどで、統一教会系団体のイベントに参加したり、関係団体などから献金を受けたりした国会議員を調査。それをリスト化し、公表している。それによれば、現職だけで112人の国会議員が該当するという。そのうち9割近くに当たる98人が自民党所属だ。
その中には、麻生太郎・副総裁や菅義偉・前総理大臣などの大物の名がある。
麻生氏に関しては、2011年、教団系の米紙「ワシントン・タイムズ」の意見広告に名を連ねているし、菅氏についても17年、教団の副会長を首相官邸に招き入れていたとの証言がある。
さらに、同リストでは、現職閣僚に絞っても、萩生田光一・経産大臣、山際大志郎・コロナ担当大臣、山口壯・環境大臣などの名が……。いずれも関係団体のイベントに出席などした“実績”があるのだ。
鈴木氏は言う。
「こうした成果に自信を深めてでしょうか、17年、国際勝共連合の会長は渡韓した際、文鮮明の妻に対して“最近の日本は雰囲気が変わってきました。かつて活動が活性化していた際には、200人を超える議員が御父母様(教祖夫妻)に侍っていましたが、その時の雰囲気に近づいています”と報告しています。00年以降、霊感商法について当局の摘発が相次ぎました。教団側としては、こうした動きをけん制するためにも、政治家との絆を再び深めたいという理由があるのでは」
「安倍氏の応援」が重要
「実は、私も統一教会系団体から選挙で推薦を受けた経験がありまして……」
と重い口を開くのは、さる元国会議員である。ここ数回の国政選挙で教団の支援を受けている議員はいるが、自分もその一人だったというのだ。
「推薦を受けるに当たっては団体のトップと面談をします。そこから次のステップまで進むには、二つの条件を満たす必要がある。これまで不倫のスキャンダルがないこと、金銭トラブルを起こしていないこと。それに加えて、安倍元総理の応援している候補、という三つ目の条件がそろえば支援獲得は“鉄板”になります」
やはり「安倍印」であることは、統一教会サイドにとって特別な重みを持つようである。
研修会への参加を要請
その条件を満たしたとしても、先はまだある。
元国会議員が続ける。
「選挙の直前になると、研修会への参加を要請されます。これは泊まりがけで統一教会系の施設へ行き、教団の教義などを学ぶ、といったもの。自分の場合は2泊で、妻も同伴しました」
いわゆる“3日間研修”だ。研修会では学者の講義を受け、他にも、ビデオ学習の時間が設けられたという。
「2本ありまして、1本は勝共連合と自民党の歴史。これまで両者が手を携え、いかに共産主義勢力と戦ってきたか、というもので、その中では、文鮮明と岸さんとの関係にも言及されていました。もう1本は、紀元前からの原始キリスト教の誕生の話です。アダムとエヴァが禁断の実を食べた話から始まり、エヴァの浮気、カインとアベルの兄弟げんかの果ての殺人の物語などが解説され、不和や戦争の起点となった不倫は絶対にいけないということが繰り返し述べられるのです」
こうして、晴れて推薦を得られると、運動員などが派遣される。やはり彼らの働きは格別だったという。
これら過去から現在にわたる自民党議員への選挙支援の実態について、統一教会に質問してみたところ、
「そのような事実はありません」
安倍事務所にも尋ねたが、回答はいただけなかった。
また現職の政治家からは、
「資料が手元にないのでわかりません」(麻生事務所)
「ご指摘の事実はありません」(菅事務所)
「会合冒頭でごあいさつをさせていただきました」(萩生田事務所)
などと回答が返ってきた。
想像以上に根が深い、自民党と統一教会との関係。
それが凶行の引き金となってしまったのだから、あまりにも不幸な事件というしかない。
前編(「文尊師は誠実な男」 岸信介が統一教会トップを賞賛した“異様”な機密文書)を読む。
「週刊新潮」2022年7月28日号 掲載
なぜかというと、この著書によれば、凶悪犯罪者が子供の頃に、虐待などの精神的苦痛を味わい、その苦痛を無関心になるまで意識の底に押し込むという過程を踏んでいると。
自分で何を書いているのか解らなくなってきました。
とにかく、この著書を読めば、テレビや新聞などでは出会えない情報に出会えます。一読の価値あり。
自分自身に子どもが産まれ、無差別殺人等に我が子が巻き込まれることへの恐怖心が生まれ、なぜ、そのような事件が起こるのかを知りたいと思ったことが、興味を持ったきっかけです。
この本に紹介されているような、明らかに生育歴に問題のある人物だけでなく、所謂サイコパスが起こす犯罪もあるのかも知れませんが、もし、大半の殺人犯が問題のある家庭で育っているのだとしたら、行政等の介入により、今後同じような事件を発生させる可能性を少なくすることが出来るのではないかと感じました。
著者は、量刑を決めるだけの裁判ではなく、真実の究明を求めると繰り返し本書内で述べていますが、全く同意で、犯罪者を生まない為に、社会ができることが何か、再発防止する為にできることはないか、そういったことをじっくり究明する場を作って欲しいと思いました。
あと、登場する人々はみな一様に虐待を受けて育っていますが、虐待する親の心理はどういったものなのか興味があります。なぜ、そのようなひどい行いをするのか…。親自身も虐待を受けて育った為に、子に愛情を持って接することができないという悲しい事実があるのでしょうが。
本の内容についてですが、著者が直接やりとりをしていない事件についての記述は退屈で、読み飛ばしてしまう部分もありました。直接のやりとりから書かれている内容はどれも興味深く読めました。
報道で知れる内容だけでなく、犯罪者の心情について知りたいと考える人にはおすすめできる本だと思います。
自分ならおかしくならなかった
なんて自信を持って言えるでしょうか。
ホルモンや栄養バランスなどもあるでしょうが、
この世界で留め金が外れてしまう人間は
確かに作られ存在します。
それがどういう仕組みなのかこの本で理解できます。
もちろん罪に言い訳は出来ません。
ですが現実が現実を引き起こしているのだと
痛感する本です。