今日の「お気に入り」は、昨日引用した「親子の絆についての断想」と題した作家水上勉さんの文章に編者である山田太一さんが付されている前書きです。
「表面揉めないことが、ほとんど人間関係の目的になりかけている今の世の中で、人と人とが深く関わることは、いよいよ少ない。親と子も例外ではないが、それでも尚、水上さんがお書きのように、親と子の関係には『オリジナルで、いかなる通念も届かぬ』なにかがある。その絆をまともに生きるしか、さしあたって私たちが浅薄をのがれる道はないのかもしれない。」
(山田太一編「生きるかなしみ」ちくま文庫 所収)
「表面揉めないことが、ほとんど人間関係の目的になりかけている今の世の中で、人と人とが深く関わることは、いよいよ少ない。親と子も例外ではないが、それでも尚、水上さんがお書きのように、親と子の関係には『オリジナルで、いかなる通念も届かぬ』なにかがある。その絆をまともに生きるしか、さしあたって私たちが浅薄をのがれる道はないのかもしれない。」
(山田太一編「生きるかなしみ」ちくま文庫 所収)