先日、五色ヶ原の研修で原生林の話を聞いていて興味深いと思いました。
その一方で私が大学に入学し林学を学び出したばかりのころ、先生が「日本には原生林は無い」という話に衝撃を受けたことを思い出しました。
少年時代に鳥に興味を持ちバードウォッチングに没頭し自然に興味を持っていた私は、当時の自然保護運動に触れるようになっていました。
当時、社会問題化していたのは、青秋林道建設から白神山地のブナ林を守ろる、知床の原生林を守ろうというもので、保護すべき対象は原生林でした。
そんな情報を大学に入学する前から持っていた私には先生の言うこと解せないというのが本音でした。
先生が言われたのは日本人は森との関わりが深く、人が踏み込んだことが無い森は無いというものでした。
その後、様々な森を訪ね、森に関わる方々の話や、様々な書籍から人と森の関わりについて知るようになった今では先生が言っていたことが何となく分かるようになってきました。
ただ、今でも、まったく無いというのは言い過ぎではないかとも思います。
色々な資料を見てみると正確かどうかは私には判断できませんが、日本国内の森林の内4%が原生林というものが多いです。
その4%の原生林とされた森の判断基準は知りたいな~と思っていますが、明確に説明をした資料を見たことが無いのです。
私が定期的に足を踏み入れる天生にも原生林と言われるところがあります。
天生の発達したブナ林が残されたのは信仰の対象となり木を伐られなかったからということです。
日本人の宗教観の中に森に神が宿るという考えがあり信仰の対象から人々が守ったところと、山岳国家で急峻な地形により木を伐り出すことができなかったところが少なからずあるので、原生林は面積は狭いが存在すると考えるのが妥当何だろうと思います。
その一方で、昔いた木地師の存在、狩猟により奥山で踏み込んでいた人達の存在、はたまたイワナ釣りの職業としていた人の存在のことを考えると木を伐ることは無くても森を利用していたことは明白で、人類未踏の原生林が日本国内には無いと考えることもできます。
どちらの考えに軸足をおくかで原生林と言われる森の範囲は大きく変わるということは容易に考えることができます。
原生林とは何だろうという疑問を一つ一つを検証してみると面白いだろうと思っているのですが、どう調べたらいいか分からないし時間も無い・・・。
ということで原生林とは何だろうと疑問は私が森歩きができなくなるまで晴れることは無いでしょう。でも面白いところでもあるので時折、今回のように原生林って何?と思いを張り巡らすことでしょう。
最初の話に戻りますが学生時代、講義で「日本には原生林は無い」という話をしてくれた先生からもっと深く話を伺っておくべきだったと後悔しています。
何だか小難しい話になってしまいましたが私の原生林に関する雑感を書き綴ってみました。
書いてみて思ったのは私は答えを持ち合わせていないということでした。(管理人)
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