本校は、現在の3年生が女子のみです。(この写真が現3年生です)
彼女たちの努力があったからこそ共学化も成功したのだと、こころから感謝しています。
ところで、源氏物語の帚木の巻には、有名な「雨夜の品定め」というのがあって、女性論が展開されていますが、在校生はご存じでしたでしょうか。興味があれば現代訳でもいいですから、読んでください。特に、3年生の女子にお勧めします。来年から社会に出る人もおられるでしょうから。
内容については、源氏物語の主人公光源氏と、頭中将など4人が、女性論をたたかわせるというものです。作者紫式部が何を考えていたのか、実に興味の尽きない部分です。内容については、ここではふれないようにしましょう。現代にはちょっと通用しない部分があるからです。
実は、一昨日、国語の授業を見させていただいた時に、(写真のクラスです)更級日記が古典の授業で展開されていました。いい授業でした。3年生のクラスでしたから、古典にはいろいろな女性論があるなぁと、そんなことをふと思ったのです。更級日記の作者菅原孝標の娘は、10歳から13歳までを父の任地である上総の国(千葉県)で過ごし、京都に帰ってからは、源氏物語を耽読したのです。33歳で橘俊通と結婚してからの悔恨の気持ちなどが書いてあって、キャラクター的に大変面白い女性です。なお、当時の人にわが千葉県がどういうふうに受け止められていたかもわかって大変に面白いですよ。
古典を読むというのは、そういう観点を別にして、発展学習をするということにもつながります。
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読書には、ざっと読む本と、耽読する本と2種類あります。
自分の専門とする分野が何かによって、その範囲は分かれるでしょう。
ざっと読む本で、その読み方というのは、いろいろあるのでしょうけども、わたくしの場合、最初に目次をコピーしてしまいます。いわゆるビジネス書といわれる書籍が多いのです。ドラッカーとか、大前研一とかです。
そして、一気に、マーカーを使ったり、ページの端を折り曲げたりして、読み進めます。書き込みもどんどんやっていきます。付箋もつけます。したがって、古本店には売れない代物になってしまいます。
耽読・味読する本は大切にします。
吉田松陰撰集、近思録、孟子、荻生徂徠が、今、わたくしの茅屋で机の上に鎮座ましましています。大切な大切な書物です。書き込みや、付箋すらつけません。なんという態度の違いだろうと笑ってしまいます。で、心に残った文章を二行詩形式でノートに写していきます。あとで引っ張り出してまたノートを読みます。繰り返し読みます。体得するまで。
さらに環境にも気を配ります。
わたくしの茅屋和室には、吉田松陰の掛け軸が掛けてあります。また、母校の創立者である上杉鷹山の肖像画を額に入れてあります。
いついかなる場合でも、「おおやけ」の立場で、生徒諸君に教えさせていただいているのだ、そういう立場で行動を律していかなくてはならないのだと自覚するためであります。
ハマトンの「知的生活」という書籍は、上智大学の渡辺昇一先生が激賞したものですが、渡辺先生への評価は分かれるものの、ハマトンの「知的生活」はいいものだと思っています。この書籍によって、京大式情報カードのやり方を知りましたし、教養主義のあり方を教えていただいたような気がします。
いろいろ書いておりますが、自分なりに努力してみてください。
わたくしには、残された時間がありません。長く続いたとして3年ちょっと。不祥事があったら、雲のように消えなければなりません。このブログだって永遠に続くわけは絶対にないのですから。
お伝えしたいこと、書き込みたいことは山ほどあるのですが。
ここまで読んでいただいて、深謝いたします。