横浜・港南中央で学習や発達に特徴がある子どもを支援する塾 びすぽうく

”教室の”困った”を”わかった!”へ。子ども・保護者・学校の先生、みんなが元気になるために実践経験をもとにしたつぶやき

まぶしいのが「苦手」?かぶせちゃおう。

2023-09-29 15:18:06 | 発達や学習が心配
あと1日で9月も終わりです・・・。

そう思えないほどの気温ですが、吹く風や植物はもう「秋」。

今日は、「音読」や「読書」を楽にする方法について。


音読が嫌い、読書が嫌いという理由はいろいろあるのですが、

その中の一つに

「文字が光る、読んでいると疲れちゃうから後半の分は

適当に読んでしまう」


のようなお子さんがいます。

学校でしている「C」(ランドル環)の検査では、視力1.0可でも

手元の文字が見えにくい、読んでいると疲れてしまう・・・というケースは

わりとあります。

小さいときから絵本の絵は見ても、文字をあまり見ていないようなお子さん。

もしかすると、「まぶしいのが苦手かも?」



3年生の国語の教科書。だいぶ文字が小さくなりました。


スタンドのライトが当たると少し光ります。

教室でカーテンを引いていない窓際の席だと、日中かなり紙面が光ります。

それだけでなく、

もともと、そのお子さんの目の機能的に「まぶしいのが苦手」なのかも。

そこで、



これは、読むのが苦手かな~というお子さんに試してみた「デイジー」(音声教科書のタブレットの画面)。

・・・とたんに読み誤りが減り、お互いにびっくり!

とりあえず、ドリルや教科書にも黒い下敷きを乗せてみました。

読めないと、「文章読解」まで進めません!

ちなみに、デイジーの背景色は、「黒」以外にもいろいろな色があり、

このお子さんは試してみて、「黒」になりました。

*もちろん、漢字の読み方の練習などは、必要です。

それも、「見えて」からの、ことですね。*

6年生になると、もっと細かい文字です。



イラストもないし、もじばかりの行が続きます。



黒い下敷きを乗せてみました。



青です。


緑です。


赤です。


黄色です。

・・・「え!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、

「黄色」を選ぶお子さんもいます。

見えやすい色は、人それぞれなのです。

「暗いところで本を読むと目が悪くなるよ。」

と親ごさんに言われた方も多いかと思います。

姿勢が悪くて本にかぶさるようにしている子もときどき見かけます。

そんな子の中には、この「紙面の照り返し」がとっても苦手な子が

なん%かいると思います。

きっと自分のからだで「影」を作ってまぶしさを減らしているのですね。

教科書だけでなく、テストのときも、自分にあった色の下敷きが使えると

かなり楽になるのでは?



先ほど紹介した「デイジー」は、読みに困難さがあれば、保護者の申請で無料で

申し込み、ダウンロードができます。

あれ、もしかしたら・・・・と思ったら、まずは下敷き1枚で試して(今回は¥140の)

みても、と思います。

下敷きは、使い方に合わせて「カットして」みるのもよいかと思います。

デイジー教科書申請方法


アーレンシンドロームとは?


ちなみに、この「見えにくさ」は、大人の方にも一定割合でいらして、

窓際の座席になったら、疲れがひどい

読書をしていて、白い紙の照り返しがきつい

などということもあるようです。

蛍光灯の真下もよくないようです。

ライトや日光の当たり具合を調整することで楽になることもありそうです。

(一番きついのは、真っ白の紙に真っ黒の明朝体の文字が印刷してあるものとか)

ノートも古紙混入のものや、色つきのもの(少し高めですが)がよさそうです。

(小学校のカラーテストやドリルって、いい紙で真っ白の地ですね・・・)

疲れると集中力も効率も落ちます。

疲れているのに「何回も練習させられるって」

努力や単なる「練習」だけでは厳しい、生理的なことがあるのです。

そういえば、カラーテストの「色が多いのが嫌だ」と言っていた子もいました。

時々紹介していますが、ノートの「水色の罫線・ます」もちかちかしてしまう場合あり、です。

なにも気にせず、どんな印刷物でも読める方の方が多いとおもいますが、

いろんな状態の子どもがいることも知っていただきたくて、書いてみました

子どもの本でも明朝体のフォントのものがかなりあり、

せっかく読みたくてもあきらめてしまった、という話もあります。

UDフォントで行間が少し広くなるともっと読みやすくなるのでは?

読書の秋、はみんなに「機会」があるとよいですね。



個別学習塾びすぽうくのホームページへ
(線のついているところをクリックしてください)





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どこを見たらいいの?

2023-09-16 17:42:00 | 発達や学習が心配
昨晩は、授業中に地響きを立てての⚡雷!

「ここは、こうなって・・・(ガラガラ、ドッカーン!)・・・。」

という感じでした


少し前の夏休み、子どもたちが学校から返されたテストやドリルを

もってきてくれて、復習をしました。

そのときに、気づいたのは、

そのときは、理解しているように見えても、

1か月ぐらいたつと忘れているものもある!


・・・ということ。

大人だって初めて覚えたものは、

1回で理解し、ずっとキープしていくことは難しいです。

だから・・・

大人は、「自分で記録」を作っています。

メモをとる(手書き)

スマホにメモる(入力)

ノートなどにわかりやすく整理する

スマホに音声入力する

写真でとる(最近の私です


でも・・・・子どもはほぼ「手書き!」

それも、先生が書かれた黒板の文字を「ひたすら写す」。

小学3年生ぐらいから、

先生の説明の音声と、「板書写し」が同時になり、

2つのことを同時にするため、内容を頭に入れる、というより

ひたすら作業する、という感じ。

だから、1cmますノートだと




(この例は私の字です。生徒のではありません。念のため。)


こんな感じで、行がそろわず、漢字の誤りがあり、文字のぬけがあります。

多分、後で見返しても

使えません!

こんなお子さんは、もしかしたら、思い切って



1cmはば(UL軸)ノートにして、

自分にとっている情報だけ、書くというのも手かもしれません。

板書が、



とされたら、(間に合わなければひらがなでもいいので)



(いらなさそうな情報は消す)

そして、覚えたらよいものには、自分で印をつける。



こんな感じ。

授業中にしるしをつける余裕がなければ、家に帰ってからしても

30秒ぐらいでできます。

宿題をするときは、自分のノートや教科書のどこを見たらいいかが分かることも大切です。

ノートや教科書に百均の「インデックス」をつけてしまうのもよいです。



ノートを「自分仕様」に変えてしまうことは、

小学生にとって「いけないこと」を思い込んでいる場合があり、

塾の生徒さんが自分仕様に変えていたときに

友達に指摘されてしまったこともあるそうです。

でも、考えたらノートって「先生」の成績処理のためにあるんではなく、

自分で自分の勉強のために「使うもの」。

「書くこと」が目的ではなく、「覚えるため」にあるもの。

教員をしていたとき、6年生の生徒が「修学旅行のしおり」に

このインデックスをつけていて、

なんとすばらしい!!と感激していました。

1日目の行程は・・・

夕食のメニューは・・・



「別の生徒が、「先生、何時に夕食ですか?」なんて質問をし、

先生から返ってきたことえは、「しおりをみなさい。」

・・・この質問をした生徒は、「しおりの見方」が分からなかったのです!

先ほどのすばらしい生徒さんのインデックスを見て以来、

「私のもの」にさせてもらっています。

「私のもの」のうち、生徒に役立ちそうなものは、

惜しみなく、「教えています」。


でも、学校場面で使うことは意外と少なく、

担任の先生に怒られるかも。

他の友達になんていわれるか。

・・・と躊躇(ちゅうちょ)してしまうとのこと。

ここは、大きなハードルです。

(中学生・高校生は、みんな自分で勉強方法を工夫しているのに

なぜ小学生だけ?)と疑問な部分です。


勉強が分からなくて大人に訊くと、

「教科書を見てごらん。」と言われることが多いようです。

でも、教科書の「どこをどう使うのか」分からないから困っているのです。

自分で書いて工夫したノートなら何回でも見返したくなりますよね。

また、「見返すこと」で記憶が定着するのです。

書く量が少なくても、

文字でなくても図でも

自分で記憶するためのノートにできるように。

それぞれのお子さんにあったノート作りの手伝いをするのが今の私の課題です。


個別学習塾びすぽうくのホームページへ(線のところをクリックしてください)











コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「区別」と配慮  サグラダ・ファミリア

2023-09-07 16:03:26 | 発達や学習が心配


スペインの「サグラダ・ファミリア」に行って・・・・行きたい!のですが、

まだ準備が整わず、代わりに行ったのが



国立近代美術館の「ガウディとサグラダ・ファミリア展」

9月10日で終わるらしいので、駆け込みでした。

とにかく、人、人、人、人、人。

時間予約制でしたが、作品や掲示をみるのに「壁」に近づけないぐらい。



ガウディは彫刻もしていたらしいです。

かなり年月を経て痛みもあります。

そして、こんな幾何学的な図形も。



完成された美しさがあります!



これは、内部の柱。

植物をモチーフにしたもの。

その当時も(今も)珍しい形だったそうです。

もう一度内部の映像をみてみると・・・



確かに柱が途中から木の枝のように分かれています。

サグラダ・ファミリアは全体的に何か植物のような「有機体」が永遠に成長していくような、

そんなイメージがあります。

外観にも植物をモチーフにした装飾がたくさんありました。

なるほど、と感心していると・・・

子どもを連れた方や、車いすユーザーの方が展示を見にくそうにしているのに気づきました。

あまりに人が多く、展示に近づけない上に

視線が低いので、おそらく私の半分も見えていないのでは。

せっかく美術館まできたのに人ばかり見て帰るのかな?

もし、今後建築物を立て直したり、リフォームするならぜひ

壁から50cmぐらいのところにラインを引いて、

「この内側は、子どもや車いすユーザーなどの方のためのゾーンです」

などと掲示してあれば、みんなで楽しめる空間になるのでは、と思いました。

でも、現状のままだとしても

気づいた人が場所を譲る、という方法もあったのでは、と後で思いました。

鑑賞したい人が多く、空間が狭い場合、なんらかの工夫が必要だな~と感じました。


【環境】と言えば、もう一つ。

そのあと、横浜市内の大きな病院に行ったのですが、

病院は天井が高く、1階には、グランドピアノも置いてあり、

BGMは、低音でクラシックが流れていました。

検査する場所も、音声を聞き取りにくい方への表示が分かりやすかったです。

病院は、調子の悪いときに行くところ。

メンタルな部分、フィジカルな部分、いろいろな配慮があることで

少しでも気持ちが楽に、そして分かりやすく居心地の良い空間になるのだな~と

改めて感じました。

古い建築物を改装するなら、

みんなが使いやすい構造(ハード面)にするとともに

気持ちの面(ソフト面)でも

利用する方にも、働く場としてスタッフにも配慮があるといいな~と

感じた1週間でした!

    

近代美術館の前は、お堀、そして毎日新聞社があります。

ふと、窓を見ると・・・



くまさんも社員?ちゃっかり座っていました!



個別学習塾びすぽうくのホームページへ(線のついているところをクリックしてください)






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする