珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

Cafe Brasil

2014-07-12 16:20:42 | ボサノバ/ラテン
熱かったW杯も残り2試合を残すのみとなり、少しの寂しさもありますが、決勝戦には双方の持ち味がぶつかる好勝負を期待しています。組織のドイツ、個人のアルゼンチンと捉えられがちですが、ドイツ選手の個性にも魅力ありますし、オランダ戦のアルゼンチンの組織的守備力には脱帽しました。結局、両方揃っているのが頂上レベルということなんでしょう。一方、3位決定戦は緩い試合になりがち。メダルのかかる五輪との違いですね。それでも最後のW杯になるであろう選手への労い、これから数大会を背負う若手への期待が交錯して、これはこれで楽しめます。惨劇からの第一歩を踏み出すブラジルにも注目です。

ブラジルつながりで今回は『Cafe Brasil』を紹介します。ブラジルのポピュラー音楽の一つ、ショーロのオムニバスアルバムです。ブラジル音楽と言えばサンバ、ボサノバが挙げられますが、少なくともボサノバよりずっと長い歴史があります。哀愁のあるメロディにファドとの関連を想います。ブラジルには陽気で明るいイメージがありますが、その音楽にはサウダージ(郷愁、切なさ、寂しさを表現するポルトガル語)が顔を覗かせる瞬間があります。この『Cafe Brasil』もそんなサウダージが詰まっています。

ショーロの華はなんと言ってもギターです。通常のギターの他に、マンドリンやウクレレの音色に似た小型のギターが加わるため、ファドほど沈んだ雰囲気になりません。ギターの音色だけでなく管楽器や打楽器の絡み、渋くて貫禄のあるヴォーカル等、オーディオ的にも満足できました。個人的にはマイナー調の曲が好みですが、各所に配された明るい曲がいいアクセントになっています。重鎮Sivucaの滑らかなアコーディオンはクセになります。100年ほど前にサッカーの試合で、ブラジルがウルグアイに1:0で勝った際に作られた軽快な曲「1:0」もあります。まあ、現在なら「1:7」で作曲どころではないでしょうが。


カフェブラジルはコンピレーションアルバムながら、かなり売れたようです。2匹目のドジョウを狙ったのかどうかわかりませんが、『Cafe Brasil 2』も出ています。と言っても、こちらはコンピレーションではなく、『Cafe Brasil』に参加していたエポカ・ヂ・オウロというショーロのバンドの作品です。まず『Cafe Brasil』を聴いて興味が湧いたらこちらもどうぞ。


サウダージつながりでもう1枚。こちらは、FM放送J-WAVEの番組「Saude Saudage」の関連CDで、90年代の前半に購入しました。番組がスタートした88年は、私がボサノバに興味を持ち始めた時期でもあります、ラテン音楽を主体とした番組は貴重な情報源でした。この番組は現在でも続いていて、ジャンルのマイナーさからすれば、立派な長寿番組と言えます。ちなみに初期のナビゲーターは宮崎ますみさん(旧名)、現在は、「おもてなし」の滝川クリステルさんです。日曜の夕方の時間帯は、休日が終わる寂しさともマッチしていて、案外、支持層はサラリーマンじゃないかと推測しています。


台風が去った12日の横浜方面もかなり暑くなりました。W杯の進行中にも着実に季節は進んだようです。写真は近所のふるさと村の様子です。梅雨の晴れ間の表情に、夏本番が近いことを実感します。
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2 コメント

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Unknown (にら)
2014-07-16 01:22:49
ブラジル国民に根ざしていたポピュラーソングを、富裕層がわざわざ難解な解釈で崩して遊びまくった形がボサノバではないのかと勝手に解釈して聴いてます。

今となっては「1:7」こそサウダージでしょうね 笑
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確かに・・・ (横浜のvafan)
2014-07-16 22:09:03
にらさん、こんばんは。

ボサノバは確かにリオのインテリの匂いが漂いますね。
ボサノバの母と言われるサンバ、ボサノバの父と呼ば
れるショーロに本質があるように思います。

1:7は切なさを通り過ぎて悲しみなんでしょうんね。
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