珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

KRYSTIAN ZIMERMAN ピアノリサイタル

2014-01-25 17:38:06 | ライブ
1月23日、横浜市青葉区のフィリアホールで開かれた、Krystian Zimermanさんのピアノリサイタルに家内を誘って行ってきました。元々は昨年の11月22日開催だったのですが、ご本人の腰痛の為、本年まで延期になっていました。12月開催分は予定通り行われたようで、結果的にフィリアホールでの開催が一連のリサイタルの締めとなりました。思い切り地元である青葉台に、このような大ピアニストが来ること自体、貴重なことです。少し値は張りましたが、そして演奏時間は短かったのですが、その分、濃い時間を過ごすことができました。中止でなく延期で済んだことに感謝しています。

今回の日本公演で取り上げられた曲は、Beethovenの後期3大ピアノソナタ30番、31番、32番です。といっても、私の手元には音源が無かったので、まずは内田光子さんの作品を購入して予習を重ねました。延期になったこともあり、時間的な余裕も生まれました。せっかくなので、有名な初期~中期のピアノソナタと比較することで、該当の曲のイメージを膨らませました。少ないながらZimermanさん自身の音源も聴きました。Chopinのバラードはpat_mthny7205さん宅で、いの一番に聴かせていただき、すぐに買った一枚です。Kyung-Wha Chungさんのボックスセットの中にも共演の作品がありました。


平日だったこともあり、仕事から駆け付けた方も多かったようです。私も早めに退社して青葉台へ向かいました。地域柄か主婦層も目立ちました。近くの寿司屋で小腹を満たして、開場を待ちます。


席は右の前方です。延期となっても席に変更はありませんでした。ちょうど写真の角度から見る感じですから、演奏中の表情も見ながらの鑑賞となりました。スタンウェイのピアノが映えます。


プログラムです。以前はBeethoven、それほど聴く頻度は高くなかったのですが、最近は手のひらを返したように聴いています。これもオーディオの恩恵です。交響曲もいいですが、ピアノソナタ、ピアノ協奏曲、チェロソナタ(ピアノも半分主役)等ピアノが絡む曲が特に気にっています。今回のリサイタルをきっかけに、後期3大ソナタも、仲間に加わったというわけです。有料のプログラム(右)の方に、Zimermanさん自身の年齢とBeethovenの晩年の年齢の符号のことが書かれています。ご自身曰く、機が熟したそうです。あと10年ほどすると私もそんな年齢にはなりますが。


Zimermanさん、予想していたイメージより少々ふっくらした印象でした。ご自慢の?白髪を掻き上げて演奏に入ります。最初の30番からグッと引きこまれることとなりました。これまでクラシックのピアノを聴く機会は何度もありましたが、これほどまでに音の重みを意識したことはありませんでした。低音に限らず、高音にもそれを感じるのが不思議です。一方で、キレや瑞々しさが共存していていますから、とても説得力のある音です。勿論、音だけを追うのはいけませんね。この点は心配無用でした。曲自体は聴き込んでいたこともあり、内田さんとの表現の違いなどに驚きつつ、頷きながら曲を追いました。

やっぱりオーディオではこんな音は出ないだろうと、思います。直に聴いているという興奮、高揚を割り引いてもそう思います。それでも、こういった体験をオーディオに活かすことはできそうです。オーディオの取り組みがコップの中の何とかにならない為にも、この日の音を経験値にしなければなりません。「音を良くしたいなら、生演奏を聴け」の意味、おぼろげですが分かってきたような気がします。全ての演奏が終わった後、長い拍手にZimermanさん何度も挨拶をされていました。やがて照明が明るくなりアンコールはありませんでしたが、ピアノソナタそのものに満足した人は多かったはずです。

腰痛に始まった日本公演お疲れ様、そんな想いも込めて拍手をさせていただきました。
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Zimerman...いいなあ。 (BO)
2014-01-25 19:14:14
急行で一駅の青葉台なのに、行かなかったのは思い切りの悪さゆえか。。。

もうちょっと余裕が出来たら、と考えてるうちにチャンスを逃すんですね、人生は。この繰り返しです。
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Unknown (GRF)
2014-01-25 19:35:42
地元で、小さなホール聴けて良かったですね。腰痛の問題もあり、11月末から、日本にずーっといたんですね。でも、最後の演奏会は気合いが入っていたでしょう。私は、不遜ですが、この音なら装置からでるのではと思いました。問題は録音の方です。ライブの録音を出してくれれば良いのですが、彼の性格から言うと、、、。
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やはり、よかったです (横浜のvafan)
2014-01-26 08:17:01
BOさん、

なるべく生演奏を聴く機会を増やそうと思っていますが、
やはりプライスとの相談にはなりますね。

日本にはかなり来られていますから、またチャンスも
あるのではないでしょうか。
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濃い時間でした (横浜のvafan)
2014-01-26 08:26:38
GRFさん、お早うございます。

時間的に空間的に凝縮されたリサイタルでした。
ピアノ単独の場合は、なるべく小さいホールでと
思っています。

さすがGRFさん、装置から出せますか!こちらは
まだまだWinding Roadです。

あまり録音を好まない演奏家と聞いています。
聴衆との場の共有を大事しているようですね。
でも、今回のソナタは出して欲しいと思いました。
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Unknown (GRF)
2014-01-27 14:04:43
問題はやはり録音ですね。生演奏を近距離でしっかり録って、5.6MHzで背景の響きも余さず収録できれば、再現できると思います。
何時も言って恐縮ですが、入力の質と出力SPの応答性です。SPが早ければ、あまり部屋は選びません、
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Unknown (横浜のvafan)
2014-01-27 22:58:13
GRFさん、

やはり入っていないことには始まらないとうことですね。
SPの早い、遅いは、結局アンプなのでしょうか?
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Unknown (GRF)
2014-01-30 21:06:19
SPの早い遅いは、SP自身の応答性ですね。指向性も大変影響します。アンプは、大丈夫です。SPとは桁違いに早いですから。
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応答性 (横浜のvafan)
2014-01-31 21:36:24
GRFさん

SPの応答性のことは、恥ずかしながら意識したことが
ありませんでした。また今度、教えて下さい。
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