「超・入門 失敗の本質」の話の続きです。
独断と偏見であることをご容赦下さい。
この著書ではいろいろと失敗の原因について書かれていますが、
その1つに、
「現場を上手に活用できない」ということだとあげられています。
少し具体的にお話しすると…
上層部が「知らない現場もわかっている」という傲慢さがあるため、
現場(最前線)の理解が不十分であり、その現場の声に耳を傾けない
ことがあげられます。
野菜&果物、青果物業界でも同じケースがいっぱいあるんとちゃいますか?
農業が継承しない、振興しない原因もここにある気がします。
1つ例をご紹介します。
とある農業の本を読んだときのことです。
ある農家さんが、畑の土が肥えすぎで、粘土のようにべたついてきたことから、
モミガラをいれようと思ったそうです。
しかし、ある普及指導員は
「モミガラを畑に投入してはいけない。保水性が悪くなるし、肥料の利きが悪くなる」と、
おっしゃったそうです。
しかし実際に投入すると、ビックリするほどすばらしい人参が取れたそうです。
1つは、土の通気性が良くなったこと。
もう1つは、肥料の効きがホドホドになったこと。
モミガラは土の中で少しずつ発酵して行きますが、
その発酵のために畑に残っている残留肥料をエサにしたそうです。
また、発酵の際多少過剰な肥料分をもエサにしたことから、
肥料過多が幾分抑えられたそうです。
もう1つ例をご紹介。
とあるアスパラ農家さんを訪問させて頂いたときのこと。
こういうお話がありました。
とあるバイヤーが
「○月○日にアスパラガス100本必ず欲しい」
と言ったそうです。
しかし、その年は例年よりアスパラガスの生育が遅れていたそうです。
農家さんは事情を説明したものの、
バイヤーは「どうしても必要、早く準備して欲しい」とのこと。
結局無理やり100本出荷したそうです。
食べごろではありませんので、味もそんなによくありません。
アスパラガスは収穫時期のタイミングがズレると調子が悪くなる作物でもあります。
しかも多年生植物(1回植えると何年も同じ場所で栽培できる)であることから、
1度調子が悪くなるとそれが何年も響くことも少なくありません。
それが原因でしょうか、その後アスパラガスは調子が悪くなったそうです。
この2つの例、ともに「現場を上手に活用できてない」のです。
最初のモミガラの例は、普及員(たぶんその上層部でしょうけど)が現場の声に耳を傾けていない。
2つ目のアスパラの例は、バイヤーが現場の声に耳を傾けていない。
現場を上手に活用できていないために、
生産者がつらい思いをする。、
生活者は現場の声を反映されてない理論を聞いて「農業は難しい!」と敬遠したり、
生活者がホンマもんの野菜の味を知らなくなったりするのではと思います。
つまり、
生産者、生活者ともにいい想いをしないことになるのではと感じます。
かくいう僕も、
自身の野菜の栽培の「現場」をありのまま。
自身の栽培経験をも踏まえて、生産者さんの声もありのまま生活者に
お伝えしていきます。
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