BSで007の映画特集、何代目ボンドか知らないがダニエル・クレーグという映画俳優が演じている。初代ボンド、ショーンコネリー、ロシアより愛をこめてが鮮烈な印象だったが、007といえばかっこいい車と美女、はでなアクションが代名詞だがダニエルクレーグのボンドはいやに人間ぽい演出だね。一方、今みている日本の終戦前後、小津安二郎の世界、まあ娯楽の殿堂、ハリウッドの映画とは180度ちがうね。アメリカはこんな映画を日本に蔓延させて日本人を堕落させた。今朝のモーニングショウではあの五体不満足の乙武なにがしが5人の女性と不倫騒動、本人も認めているらしいが人間というのは懲りない動物、性欲という本能の世界はどうしようもないようだ。まあハリウッド映画のせいでもなさそうだがね
「お茶漬けの味」1952年の作品、私が7歳の時。佐分利信、小暮美千代、鶴田浩二がメインキャスト。女流階級に育った妻と田舎出身の地味で朴訥な技術屋の夫、箸のあげおろしからたばこの銘柄までことごとく妻は夫を馬鹿にするが夫はゆうゆうと聞き流すがとわ言いながら結婚の意味をいろいろ考える。倦怠期だね。あるとき夫が急に海外出張が決まり、親族友人空港で見送るが出かけている妻には電報で出張を知らせたが妻だけがかえってこず見送りにも来なかった。まわりから非難されるが意に返さない。ところが飛行機が故障でひきかえし夫が帰ってくる。
疲れた様子の夫をみて、なにか食べる?私もたべるわ。お手伝いさんはすでにやすんでいる。ふたりして台所にはいってなにか探すがごはんと漬物しかない。ぬかみそに妻は手をつっこんで漬物をだし、二人してお茶漬けをたべる。おいしいねと見つめ合い、妻が涙しながら今までのことをあやまる。いいんだ、わかってくれれば、それだけでうれしいよ。ただこれだけのストーリーだがこんな描き方が小津安二郎ワールドなのかね。しかし夫婦ってこんなものかもしれない・・・