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「故宮にたのまれその気で世話すれど思い通りに中々ならず()」
「故宮の意志に違わず世間並み心を通じ夫婦らしくと()」
「ただ中の姫君だけは人並みに結婚させるをお望みになる(私は望んでいない)」
「宮の文あるにはあるが本心は戯れなりと考えており(匂宮)」
「このように浮世を捨てたわが身でも惹かれる人はお一方なり
(鞍替えはできない)」
「結局は定めなき世の物語りを隠さず話す相手がほしい()」
「睦まじくしてくれそうな姉妹が周りにいなく寂しくしたり()」
「その夜は泊まってのどかに話したい思えど姫は気詰まりになる()」
「世話になり無愛想にも扱えず致し方なくお会いになれる()」
「対面の部屋の中の戸ひらけては御燈火ミアカシの火をあかあか照らす()」
「落ち着かぬ姫は気分が悪いとて明け方会おうと籠らんとする()」
「山路を来た身の方が辛いのに奥に下がるは心細いと()」
「男君奥に入れる姫を追い静かに屏風押し開け入る()」
「女君気分を損ねたしなめる『隔てを置かぬはこういうことか』と()」
「いっこうに私の気持ちを汲みとらぬただただ理解もとめるだけと()」
「故宮にたのまれその気で世話すれど思い通りに中々ならず()」
「故宮の意志に違わず世間並み心を通じ夫婦らしくと()」
「ただ中の姫君だけは人並みに結婚させるをお望みになる(私は望んでいない)」
「宮の文あるにはあるが本心は戯れなりと考えており(匂宮)」
「このように浮世を捨てたわが身でも惹かれる人はお一方なり
(鞍替えはできない)」
「結局は定めなき世の物語りを隠さず話す相手がほしい()」
「睦まじくしてくれそうな姉妹が周りにいなく寂しくしたり()」
「その夜は泊まってのどかに話したい思えど姫は気詰まりになる()」
「世話になり無愛想にも扱えず致し方なくお会いになれる()」
「対面の部屋の中の戸ひらけては御燈火ミアカシの火をあかあか照らす()」
「落ち着かぬ姫は気分が悪いとて明け方会おうと籠らんとする()」
「山路を来た身の方が辛いのに奥に下がるは心細いと()」
「男君奥に入れる姫を追い静かに屏風押し開け入る()」
「女君気分を損ねたしなめる『隔てを置かぬはこういうことか』と()」
「いっこうに私の気持ちを汲みとらぬただただ理解もとめるだけと()」