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「喪服脱ぐ頃だと思い九月を待たずに来れる中納言なり()」
「この前のように話をしようとていえど大姫会おうとされず()」
「中納言老女を使いいろいろと訴えたれど埒が明かない()」
「老女とかほかの女房も皆謀り何とか逢わせる気持ちでいたり()」
「もし深くわたしを恨むことあらば代わりに中の姫を薦める()」
「大姫は中の姫君前にしてあなただけでも世間並みにと()」
「中の姫姉の気持ちがわからずに同じ身の上それは嫌だと()」
「日は暮れど客人の君帰らずに大姫君の返事を待てり()」
「父母がいて進める婚儀であるならばなにかあってもあきらめもつく()」
「なにごとによらず相談した人もこの方面は相談できず(妹のこと)」
「いなせともいひはなたれず憂きものは身を心ともせぬ世なりけり(後撰集)」
「世の中をうしといひてもいづくにか身をば隠さん山なしの花(古今六帖)」
「本人がお厭とあるならいつまでも今のようにてお待ちしようと()」
「姉君は困り果てては弁に言う浮世をあきらめ迷惑なりと()」
「中の姫こんな暮らしは可哀想わたしと同じに思ってくれぬかと()」
「大姫が心のうちを吐露すれど薫の君はそれはできぬと()」
「中の姫匂宮に片付けてわたしは貴方でなければ嫌と()」
「両親がそろっていてもかくもよき縁談などはあるものでなし()」
「女房の弁が長々しゃべりたり憎らしくあり腹が立ちたり()」
「ふてくさりいつものように二人して一緒のところでお寝みになる()」
「喪服脱ぐ頃だと思い九月を待たずに来れる中納言なり()」
「この前のように話をしようとていえど大姫会おうとされず()」
「中納言老女を使いいろいろと訴えたれど埒が明かない()」
「老女とかほかの女房も皆謀り何とか逢わせる気持ちでいたり()」
「もし深くわたしを恨むことあらば代わりに中の姫を薦める()」
「大姫は中の姫君前にしてあなただけでも世間並みにと()」
「中の姫姉の気持ちがわからずに同じ身の上それは嫌だと()」
「日は暮れど客人の君帰らずに大姫君の返事を待てり()」
「父母がいて進める婚儀であるならばなにかあってもあきらめもつく()」
「なにごとによらず相談した人もこの方面は相談できず(妹のこと)」
「いなせともいひはなたれず憂きものは身を心ともせぬ世なりけり(後撰集)」
「世の中をうしといひてもいづくにか身をば隠さん山なしの花(古今六帖)」
「本人がお厭とあるならいつまでも今のようにてお待ちしようと()」
「姉君は困り果てては弁に言う浮世をあきらめ迷惑なりと()」
「中の姫こんな暮らしは可哀想わたしと同じに思ってくれぬかと()」
「大姫が心のうちを吐露すれど薫の君はそれはできぬと()」
「中の姫匂宮に片付けてわたしは貴方でなければ嫌と()」
「両親がそろっていてもかくもよき縁談などはあるものでなし()」
「女房の弁が長々しゃべりたり憎らしくあり腹が立ちたり()」
「ふてくさりいつものように二人して一緒のところでお寝みになる()」