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「ある時に藤壺という女御いて春宮時代の帝に入内()」
「帝には明石の姫との間には女一宮生まれていたり()」
「二人にはただ一人だけ女宮お生まれになり大切にする()」
「この姫が十四のときに裳着をして春から準備色々とする()」
「そんな夏女御に物怪とりついてあっという間にお薨れになる()」
「悔やんでも何の甲斐なく口惜しく内裏の中でも皆で歎けり()」
「不憫だとお上は思い忌明けすぎ内々なれど内裏へ呼べる()」
「後見として頼るべき伯父などはわずかに修理や大蔵卿が()」
「御前の菊が綺麗に咲けるころ宮は渡りて姫を慰む()」
「おっとりとしてはいれどもハキハキとお答をされいじらしくあり()」
「この姫の面倒みるは中納言おいてほかには適任はなし()」
「藤壺の女御の喪中で退屈を紛らわすには碁が一番と()」
「碁の勝負三番勝負で二番勝ちお上に賜る花の一枝()」
「世の常の垣根に匂ふ花ならば心のままに折りて見ましを(#16薫)」
「霜にあへず枯れにし園の菊なれどのこりの色はあせずもあるかな(#17帝は、藤壺は死んだが女二宮はきれいに育っていますよと言っている)」
「夕霧は帝が薫を世話人にするのを聞きて方向変える(六宮の婿候補)」
「などてかくあふごかたみになりにけん水漏らさじとむすびしものを(伊勢物語)」
「夕霧にあまり恨まれ通すのも不利だと思い気弱になれる()」