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「有名な赤人歌う富士の山ここは長歌をじっくり読まん
(山部宿禰赤人が不盡山フジノヤマを望てよめる歌一首、また短歌)」
「天地の分かれし時ゆ神さびて高く貴き駿河なる富士の高嶺を
天の原振り放け見れば渡る日の影も隠ろひ照る月の光も見えず白雲も
い行きはばかり時じくそ雪は降りける語り継ぎ言ひ継ぎゆかむ不盡の
高嶺は(0317)」
「この長歌凄く平明リズムよくさすが山柿と思ほえるかな()」
「田子の浦ゆ打ち出て見れば真白くそ不盡の高嶺に雪は降りける(反し歌 0318)」
「なまよみの甲斐の国打ち寄する駿河の国と此方此方コチゴチの国のみ中ゆ
出で立てる不盡の高嶺は天雲もい行きはばかり飛ぶ鳥も翔びも上らず
燃ゆる火を雪もち滅ち降る雪を火もち消ちつつ言ひもかね名付けも知らに
霊クスしくも座す神かも石花海と名付けてあるもその山の堤める海ぞ
不盡川と人の渡るもその山の水の溢ちぞ日の本の大和の国の鎮めとも
座す神かも宝ともなれる山かも駿河なる不盡の高嶺は見れど飽かぬかも
(不盡山を詠める歌一首、また短歌0319)」
「石花セカの海西湖と精進湖を示すらし噴火の前はひとつのだったと
(貞観六年864年12/9の大噴火で二湖となる)」
「不盡の嶺に降り置ける雪は六月ミナツキの十五日モチに消ぬればその夜降りけり(反し歌 0320)」
「富士の嶺を高み畏み天雲もい行きはばかり棚引くものを(0321 右ノ一首ハ、高橋連蟲麻呂ノ歌集ノ中ニ出タリ。類ヲ以テ此ニ載ス。)」
「富士の嶺は高みかしこみ雲さえもはばかりゆきて棚引きにけり()」