そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

夢十夜(7)

2010年11月01日 | 日めくり帖
10/31
「黒煙を吐いて波切り進む船〓どこへいくのかわからずも乗る()」「只波の底から出でる太陽は焼け火箸のやう昇りて沈む()」
「東から出る陽の里は西かいな、西陽の果ては東の空か()」
「船に乗り 身は浪の上 舵枕 流せ流せと 囃し立て()」
「悲しきはわれのみあらず甲板でしきりに泣ける女を見つけり()」
「サロンにて若い女がピアノ弾き男と二人唱歌を歌う()」
「二人にて別の世界を作れるを見たら卑下して死ぬこと決める()」
「飛び込めどなかなか底につかなくて無限の悔やみと恐れを感ず()」
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恐怖心

2010年11月01日 | 字余り
11/1
最近、仕事の関係で23階建てビルの屋上に上ることが多い。一番上にはヘリコプターの離発着場があり平成7年の阪神淡路大震災の教訓を生かし設けられた。そのヘリポートまでは屋上に出て、さらに5階分位上がらなければいけない。少し慣れてきたが、屋上の床はスケスケの足場で歩いているとフーッと要らぬ考えに襲われることがあった。要らぬ考えとは恐怖心のことだ。こういう恐怖心とどう付き合っていけばいいかが問題だ。
もしこのグレーチングの金具が外れていたら…、こう考えるや否や戦慄が走るし、あるいは、ここを歩いていれば落ちることはない、しかし、不条理な力が働いて意志に反してひっばられたら…、と考えるや否やヒャーとした戦慄が背中を走るのである。
杞憂という言葉があるが、たしか天井が落ちてくるのではないかと心配することである。はたして天井は落ちてこないのか。確率的にはゼロではない。普通は落ちてこないのだか、中国だったか、韓国だったかでは実際に落ちてきたことがあった。車を高速で走行していてバーストしたら、ハンドルをとられて命を落とすかもしれない。不運と割りきったり、事前にチェックをやるなどしてリスクを回避すればいい。
今までこういう高いところを歩くということがなかったので、ヒャーの感覚は新鮮だった。この感覚は恐怖にとらわれた制御不能な心の現れである。残念なことに最近は慣れてきたので要らぬ考えがうかんで来ることがなくなった。
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