2014/04/18
古事記の語呂合わせとして、上巻の「神代の篇」が終わった。古事記に取組み細かに読んでいると、外から見ている姿と中に入ってみる姿は、ずいぶん違った印象である。難しいと言うので、いろいろな解説本で外から眺めているととっつきにくい感じがあるが、いざ腰を据えて中に入ってみめると案外簡単である。
古事記偽書説とか、旧古事記の存在とか、謎と言うかミステリアスなことは残るが、ここは古事記のみで率直な印象をまとめてみると、
(1)形のない神は実在しなかったが、形のある神、動きまわった神は実在したと思う。
(2)古事記が完成した712年を0として、イザナギ・イザナミ、アマテラス、スサノオ等は実在したとして、どれくらい現実としてさかのぼれるか。
(3)古事記成立の時点で、出雲・天孫・大和のトライアングルは厳然と存在したが、神代巻では倭はさわりだけであった。
(4)古代人は人の持つ能力に及ばないものすべてに神が宿った。それが、八百万の神の源である。
(5)神は絶対的な存在ではなく、また、超能力も持たない。ほんの少し特徴的な技術力やリーダーシップ力を持っていた。
また、自然とか人心にかかわる特殊な力、霊威のようなものも持っていたかもしれない。
(6)アマテラス、スサノオは姉弟の関係だがスサノオのところでなんか曲がっているようだ。
(7)出雲大社の柱穴跡、荒神谷遺跡など圧倒的な発掘で、神話が歴史になった。神話と歴史の細かい対比について考えるのも面白い。
(8)原初的な言い伝えには、空間的な広がりはないのだろうが、完成時点での広がりは、北は諏訪まで広がっているし、南は薩摩隼人まで入っている。
海の向こうは、韓まで視野に入っている。
ぐだぐだと書いているが、知りたいことは神話から見た歴史、神話から解釈できる歴史、古事記の構造学的考察である。スローリーディングしている段階なので、読み返すときは
・神話の解釈
・神話がしめす歴史(神話から抽出した歴史)
・風土記、旧事本紀等資料と、伝説の発生理由
等に意識しながら、読み返そう。
古事記(神代巻) の一覧表 (目次)