2014/04/30
「あるときに媛女ヲトメが七人高佐士野に遊行したるに伊須気余理比売おり()」
「大久米は天皇スメラミコトに歌により遊行の女の誰がいいかと(尋ねた)」
「倭の 高佐士野を
七行く 媛女ヲトメども、
誰をしまかむ。
(歌謡#16)」
「高佐士野 七人行ける 媛女ヲトメらの どの子を軟派 いたしましょうか(と大久米は言った)」
「天皇は伊須気余理比売先頭に立てるを知りて歌で答える()」
「かつがつも
いや先立てる
兄をしまかむ。
(歌謡#17)」
「選ぶならまあ先頭の年長の媛女を妻に選びましょうか()」
「大久米は伊須気余理比売口説けるに黥サける利目みて奇しと思モえる(比売は歌で尋ねた)」
「天地
ちどりまししととなど
黥サける利目
(歌謡#18)」
「名に響く勇敢な方と聞けるのにどうして黥イレズミ等入れるのか(比売が歌で聞いた)」
「大久米は比売に答えて歌いたりあなたに直に逢うための利目()」
「媛女ヲトメに
直に逢はむと
吾が黥サける利目
(歌謡#19)」
「吾が黥サける 利目は媛女ヲトメを 探しては 直に逢はむと するための利目()」
「答えるに『仕えましょう』と申されて比売の家にて御寝ミネしたまいき()」
「比売の家狭井河の上にありたるが山百合多く咲いていたらし()」
「山百合の元の名『佐韋』であるらしい佐韋河なるはそこから来たり()」
「その後に比売が参内したるとき天皇は御歌よみたり()」
「葦原の
しけしき小屋に
菅畳
いや清敷きて、
わが二人寝し。
(歌謡#20)」
「葦原の 繁った小屋で 菅畳 清らかに敷き 二人で寝たね()」
「かくのごとして御二人は子をなせる井戸や沼河水と関係
(1:日子八井の命
,2:神八井耳の命
,3:神沼河耳の命
)」
「伊波礼毘古倭における初めての大王なれど軽薄なりし(軟派なんかして重厚でないかな)」
「大久米の目に描きたる黥の利目は鷹など思えばいいか()」