2016/05/27
「恋しいと言えぬ年月ありまして海老根はひっそり育ったのです()」
「海老根蘭球根の形海老のよう芋つる式についているらし
(花言葉:謙虚な恋)」
「わが庭にいついづこよりの化偸草エビネラン(富安風生)」
「海老根蘭えび茶の花のむらがれる(清野恭子)」
「海老根蘭骨董好きはすぐ通じ(林鳥園)」
「『明月記』藤原定家の日記には文歴二年の今日にできたと(『百人一首の日』)」
「あらざらむこの世のほかの思いひでにいまひとたびの逢うひこともがな(和泉式部)」
2016/05/26
「金魚草十本ばかりかつぎたるあなたの首の美しかりき(鳥海明子)」
「キンギョソウ姿が金魚に似るらしいほんまかいなと見れども見えず
(花言葉:清純な心)」
「日ねもすのつがいの蝶や金魚草(岬人)」
「金魚草よその子すぐに育ちけり(桜桃子)」
「小満の次候は紅花栄えるも時期も六から八月のこと(『紅花栄う』)」
「紅花は化学染料のまえ赤色の染料として使用されおり(口紅、衣類の染に)」
「別名を末摘花というらしい夏の季語なり万葉にもあり()」
「源氏での末摘花は巻名に皮肉交じりに描かれており
(常陸の守の女、滑稽なまでに時代遅れの下、大きな赤鼻の女として描かれている)」
「とげがあり昼間摘むには痛いとか朝柔らかき時に摘めたり()」
「まゆはきを俤にして紅粉の花(芭蕉)」
「裸子に甚平着せよ紅藍の花(虚子)」
2016/05/25
「それとなく宥められていて霞草ひとりの部屋にふんわり活ける(鳥海明子)」
「霞草白く群れなし咲けるさまひとつの花を見ることはせず
(花言葉:清い心、思えば思われる)」
「青嵐は青葉の頃にびゅうっと吹く強い風だが清涼なりし(『青嵐』)」
「薫風はみどりの香りやわらかく吹いて運べる五月の風を()」
「叢クサムラに山繭しろし風薫る(室生犀星)」
「青嵐一蝶飛んで矢より迅ハヤし(虚子)」
「青あらし吹きぬけ思ひくつがへる(秋邨)」
2016/05/24
「シャクヤクのあかく角ツノぐむ彼の日ありはじらうほどの花のふくらむ(鳥海明子)」
「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花
(花言葉:はじらい、はにかみ)」
「芍薬は草木で『花の宰相』と冬には地上部枯れてしまえり()」
「芍薬は生薬になり葛根湯つくれるときの原料なりき()」
「鹿の子生れ五月六月繁殖期ふつう一子でお乳独占(『鹿の子』)」
「鹿の子とは夏の季語らし風景と取り合わせ読み奈良などどうか()」
「灌仏の日に生れ逢ふ鹿の子かな(芭蕉)」
「苑日々に草深うなる鹿の子かな(草城)」
「回廊を鹿の子が駆くる伽藍かな(誓子)」
2016/05/24
きょうの読売新聞載っていた生命保険会社のサラリーマン川柳。
サラリーマンをやめて二年半になるがまだわかる。作品に引っ掻けて自作を考えてみる。
-----自作--------
「ドローンせぬ妻はわたしに惚れている()」
「ばあちゃんち言う孫いまは房総に()」
「マイナンバーあっても金は樹にならず()」
「すれ違い犬の世話しに娘くる()」
「福沢は友にしたいが身に付かず()」
「一昔まえの車にナビはなし()」「決めるのは財布にぎれる山の神()」
「最近の料理の技はスチーマー(シリコンスチーマーでもこった料理はしない)」
「一・二階あいだも会話はメールにて()」
「愛犬のしっぼ振るのは餌のため()」
-------以下は当選作品-------
「退職金もらった瞬間妻ドローン()」
「じいちゃんが建てても孫はばあちゃんち()」
「キミだけはオレのものだよマイナンバー()」
「娘来て『誰もいないの?』オレいるよ()」
「福沢を崩した途端去る野口()」
「カーナビよ見放さないで周辺で()」
「決めるのはいつも現場にいない人()」
「妻が見る『きょうの料理』明日もでず()」
「ラインより心に届く置き手紙()」
「愛犬も家族の番付知っている()」