wakabyの物見遊山

身近な観光、読書、進化学と硬軟とりまぜたブログ

書評(NHK趣味どきっ! お寺の知恵拝借)

2016-08-28 07:50:48 | 書評(仏教)


毎週放映で8回分の番組のテキスト。寺で行われている仏教の修行の一端を、一般人の我々が体験するための講座だ。仏門に入って修行することに憧れたとしても、現実的にはとてもできることではない。だけど家にいてもできることはたくさんあり、そんな仏教の修行のエッセンス、あるいは一面を日々の生活に取り入れることができそうだ。
内容は前半の4回が、作務、坐禅、精進料理、滝行。後半の4回は、曹洞宗僧侶で庭園デザイナーの枡野俊明氏が講師となって、心を磨く作務、心を調える坐禅、精進料理のおもてなし、“心の庭”づくり、となっている。前半4回目の滝行は密教系の天台宗によるものだが、それ以外は全て禅宗から取材したものである。
おもしろかったのは前半2回目に紹介されている「考える禅」。禅宗の臨済宗の修行では、公案禅という、老師から公案という問題を出されて坐禅中にその回答を考える修行法が行われるが、門外不出であり一般人が体験することは難しい。その公案禅の考え方を取り入れて、ある問いかけに対する答えを坐禅中に考えるやり方が提案されている。心を一つのことを考えることに注意集中させる方法であり雑念にとらわれないやり方として、こういう坐禅法があるのもなっとくできる。ただし、一人で坐禅するときでもこれはできるのだろうか?そこが問題だ。


最近行った美術展「ポンピドゥーセンター傑作展」と「大妖怪展」

2016-08-27 08:09:57 | 美術館・展覧会
最近、「ポンピドゥーセンター傑作展」と「大妖怪展」というまったく毛色の異なる2つの美術展に行ってきました。

6月19日は父の日のために1日フリーにしてもらったので、東京都美術館で6月11日~9月22日開催中の「ポンピドゥーセンター傑作展」に一人で見に行きました。一方、江戸東京博物館で7月5日~8月28日開催中の「大妖怪展」は娘が見たいということで、家族で8月12日に行ってきました。


上野の森に入って、


上野動物園入口の右わきにあるのが東京都美術館。いろんな公募展が開かれることが多い美術館だと思いますが、私が行ったのは今回初めてです。


「ポンピドゥーセンター傑作展」の案内が出ています。


中庭。ちょっとヨーロッパのような雰囲気があります。


エントランスは地下1階からになっています。


館内を案内の通りに進みます。
今回の展覧会では、ポンピドゥーセンター所有の作品のうち、1906年から1977年までの1年ごとに1作家1作品が選ばれて展示されていました。20世紀のフランスアート丸わかりとうたわれています。私の好きなシュールレアリズムの作品はあまり多くありませんでした。教科書的にフランス近代絵画の歴史を紹介している感じです。印象的だった作品として、パブロ・ピカソ1935年の作品「ミューズ」は、正妻と愛人がともにくつろぐ端に鏡があり、得も言われぬ暗黒の形象が浮き上がっている不思議な絵。ピカソの混沌とした心象を表しているようにも見えます。マルク・シャガールは雰囲気いっぱつのあまりテクニカルでない作家と思っていましたが、1917年の作品「ワイングラスを掲げる二人の肖像」の下のほうに書かれた街の描写はかなり細密で、少し彼に対する印象が変わりました。アンリ・マティス1948年の、色使いのあざやかな「大きな赤い室内」を見ると、ゴーギャンやゴッホとの共通性を感じます。


さて、江戸東京博物館に来るのも初めてのことです。


「大妖怪展」の看板を見ると、ずいぶん混んでいるようです。


入館。


見終って、パネルの前で記念撮影。
会場内が混んでいてどの作品の前も人だかりになっているし、娘にせかされるもんで、あまりじっくりとは見れませんでした。戯画的な直接的な表現の作品が多いのですが、よおく見ると怖さが浮き上がってくるような見るものの想像力にはたらきかけるような巧妙な絵もあっておもしろかったです。この展覧会は明日までです。

今度、常設の展示場も見てみたいと思いました。









幸福度に関係する脳部位について新たな報告が

2016-08-20 08:17:23 | 脳科学・心理学
以前、右脳の楔前部(けつぜんぶ)という部位に主観的幸福の基盤が存在しているという研究報告を紹介したことがあります。最近、別の脳部位が、一時的な「幸せ感情」と長期的な「幸福度」の両方に関係しているという研究報告がありました。その脳部位とは、内側前頭前野の一領域である吻側前部帯状回という場所だということです。そのプレスリリースの内容を下記に紹介したいと思います。

『幸せには、好きなものが得られた時などに経験する「幸せな気持ち(幸せ感情)」としての一時的な側面と、自分は幸せである、と比較的長期にわたり安定して認知される「幸福度」としての長期的な側面の2つの側面があることが知られており、幸福度が高い人は日常生活の中で幸せ感情を感じやすく、逆に日常生活において幸せ感情を多く経験すればするほど幸福度が上がっていくというように、幸せの2つの側面は相互に関連していることが分かっていました。しかしながら、なぜ2つの側面が関連するのか、その生理学的基盤はよく分かっていませんでした。
今回、自然科学研究機構 生理学研究所の定藤規弘教授、小池耕彦特任助教、中川恵理特任助教と愛知医科大学の松永昌宏講師らの共同研究グループは、磁気共鳴画像装置(MRI)を用いて、幸せに関連する脳領域を構造面・機能面から調べました。その結果、幸福度が高い人ほど内側前頭前野の一領域である吻側前部帯状回という脳領域の体積が大きく、その大きさはポジティブな出来事に直面した時の吻側前部帯状回の活性化と関連している(幸福度が高い人は、吻側前部帯状回が大きいために幸せ感情を感じやすい)ということが明らかとなりました。本研究結果は、NeuroImage誌に掲載されました(2016年4月13日オンライン版掲載)。』


研究内容をもう少し詳しく引用します。
『研究グループは、幸せと脳との関連に注目。今回の研究では、MRIを用いて、脳の構造的解析と機能的解析を組み合わせることで、これまでにない側面から脳と幸せとの関連を明らかにすることを試みました。MRI実験では、実験参加者にポジティブな出来事(好きな人に告白してOKをもらったなど)、ネガティブな出来事(好きな人に告白してフラれたなど)、感情的にニュートラルな出来事などをMRIの中で想像してもらい、ポジティブな出来事を想像している時に特に強く活動するとともに、幸せ感情喚起の程度と関連して活性化する脳領域があるかどうか、参加者の幸福度に対応して構造が変化する脳領域があるかどうか、などを調べました。実験の結果、幸福度が高い人(自分は幸せであると強く感じている人)ほど、内側前頭前野の一領域である吻側前部帯状回と呼ばれる脳領域の体積が大きいこと、ポジティブな出来事を想像している時に感じる幸せ感情の程度が高い人ほど吻側前部帯状回の活動が大きいこと、さらにポジティブな出来事を想像している時の吻側前部帯状回の活動はその場所の体積と相関していることなどが明らかとなりました。このことは、幸福度が高い人ほど、ポジティブな出来事に直面した時に幸せ感情を感じやすいことを意味しており、その生理学的基盤が吻側前部帯状回の構造と機能との関連で説明できることを示しています。』



図 左が吻側前部帯状回の場所、右が幸福度と吻側前部帯状回の大きさとの関連


プレスリリースでは触れられていませんでしたが、以前の報告の右脳楔前部、そして今回報告の吻側前部帯状回と、幸福感に関係する脳部位が2か所あってもいいのですが、どちらが本質的なのか、それぞれ異なる役割を担っているのかなどは、さらに研究が必要なのでしょう。
ところで、この研究の報告者の定藤教授は次のように語っています。
『幸福感には、自分は幸福であるという持続的な肯定的評価(持続的な幸福)と、ポジティブな出来事に直面した時に発生する一時的な肯定的感情(一時的な幸福)という二面性があり、これらはお互いを強化しあう関係があります。今回の研究では、幸福の二側面が共通の神経基盤(吻側前部帯状回)を持ち、持続的な幸福はその体積に、一時的な幸福はポジティブな出来事を想起している最中の神経活動に関係していることがわかりました。最近の研究で、脳は筋肉と同じように、鍛えれば鍛えるほど特定の脳領域の体積が大きくなることが分かっていますので、今回の結果は、楽しい過去の記憶の想起や、明るい未来を想像するといったトレーニングにより、持続的な幸福が増強する可能性を示したものといえます。トレーニング効果は今後実験的に確認する必要があるでしょう。』


楽しい過去の記憶を思い出すことがうつの改善につながるというマウスを使った利根川進らによる研究報告を以前紹介したことがあります。おそらく、楽しいことを思い出すことが幸福感を高めたり、うつを改善したりすることにつながるのは科学的にも正しいことなのでしょう。アーロン・ベック流の認知療法でも、毎日自分の良い点を思い出したときや良いことをしたとき、腕のカウンターでカウントして日記に記録する方法が提案されています「いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法(デヴィッド・D・バーンズ)」。私もそれを実践してはいるのですが、ポジティブな記憶を意識的に思い出すもっと強力なメソッドがあれば役立ちそうです。

座間のひまわりまつり

2016-08-13 09:13:28 | 箱根・湘南・三浦
座間市のひまわりまつりに行ってきました(2016年8月11日)。

神奈川県座間市は近年、ひまわりで有名らしいです。その座間市で開催中の「ひまわりまつり」(座間会場、8月11日~16日)の初日に行ってきました。
場所は、相模川沿いの田んぼや畑が多いところで、鉄道で行くには不便そうだったのでレンタカーを借りて行ってきたのでした。しかし、お盆の帰省ラッシュやひまわりまつり目的の渋滞に会い、かなり時間がかかりました。


今回借りたレンタカーのホンダ・フィット。もう4年くらい車無し生活が続いているので、久しぶりに車を運転しました。けっしてかっこいい車ではないですが(私はこれまでクーペしか所有したことがありません)、室内空間はゆったりしていて家族使用にはよさそうです。


相模川河川敷のひまわりまつり臨時駐車場に車を停める。


ひまわり畑の一角。こんな区画が10くらいあるでしょうか。


近づいてみるとひまわりは後ろを向いています。


みんな太陽に顔を向けてるんですね。だから、向日葵。でも今日は曇り空。


展望台がしつらえてありますが、待ち人で長蛇の列。


200円で3本好きなひまわりを切って持ち帰れます。


ひまわり畑のまわりには田んぼが続きます。


食べもの屋の店がたくさん出ています。


買ったのはこのかき氷。奥にあるトッピングにはご当地キャラ「ざまりん」が刻印されています。


このあたりは大輪の花が満開です。


ひまわりアーチの前は撮影待ちの列ができています。


このへんもいい感じで咲きごろです。








さて、採ってきた3本のひまわりを家にかざってみました。

暑い日は室内遊び、こども宇宙科学館

2016-08-07 16:53:01 | 博物館・科学館・図書館
夏らしい暑い日が続きます。こんな季節に子どもと遊びに行くのは室内の涼しいところにしたいということで、はまぎんこども宇宙科学館に行ってきました(2016年7月31日)。

私は夏が好きです。夏に好きなものの一つが雲です。夏の雲は、メリハリがはっきりしていたり、雄大であったり、自然の強い勢いを感じます。


午前中は、こんな綿菓子のようなちぎれた雲が続いています。


洋光台駅近くにある、はまぎんこども宇宙科学館に到着。はまぎんの名前が付きますが、横浜銀行はネーミングライツスポンサーということで、実際にはNTT関連企業が運営しているようです。


ここに来た大きな理由は、娘がこれを見たいからです。この、ドラえもんのプラネタリウム映画を見るのは今回で3回目です。


プラネタリウムでの上映前。


映画を見た後はいったん外に出て、コンビニでお昼ご飯を買って、科学館わきの公園で食べることにします。


公園には水飲み場があって、


手を洗うために近づいてみると、ミツバチがいます。
娘はミツバチを見るのは初めてのようですが、本能的に怖がって近づこうとしません。


ミツバチがたくさん集まってきています。
水を飲んでいるのでしょうか。水を巣へ持ち帰って他の仲間に与えるのでしょうか。
暑い夏の日らしい、昆虫の行動です。


科学館にもどって、遊びます。


これは、いつもやるバーチャルゾーン。


宇宙トレーニング室でいろいろ遊びまわります。






B2特別展示室のロボットBe-2のすべり台。


3Dのりものデザイナーでは、オープンのスポーツカーをデザインしました。


さあ帰ります。洋光台駅前のようす。夕方に近づいてきて、だんだん雲が大きくなってきました。


家に帰ってきて、おみやげで買ったウチワ・デザインキットで遊びます。


外を見ると、積乱雲が発達してきました。


盛り上がっています。
やっぱり楽しい、夏の雲。