wakabyの物見遊山

身近な観光、読書、進化学と硬軟とりまぜたブログ

ぱしふぃっくびいなす 熱海・伊勢・大洗クルーズ6(3日目・大洗水族館編)

2018-09-29 17:27:01 | ぱしふぃっくびいなす(熱海・伊勢・大洗クルーズ)
ぱしふぃっくびいなすのクルーズ3日目午後、大洗に着岸しました。今回はそこで訪れた大洗水族館のようすです。


シャトルバスでアクアワールド大洗水族館に着きました。右に見えるのが本館で左に見えるのがオーシャンシアターです。
私の実家は茨城なので、大洗には何度か行っています。昔の大洗水族館は古ぼけた建物であまり入ってみたいという気になるような施設ではなかったのですが、2002年にリニューアルオープンしてずいぶん立派な水族館に生まれ変わったようです。たとえば、サメの飼育種類数日本一、日本最大級のマンボウ専用水槽を保有していたりと、がんばっているんです。


カピパラのお食事タイム。
水族館ですが、水生動物にはこだわらず、陸生動物もいろいろ展示されていました。


フンボルトペンギン。


オーシャンシアター。イルカ・アシカオーシャンライブが始まります。




お約束のイルカによる客席にむけた水かけ。


マンボウの水槽。




こちらはウシマンボウのはく製。大きいです。DNA解析の結果、いわゆるマンボウとは別種であることがわかったそうです。


アザラシ。


7F展望ホールから見える那珂川の海門橋。


那珂川の河口。


キッズランドという子どものためのアスレチックもあります。


シロフクロウがウインクしています。


アメリカハクトウワシもいます。


出会いの海の大水槽。


サメの水槽。


ウバザメのはく製。


セミクジラのヒゲ板。これで小エビなどを濾しとって食べているんでしょうね。
以上、水族館の中をざっと見て回りましたが、エンターテイメントあり、お勉強ありの、なかなかボリュームのあるいい水族館でした。


さて、水族館の外に出るとそこは波高く荒れる大洗海岸です。ギャラリーが集まっています。






船に戻りました。
夕食は和食のコースです。前菜の、茗荷寿司、常節の煮凝り、オクラの金山寺味噌和え。
普段食べないような料理で、希少感があります。


造りと碗物。碗物ははもの湯引きです。さすが大阪の船だけあって、関西の料理です。


薩摩赤鶏の揚物。


フェリーのさんふらわあが泊まっています。
われわれの船は21時に出航します。

ぱしふぃっくびいなす 熱海・伊勢・大洗クルーズ5(3日目・午前編)

2018-09-23 15:33:34 | ぱしふぃっくびいなす(熱海・伊勢・大洗クルーズ)
ぱしふぃっくびいなすのクルーズ3日目は大洗に着岸します。今回はその日の午前のようすです。


昨夜までの大波は収まり、今朝の海はおだやかです。


朝食は和食を選びました。


食事後、船内散策に出ます。
これは、船尾から見える航跡。


スッキリした船首。


石川島播磨重工業の東京造船所で1998年建造というプレートが貼られています。今年で建造20周年です。
もうこの会社は造船を止めちゃいましたね。三菱重工業も最近、大型客船の建造で大赤字を出してこの分野から撤退しましたが、なぜか日本はこういう分野が苦手のようです。


メインホールで輪投げゲームに参加。


娘とともにプールとジャグジーに入ります。


大洗港に着岸します。
地元マーチングバンドの歓迎がありました。


昼食は、天丼と、蒸し鶏と水菜のサラダなどです。


港に上陸しました。
これからシャトルバスで大洗水族館に向かいます。

つづく。

ぱしふぃっくびいなす 熱海・伊勢・大洗クルーズ4(2日目・午後編)

2018-09-16 21:35:23 | ぱしふぃっくびいなす(熱海・伊勢・大洗クルーズ)
ぱしふぃっくびいなすのクルーズ2日目午前は伊勢神宮に行ってきました。今回はその日の午後のようすです。


鳥羽から船に戻って、昼食を頂きました。
冷製胡麻だれうどん、枝豆新丈の揚げ物などの和食。


そして、鳥羽港を出港します。港の人たちに赤いハンカチで見送ってもらいました。


さようなら。


部屋に戻ります。


太平洋に出ると、海が荒れてきました。いよいよ台風19号の影響が出てきました。


夕食はフレンチのコースです。
コッパハムと無花果のコンポート。


伊勢真鯛のエストラゴン風味マリネ庭園風仕立て。


鱸のムニエルブールブランソースとトマトクーリ。


国産牛リブロースのロースト赤ワインソースとポテトのガレット。


~アシェットデセール~白桃ムース ガナッシュショコラ マンゴーコンポート
この日のディナーは、細かい技が効いた品々でとても堪能できました。

この後、ジブリ映画の主題歌などを歌ってきた歌手の井上あずみさんのファミリーコンサートに行ったのですが、船の揺れがひどくなってきて、2曲くらい聞いたところで部屋に戻ってベッドに横になりました。酔い止め薬を飲んでいましたが、ここまで揺れるとダメです。西に向かっている台風から遠ざかるような進路で航行していますが、24時ごろまで揺れが続くとのアナウンスがあり、この日はあえなく終了。

ぱしふぃっくびいなす 熱海・伊勢・大洗クルーズ3(2日目・伊勢神宮観光編)

2018-09-08 22:32:40 | ぱしふぃっくびいなす(熱海・伊勢・大洗クルーズ)
「ぱしふぃっくびいなす」による夏休みクルーズの紹介の3回目は、2日目の伊勢神宮観光のようすです。


2日目の朝は台風19号の影響か曇り空です。


朝食は洋食バイキングから選びました。


ツアーに出る人は、朝7:40にメインラウンジに集合。3つくらいあるコースから伊勢神宮内宮とおかげ横丁散策ツアーを選びました。
鳥羽港沖に停泊した「ぱしふぃっくびいなす」から通船で港に移動します。


ななめ後ろから見る船体。


鳥羽港のながめ。


港でバスに乗り換えて、伊勢神宮内宮までやってきました。
正式には皇大神宮(内宮)と呼ばれ、皇室のご祖神である天照大神(あまてらすおおみかみ)をまつっているお宮です。前から来たかった場所ですが、今回はじめて来ることができました。伊勢神宮の外宮は今回お参りしません。


宇治橋の鳥居。
ここを渡る前に娘は鼻血を出してしまいました。パワーを感じたからといっていましたが、ホントかな。


宇治橋の上。


宇治橋を渡りながら五十鈴川の上流を見ます。


神苑。


五十鈴川御手洗場(みたらしば)。


参拝の前に、川の水で手を清めます。
透明できれいな水です。


古い森ですから、大きな木に囲まれています。


正宮の前まで来ました。この石段の下までが写真撮影可となっています。ここから中撮れません。
ここでは感謝の気持ちを伝えるためにお参りします。


荒祭宮(あらまつりのみや)。天照大神の現れた状態をまつるという別宮。
こちらでは願い事をするためにお参りします。


神宮内にはこのような池もあります。


神苑に戻ってきました。
大正天皇御手植松があるこの庭園には以前お屋敷もあったそうです。後ろの山が借景として効いています。


宇治橋を渡って戻ります。


五十鈴川の下流の方向。


この欄干はさわるといいとバスガイドさんに言われたのでさわってきました。たしかお金がたまるとか言ってたような気がします。


内宮参拝のあとは、おはらい町通りを散策します。赤福餅や日本酒の白鷹をお土産に買いました。


おかげ横丁。


牛肉がうまいから豚捨という名のついたお店。


バスの待つ駐車場に戻ります。


港から通船で「ぱしふぃっくびいなす」に戻りました。


こういう船が通船として使われています。

つづく。

書評「幸せになれる脳をつくる(リック・ハンソン)」

2018-09-02 20:27:19 | 書評(脳科学・心理学)


最近の脳科学、たとえば利根川進らの研究によって、過去の楽しい体験の記憶に関わる神経細胞を活性化することでうつ状態が改善することや、偏桃体の中の嬉しい体験細胞と嫌な体験細胞が脳内で互いに抑制し合っていることなどが実験的に示されるようになった。それでは、どうすれば過去の楽しい体験を活性化させたり、嬉しい体験細胞のはたらきを高めることができるのだろうか。本書はそういう目的にも合致し、特別な医学的治療法を用いずに、私たちが自らできるトレーニング法を提案している。これは、マインドフルネスの次の段階の精神修養、あるいはマインドフルネスとともに育むべき脳のはたらかせ方のようにも思えた。本書を読んでみると内容は豊富で示唆に富んでいるが、いざ実践しようとすると思った以上に難しかったというのが正直な感想である。

本書のポイントをまとめてみた。

この和訳本のタイトルは「幸せになれる脳をつくる」であるが、英文原著のタイトルは「Hardwiring Happiness(幸せを組み込む)-The New Brain Science of Contentment, Calm, and Confidence(満足、穏やかさ、自信についての新しい脳科学)」である。また、謝辞を見るとわかるが、本書で述べられている概念や方法論は著者が一人で編み出したわけではなく、多くの心理学研究などを元にしていることが示されている。そこには、例えば人間性心理学、ポジティブ心理学のアブラハム・マズローやマーティン・セリグマン、テーラワーダ仏教のジャック・コーンフィールド、マインドフルネス認知療法のマーク・ウィリアムズなどの名前が挙げられている。また、執筆過程では注釈や参考文献もあったらしいことが書かれているが、残念ながら本書にはそれらは掲載されていない。

まずは、第Ⅰ部 理論編
第1章 良いものを育てる
・私たちの人生は険しいことも多く、「内面的強さ」が必需品である。それはつかの間の心的状態とは異なり、安定した特性であり、幸福や件名で効果的な活動、他者への貢献などの持続的な源泉となる。平均すると、人間の強さの3分の1は生まれながらのもので、残りの3分の2は時間をかけて発達していくものである。
・ネガティブな体験には、ネガティブな副作用が内在している。著者自身、奥さんと共に子育てに疲れ果てていたころ、よく互いに当たり散らしていた。それはしばしばなんの効用もなく、ただただ苦痛あるのみであった。一方、ポジティブな体験には常に効用があり、苦痛はめったにない。

第2章 ネガティブなものほど脳に残る
・アメとムチは双方とも重要だが、決定的な違いがある。今日、アメを手に入れられなくても、明日また手に入れる機会はあり得るが、もし今日、ムチを避けられなかったら(捕食されてしまうこと)、アメはもう永遠に手に入れることができない。その結果、脳は自らのなかにネガティビティ・バイアスを組み込んで進化させた。
・潜在記憶の形成にはネガティビティ・バイアスがかかっている。不快な体験はあっという間に記憶の蓄積のなかに持ちこまれる。私たちは通常、楽しみからよりも苦しみから、強い好感より強い嫌悪感から迅速に学習する。

第3章 「緑」と「赤」
・人間の本質に関する進化神経心理学の研究によって明らかになってきたこととして、あなたを幸せな“我が家”に連れ帰ってくれるために脳には3つのOS(オペレーティング・システム)がある。危害を回避する、報酬に接近する、他者に傾倒するという3つのOSによって、それぞれ安全、満足、つながりという3つの中心的欲求を満たすための能力を進化させた。
・各OSには、応答モードと反発モードという二つの設定がある。あるシステムの扱う中心的欲求が満たされる体験をしている限り、そのシステムは応答モード「緑」になっている。一方、中心的欲求である安全、満足、つながりのいずれかが満たされないと、ネガティビティ・バイアスのせいで簡単に反発モード「赤」の状態になる。
・偏桃体は良い情報にも悪い情報にも反応する。悪い情報に対する偏桃体の反応が少なくなれば、不安や怒りは減るが、幸せが増すわけではない(ここまでで役に立つのがマインドフルネスや認知行動療法かもしれない:評者感想)。もっと幸せになるためには、ポジティブなものに対してより強く反応しなくてはならない。そういう偏桃体を「ご機嫌な偏桃体」とよぶ研究者もいる。
・反発的体験の影響が長く続くと精神的問題に発展する危険要因となる。数多くの精神障害は、脳の3OSのひとつに極端な反発的体験を含んでいる。たとえば、全般的不安障害、広場恐怖症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、強迫性障害、解離性障害、パニックは、回避システムに関係している。アルコール依存症、薬物依存症、その他の嗜癖(アディクション)の問題は接近システムに関係している。不安定な愛着、ナルシシズム、境界性パーソナリティ障害、反社会行動、幼児期の虐待やネグレクトの影響は傾倒システムに関係している。
・霊長類や初期の人類では状況が厳しく、たいていの人が若くして死に、集団が互いに闘い合う時代には、反発モードの短期的恩恵は、その長期的な代価を上回っていた。しかし今日、状況がより良くなり、人々が健康な長寿を望み、協力し合って生きていかなくてはならなくなると、応答モードで暮らしていくことのメリットのほうが高くなった。そのために、ネガティビティ・バイアスから、長期にわたって良いものを取り込むことで、応答(レスポンシビリティ)バイアスに変えることができる。

ここからは第Ⅱ部 実践編
第4章 「HEAL」で自分自身を癒す
・良いものの取り込み、つまりポジティブな体験を潜在記憶内に慎重に内在化させるために次のような4つのステップを提唱している。1.ポジティブなことを体験する(Have a positive experience)2.それを強化する(Enrich it)3.それを吸収する(Absorb it)4.ネガティブなものとポジティブなものをつなぐ(Link)。以上の頭文字をとって「HEAL」と呼んでいる。
・様々な実例を挙げながら、「良いものの取り込み」のやり方の説明が長く続く。例えば、「自分が自分の味方になる」-自分を助けたいと思わないことには行動は起こせない。「必要なものを取り込む」-あとで説明がある3つのカテゴリーのうちの必要なものを取り込まないと効果は出ない。

HEALのそれぞれのやり方が以下の章でくわしく説明される。
Hステップについて読むと、まわりに「良いもの」があふれていることに気づく。
第5章 ポジティブな体験に気づく
第6章 ポジティブな体験を創る


EAステップについて説明される。
第7章 脳を構築する

Lステップとは、ポジティブなものとネガティブなものをつないで、少しずつネガティブなものを鎮めていく方法が説明される。
第8章 花が雑草を押しのける
・ネガティブなものを変化させる二つの方法があるという。ネガティブなものとポジティブなものを同時に意図的に意識して、両者をつながるようにすることができる。このネガティブなものは、次に活性化されるとき、つながりのあるポジティブな考えや感情のいくつかを携えてくる傾向がある。一つ目の方法は、ポジティブな感覚とネガティブな感覚を同時に意識し、次にポジティブな感覚をより強くしていくことで、ネガティブなものを上書きするというもの。2つ目の方法は、ネガティブなものが活性化し意識を去った後、ネガティブなものと結びついた中立的なトリガーとポジティブなものだけを思い起こすようにし、中立的トリガーがネガティブに結びついて再統合されるのを中断することで、ネガティブなものを消すというものである。
・この方法の活用で、子どものころの傷(ネガティブ)を大人になった自分(ポジティブ)が慰め、ネガティブを減らしていくということができる。

第9章 活用法
・なにか難しそう・面倒そうな練習、勉強、嗜癖から戻ることなどにおいて、良いものと結びつけることで容易に実行できるようになる。
・良いものの取り込みは、マインドフルネスの訓練や心理療法など、様々な努力の結果を改善する。

第10章 21の宝石
・21種類の実習が集められている。第3章で示された、安全、満足、つながりという3つの中心的欲求を満たすべく、応答モード「緑」にするために、それぞれ7つずつの項目においてHEALを実践するやり方が示されている。1日一つから三つの実習を行うことが推奨されている。また、1日の中でも何回か繰り返す。
・安全では、「守られている感覚」「自分の持つ強さ」「くつろいだ感覚」「邪魔されない聖域」「脅威とリソースの見極め」「今現在なんの問題もないという感覚」「安らぎの感覚」の取り込みが提示されている。これらすべてを実行するのはやはり難しく、私だったら「自分の持つ強さ」「邪魔されない聖域」「今現在なんの問題もないという感覚」だったらできそうだと思ったので、これらについてすぐ思い出せるエピソードや想起できる事項などを自分なりに設定しておいて試しているところである。
・満足では、「楽しみ」「感謝と嬉しさ」「ポジティブな感情」「達成感と行為主体性」「熱意」「この瞬間に体験できることは豊富にあるという感覚」「充足感」の取り込みが提示されている。
・つながりでは、「大切にされている感覚」「価値があるという感覚」「思いやりと親切」「自分への思いやり」「思いやりのあるアサーティブネス」「自分や良い人だという感覚」「愛」の取り込みが提示されている。


最後に、本書に書かれている内容は非常に興味深かったが、複雑でやるべきことが多岐にわたり、具体性に欠けているところもあり(例えば、座って瞑想しながらやるのか、通勤のために歩いているときなどでもできるのか、といった具体的なやり方)、本人の努力を多く必要としており、このまま実践するのは難しいと感じられた。難しい方法のままでは、臨床試験で有効性を検証することが困難であり、広く人々に推奨できる方法にはならない。この本の内容をもとに、だれでももっと簡単に取り組むことのできるシンプルなメソッドを開発できればとても役に立つだろう。