wakabyの物見遊山

身近な観光、読書、進化学と硬軟とりまぜたブログ

1月の入江川せせらぎ緑道

2023-01-29 11:32:18 | バイオフィリア(身近な生き物たち)

少し前になりますが、1月はじめの入江川せせらぎ緑道を散歩したときのようすのご紹介です(2023年1月5日)。

冬の入江川せせらぎ緑道は、ザリガニ釣りで集まる子供たちもいなくて、静まりかえっています。

 

川幅が広くなって池のようになっているところには、いつものようにコイたちがいます。

 

純白のコイもいます。突然変異のアルビノかな。

 

この少し上流側には、モツゴの子どもたちが身を寄せ合っています。この上流にも下流にもこうした魚たちはまったく見られないので、活動量の少ない冬はここに集まることで自らを守っているのだと思います。

 

そして、せせらぎ緑道ではひさしぶりにサギを見ました。コサギです。近くで遊ぶ子供たちがいなくなったので、安心してやってきたのかもしれません。

下流から上流側に移動しながらエサ(ザリガニや昆虫などの小動物)を探しているようすです。

ここ2、3年、このあたりでサギを見なくなっていたので、安心しました。


僕の読書ノート「進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語(千葉聡)」

2023-01-21 08:09:10 | 書評(進化学とその展開)

巻貝の進化を研究する東北大学教授の千葉聡博士と研究仲間をめぐる物語である。著者の千葉氏は、前著の「歌うカタツムリ」で毎日出版文化賞・自然科学部門を受賞しているだけあって、生物系の名文筆家である。巻貝というあまり目立たない生物を対象にした研究は、注目されることも少ないが、それでも進化生物学の謎の解明に斬りこんでいくためのよい材料になりうるということを示してくれている。巻貝の進化の研究者への取材レポートやエピソードなどがいくつか紹介されるが、彼らはみな著者の弟子であったことが、後のほうの章で次第にほのめかされていく。だから、千葉ファミリーという研究者グループの生態学という読み方もできる。また、著者は、古生物学(地学)からスタートして、のちに生態学者(生物学)となった変わり種であることも明かしている。

進化学はアカデミアの研究者だけで成り立っているわけではないという。「元々本書では、魅力的な研究成果を挙げながらも、偶然あるいは本人が望まなかったため、プロとしての活躍の場をアカデミア以外の世界に移した人々のストーリーも等しく取り上げるはずであった。だがいくつかの困難な問題があり、それは果たせなかった。強調しておきたいのは、科学への貢献こそが重要なのであって、その世界に籍があるか否かは些末な話ということだ。・・・プロとして科学や産業や社会に直接貢献することも素晴らしいが、プロにならずとも、良きファンとして科学を支えることはそれ以上に素晴らしいことだと思う」われわれのような、在野の進化学ファンにとってはうれしい言葉だ。

進化を考える上で、「種」とは何かは難しい問いであり、たくさんんの定義がある。しかし、有性生殖をする多細胞生物で、最も多くの場面で種の定義として採用されているのは、生物学的種と呼ばれる定義ー互いに交配できる個体からなる集団で、かつ他の集団に属する個体とは交配できない集団ーである。染色体の数や形、構造などが違っている個体間では、交尾しても正常な受精が行われにくいうえ、胚発生が上手くいかないのが普通であるので、別種と考える。ところが、巻貝のカワニナ類の染色体は7対から20対と様々で、種で異なるだけでなく、同種の同じ集団の中で、染色体の形が個体ごとに違っている場合があるし、染色体数が異なる集団が交雑して、雑種ができたりしているという。生物学の常識に反する奇妙な現象であるが、その理由は解明されていないようだ。

日本の進化学の歴史についてふれられている。「1980年代は、進化ー突然変異、自然選択、遺伝的浮動を中心原理とする総合説を扱う講義は、大学ですら稀だった。当時、私の知る生物学の教授は、進化なんてホラ話、まともな研究者は相手にしない、と断言していた。なぜ日本の進化学は、こんな扱いを受けるほど崩壊していたのか。原因は主に三つ。科学への政治介入、海外動向への無関心、そして権威主義だ。」として、旧ソ連のルイセンコ説という共産主義と結びついた疑似科学が日本でも席巻していたこと、今西進化論という世界では通用しない日本独自の進化論が一世を風靡していたこと、ポストモダン思想と生物学の合体から生まれた特異な進化説が総合説を否定する論陣を張っていたことを挙げている。一方で、木村資生博士の中立説や、伊藤嘉昭博士や若手たちの研究など世界標準とつながる研究も生まれており、魑魅魍魎が跋扈する無法地帯の様相を呈していた。このあたりの記述は、80年代に生物学科の大学生だった私自身、当時体験していたことが含まれていて共感をおぼえた。

進化の新たな知見が見出されつつあるー①同じ環境の下では、同じ系統の種は、同じ性質と同じ群集を進化させる。②遺伝的、形態的にいったん分化した集団が出会って交配したり、異なる種が環境変化の後に雑種を作ったりした。つまり、系統の分化と融合の繰り返しによって適応拡散をおこしていた。(2022年のノーベル生理学・医学賞を受賞したペーボ博士が発見した、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人の交配がまさにこれに相当するのだろう)③種分化しつつある集団に見えるものが、寄生虫の感染の有無を示すものである場合もある。


新治廃寺跡と新治郡衙跡に行く

2023-01-14 07:53:37 | 茨城・栃木・埼玉

正月に茨城の実家に帰省したおり、近くの新治廃寺跡(はいじあと)と新治郡衙跡(ぐんがあと)に行ってきました(2023年1月4日)。

2か所とも、実家から歩いていける距離にありますが、遺跡のあるところには石碑が立っているくらいで特に見るべきものがあるわけでもなく、子どものころもほとんど行った覚えがありません。しかしながら、国指定文化財にもなっており、今後、遺跡の整備計画もあるらしく、私が育った地域の遺跡をいちおう確認しておこうという気持ちで見てきました。

 

凶暴ネコは私の滞在中、ケージに入れてもらっています。昨年、飼いネコに噛まれて亡くなった有名シェフの方がいました。冗談にならないんですよ、ホントに気をつけないと。

 

そしたら、もう1匹、見慣れぬネコが出てきました。つい先日、12月に実家にやってきて保護されたオスネコだそうです。この子は、心優しいネコで、私に攻撃してくることはいっさいありません。人慣れしていて撫でてあげるとよろこびます。元々、どこかで飼われていたネコが、家出したか捨てられて実家にたどり着いた可能性が考えられます。

しかし、このネコは外が好きなのだそうで、外に出してくれと要求してきます。外に出すと、半日ほどどこかを放浪してから戻ってくるのだそうです。都会では考えられないことですが、田舎では今でも飼いネコが外と家を自由に往来しているようです。私は、キャット・ウォッチャーとしてネコの行動を観察できるからいいのですが、実家がネコ屋敷にならないかちょっと心配です。

 

さて、遺跡巡りは、新治郡衙跡からです。こんな感じですよ。石碑が立っているだけで、あたりは畑です。少し高くなった台地のようなところにあります。

ここには、奈良・平安時代に、常陸国新治郡の役所がありました。新治郡は、今の笠間市、桜川市、筑西市にまたがるけっこう広い地域です。「古事記」に、にいばり=新治の地名が出てきます。郡衙には、郡庁、正倉、館、厨家、門、垣などがあり、郡の人々から租税を取り保管していたそうです。

 

こちらが奈良時代に創建された新治廃寺跡。大きな木がシンボルのようになっていますが、遺跡よりだいぶ後の時代に植えられたのでしょうか。

ここは金堂跡。

 

柱の礎石が残っています。

 

このように、金堂の横に東塔、西塔、奥に講堂やその他のお堂が建つ立派な伽藍だったようです。奈良仏教は東国でもかなりの勢力を示していたことがうかがわれます。

東塔の跡。石碑が傾いています。後ろに礎石の跡のようなものが見えます。

 

近くには小さなため池がありました。

 

近くの香取神社。

 

筑西市立農業資料館。見学は予約制だそうです。

 

筑波山の上に髭のよう雲が浮いていたので撮りました。

さて、新治廃寺跡と新治郡衙跡はこれからどんなふうに整備されるのでしょうか。


年始の伊勢山皇大神宮~前川國男建築群~みなとみらい大通りビル群

2023-01-07 07:35:29 | 横浜

あけましておめでとう御座います。

ほんねんも宜しく御願いいたします。

 

今年の年始は、横浜のお伊勢さん(伊勢山皇大神宮)にお参りして、伊勢山の前川國男建築群を見て、みなとみらい大通り(栄本町線)のビル群を見るというルートで街歩きをしてきました(2022年1月2日)。

お伊勢さん前の沿道は初詣客の縦列が続いています。

 

境内に入りました。娘の七五三の祈祷を受けた神社です。

階段下で待ちの状態。

 

今年は娘が数え年で13歳になるため、十三詣の祈祷を受けます。

 

その後、いつもの初参りをしました。

 

そして私は、妻や娘と別行動となり、街をながめて帰ることにしました。これは結婚式場の伊勢山ヒルズ。

 

新しくできた神奈川県立図書館の本館。

一面ガラス張りです。ガラスの中には、四角い穴あきの遮蔽版のようなものが取り付けられていますが、これは旧館のデザインへのオマージュのようです。

これが旧館。この四角い穴あきの遮蔽版が全体的におおっています。

この旧館は、コルビュジエの弟子で、昭和の名建築家だった前川國男が設計しています。そして、ここには前川の設計による建造物が3つあります。右側の渡り廊下でつながっているのが、

前川設計2つめの神奈川県立音楽堂。

スタイリッシュです。

 

そして、これが前川設計3つ目の神奈川県立青少年センターです。役所のような重たいコンクリートの建築です。

大きなひさしも特徴です。前川國男建築が3つも集まっているところは珍しいのではないでしょうか。文化的芸術的遺産を大切に残してもらいたいです。

 

みなとみらい大通りにやってきて、ランドマークタワーの前から横浜駅に向かって歩きます。この通りは、昔は大きな中古車センターやカー用品店などしか目につかなかったのですが、近年、名だたる企業のビルがどんどん建っています。これは昔からある三菱重工本社。

 

コンサート会場のぴあアリーナMM。

 

三井ガーデンホテル 横浜みなとみらいプレミア。

 

ウェスティンホテル横浜。

1Fはポルシェのショールーム。

向かい側には以前からポルシェのショップがありますから、拡大していますね。

ホテル入口。

 

KUとは、神奈川大学?

 

KTビル。1・2FはライブハウスのKT Zepp Yokohama。

 

横浜野村ビル。

 

横浜ブルーアベニュー。

 

資生堂グローバルイノベーションセンター。

 

京急グループ本社。

 

富士フイルムビジネスイノベーション。

 

日産グローバル本社。

 

日産のショールームは正月からもうオープンしています。フェアレディZには人がたくさん集まっています。がんばったらこのくらいは買えるかなという、ちょっと手の届きそうな憧れの車なのでしょう。

GT-Rはさすがに高価だし、乗り手を選びそうな、高嶺の花。

 

そごうや丸井の手前まで来ました。もうすぐ横浜駅です。

 

このあたりも高層マンションが多くなりました。

 

K-Arenaという建物はいつのまに建ったのでしょうか?初めて見ました。調べてみたら、Kアリーナ横浜という音楽専用アリーナで、2万人が入れて、2023年秋完成予定だそうです。なんだか、コンサート会場やライブハウスが林立していますが、やっていけるのでしょうか?