地元の大口を流れる入江川で、おもしろいものを見ました(2021年1月23日)。
入江川は、横浜市神奈川区の大口などを流れて横浜港の運河にそそぐ約2.4 km(せせらぎ緑道も含めてか?)の短い川です。この上流に入江川せせらぎ緑道が整備されていますが、入江川本流とは堰によって隔たれています。よく、入江川せせらぎ緑道で魚や鳥を観察して、このブログで紹介していますが、今回は入江川本流のほうの話です。
この日は、普段あまり見ないカワウがいました。右は成鳥、左は幼鳥のようです。
成鳥のほうは羽をゆっくりパタパタやっています。水滴を落として羽を乾かすため?それとも何かのサイン?
別のところにも、カワウが2羽いました。
1か月前くらいから見るようになったオオバン。しかし、今日はたくさんいます。今日はちょっと、鳥たちが集結している感じで、いつもと違います。
そして、少し上流の水深が浅くて水が透明なところに行くと、なんじゃこれ!とビックリしました。魚の大群が遡上しています。
数万匹といった数がいそうな大群です。しかし、これを見ているのは私一人だけです。ここは住宅に囲まれていて、あまり人の目につきにくい場所なのですが、だれも気がついていないのでしょうか?
ほんとうは魚を捕まえて見てみないとわからないのですが。入江川にはボラが観察されるといわれていることと、ボラの幼魚の大群が遡上するのが日本のいくつかの川で目撃されたという報告があることから、この魚もボラだと思われます。あの高級食材カラスミが作られる魚です。
Google Scholarで参考になりそうな学術論文を検索してみました。「永田誠一ら. 水産増殖. 43, 199-203(1995)」の論文によると、「ボラは全世界に広く分布し,その初期若魚(いわゆるバク)は12月頃から翌年の4月頃にかけて我が国沿岸に出現し,汽水域,河川に遡上し,生育してオボコとなる。その後成長段階に応じてイナ,ボラとよばれ,最後にトドとなり外洋に出て産卵する」と書かれています。確かにこの時期、川を遡上する出生魚なのですね。しかし、なんのために遡上するのか、なぜこんなに大群なのか不思議です。
コサギもボラを狙っています。
カルガモもいます。カルガモの食性は植物食と言われていますが、消化管からたくさんの魚が出てきたという報告もあるそうなので、やっぱりボラを食べようとしているのかもしれません。
入江川せせらぎ緑道のほうは工事中です。生き物の気配はあまり感じられません。