wakabyの物見遊山

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あつい夏におすすめしたい音楽・第3弾

2024-08-10 07:36:59 | 音楽

あつい夏におすすめしたい音楽として、第1弾(2018年)第2弾(2022年)を紹介しましてきました。今年もとても暑いので第3弾を考えてみました。

 

1つ目は、ホルガー・チューカイのミニ・アルバム「ムーヴィーズ」の中の「クール・イン・ザ・プール」という曲。

ホルガー・チューカイは、ドイツのプログレバンド「カン(CAN)」のメンバーだった人で、「ムーヴィーズ」は、1979年にリリースされた彼のソロアルバムです。本作は、テヘランの短波ラジオから録音した音声や、テープスピードを1/2に下げて録音したギター等、様々な音を録音したテープをコラージュのようにつなぎ合わせて一つの曲にするというち密な作業によって作られています。ポップスでありながら芸術的ともいえる音楽で、評論家や音楽好きの間で非常に評価の高い作品です。とくにアルバムの中の「ペルシアン・ラヴ」という曲では、桃源郷のような世界を作り出しています。今回紹介する曲「クール・イン・ザ・プール」は、プールに入って冷たくなろうよと歌う(たぶん)曲で、暑い夏に向いているのではと思いました。

YouTubeを探したら、ホルガー・チューカイ本人が出演しているMVがありました(↓)。髭のおっさんの顔がずっと大写しになっていてかえって暑苦しいので、映像は見ないで音楽だけ聴いてもいいかもしれません。

Holger Czukay - Cool In The Pool

 

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2つ目は、ジス・モータル・コイルの「IT'LL END IN TEARS(邦題:涙の終結)」の中の「ソング・トゥ・サイレン」という曲

ジス・モータル・コイルは、4ADというレーベルの社長だったアイヴォ・ワッツ=ラッセルが、曲やミュージシャンを選んで作ったプロジェクト・アルバムで、3作目まで出ています。今回紹介するアルバムは、1984年に出た1作目です。アレックス・チルトン(ビッグ・スター)のカバーが2曲入っていたり、マガジンのハワード・デヴォートが歌っていたり、なかなか興味深く好きなアルバムです。

「ソング・トゥ・サイレン」はティム・バックリーの曲で、本作においてコクトーツインズがカバーしています。このカバーに刺激を受けたのか、多くの主にイギリスのミュージシャン達が競うようにしてそれぞれ独自の解釈で本曲をカバーして発表しています。アングロサクソンのあるいは人類の心の描線に触れるようなメロディーであり、ストーリーなのかもしれません。船乗りの男を美声で魅了して海に引きずり込む女のお化け(サイレン(Siren))の歌で、狂おしく悲しくひんやりとした霊気を感じる曲です。アイヴォ・ワッツ=ラッセルは、コクトーツインズのエリザベス・フレイザーが本曲を歌っているのを聞いて涙を流したという、とてもエモーショナルなカバーです。

This Mortal Coil - Song To The Siren (Official Video)


映画「シド・バレット 独りぼっちの狂気」を見た

2024-07-13 07:49:06 | 音楽

映画「シド・バレット 独りぼっちの狂気」を見てきました(2024年6月29日)。

 

映画「シド・バレット 独りぼっちの狂気」予告編

 

シド・バレットは、イギリスのとても売れたロック・バンド「ピンク・フロイド」の創始者で、非常にインパクトがあり評価の高いサイケデリック・ロックという音楽を作っていた男です。しかし、嗜好していた幻覚性麻薬LSDの影響で精神に異常をきたし、音楽活動ができなくなってしまい、半隠遁生活をしていましたが、2006年に60歳で亡くなりました。

上の映画ポスターに、デヴィッド・ボウイ、マーク・ボラン、グレアム・コクソンが夢中になったと書かれています。他にも、ブライアン・イーノやジミー・ペイジがシドのソロアルバムのプロデューサーに名乗り出るなど、錚々たるミュージシャン達がシド・バレットの音楽に心酔し影響を受けた、伝説的な存在です。

私は、20、30年前、個人的な事情で、シド・バレットを当時の身近な人間に投影していた時代がありましたが、その後ずっと遠ざかっていました。最近、シド・バレットの限定1000部の詩集が出たときも、もう今の自分には必要ないと思い買いませんでした。今回の映画は、シド・バレットを知っている人たちが彼を回顧する内容です。少しまよったのですが、見に行くことにしました。

映画館は、渋谷のシネクイント。渋谷の駅を出ると、このあたりの変化が激しくて少し道に迷ってしまいました。駅前では、都知事選に立候補した田母神さんが演説していましたが、なんかよわよわしく感じましたよ。

で、映画のほうは、劇場の前のほうで見たせいか、字幕を目で追うのがたいへんでストーリーが正確に頭に入ってこなくて、雰囲気を楽しんだかんじですかね。映画を見て印象的だったのは、「ピンク・フロイド」の音楽が売れ始めて、周りからの期待やプレッシャーが大きくなってきた頃の表情です。以前の快活で笑顔の多かった表情が、とても暗くなっているのです。この頃以降のシドは、「ジョン・レノンだったらこうはならないんだろうな」「絵描きになれば、ステージで歌えなくなっても文句は言われないよね」などの発言を残し、絵を描く半隠遁生活に入っていきます。

映画ではなんだかよくわからないモヤモヤが残ったのでネットで調べてみると、半隠遁生活のシドの面倒をずっと見てきた妹がシドの死後に、彼は「共感覚を持ったアスペルガー症候群だった」と語っていたことをはじめて知りました。アスペルガー症候群は今では、自閉スペクトラム症(ASD)とよばれています。シドが精神的に異常をきたしたのは、LSDの影響もあったのでしょうが、バンド活動でのストレスが原因で、ASDの二次症状としてのうつ病になっていた可能性があるのではないでしょうか。薬物に耽溺していたのは、依存症になりやすいASDの性質も影響していそうです。シドの精神病理について、専門家に解説してもらいたいものです。そして、シドの作った音楽を自閉症者の芸術として見直してみるのもおもしろそうです。さらに、私がシド・バレットをずっと気になっていたのは、何か自分に似たところをうすうす感じていたからかもしれません。

 

シドのソロ・アルバムの中で一番好きな曲。

Syd Barrett - Wined and dined


12年ぶりに音楽スタジオに入る

2023-05-03 21:17:13 | 音楽

ひさしぶりに音楽スタジオに入って遊んできました(2023年5月2日)。

ゴールデンウィークは、普段できないことをやってみるいい機会です。今年は昔のバンド仲間と2人で、音楽スタジオに入ってきました。このメンツでは12年ぶり、ということは私自身がスタジオに入るのも12年ぶりということになります。12年前にやった後に、私に子どもができたので、そんなに遊んでいられる状況ではなくなったというのが、この長いブランクの理由です。「スタジオに入る」という言葉は、バンドメンバーなどの複数の人たちがスタジオに楽器を持ち込んで、みんなで音楽を演奏するという意味でよく使われます。

 

秋葉原のスタジオ・グッドマン・アキバ(旧名スタジオ・リボレ)で、練習部屋を2時間借りました。

 

やった曲はオリジナルではなく、2人がそれぞれ好きな音楽を2曲ずつ選曲してきたものです。選曲した本人がボーカルとリズムギターを担当し、もう一人がリードギターを担当するという分担の仕方です。もう一人の人が選曲したのは、マーク・ベノのスピーク・ユア・マインドと、ノーマン・グリーンバウムのスピリット・イン・ザ・スカイという曲です。渋すぎて私は知らないアーチストでした。私が選んだのは、ヴェルベット・アンダーグラウンドのキャンディー・セッズとアイム・セット・フリーの2曲です。計4曲やりました。やったのはいいけれど、練習不足のため途中でコード進行が追えなくなったりで、散々な出来でした。そもそもまともに演奏できるとは思ってなかったけれど、やってみたら想像以上に酷くて...。まともにやろうとしたら、それなりの時間と労力をかけないとダメだということを再認識したのでした。

最後に思い付きで、クラッシュの曲ートミー・ガンとロンドン・コーリングーをやってみたのですが、これが気持ちよくって、カタルシスを感じることができました。こういうシンプルで、思い切り演奏して歌える曲って、テクニックや練習量抜きで楽しめるので、たまのスタジオ入りでやるのに向いているというのが発見ですね。打ち上げのときに、次回スタジオ入りするとしたらパンク・ロックをやりましょうということで話はまとまりました。


マイ・プレイリスト 2023 M-P

2023-03-19 07:45:37 | 音楽

私がスマートフォンでふだん聴いている音楽のプレイリスト(アーチスト名/アルバム名)を、アーチスト名の頭文字でA~DE~Lについて紹介してきました。今回は、続けてアーチスト名の頭文字M~Pをリストアップしました。()内に少しコメントも書いています。とにかく、パンクでも、フォークでも、サイケでも、尖がっていてメロディアスでありきたりじゃないのが好きなのです。

 

【M】

マガジン Magazine / No Thyself(ニュー・ウェイブの中でも特に好きだったバンドの再結成アルバム)

マーヴィン・ゲイ Marvin Gaye / What's Going On

マッシヴ・アタック Massive Attack / Blue Lines

マッシヴ・アタック Massive Attack / Mezzanine(イギリスの歌姫エリザベス・フレイザーが3曲で歌っている。超が付くほど硬質でカッコいいトリップホップ・サウンド。大好き。やっぱりあなたはバンクシーなの?)

マッシヴ・アタック Massive Attack / Protection(別のイギリスの歌姫トレイシー・ソーンが歌っている1曲は上質だが、ほかの曲はふつう)

マイルス・デイヴィス Miles Davis / Bitches Brew [Disc 1 & 2](いまだに色あせないジャズの前衛)

マイルス・デイヴィス Miles Davis / Kind Of Blue

マイ・ブラッディ―・ヴァレンタイン My Bloody Valentine / Loveless

 

【N】

ニール・ヤング Neil Young / After The Goldrush

ニール・ヤング Neil Young / Harvest(ニール・ヤングが好きだけれど、このアルバムは別格で好き。最初の2曲はある意味フォークのミニマル・ミュージック)

ニール・ヤング Neil Young / Tonight's The Night

ニール・ヤング&クレイジー・ホース Neil Young & Crazy Horse / Ragged Glory

ニュー・オーダー New Order / Get Ready

ニルヴァーナ Nirvana / From The Muddy Banks Of The Wishkah

ニルヴァーナ Nirvana / MTV Unplugged In New York(パンクをフォークに変換したら、ものすごい情緒的な音楽になった)

ニルヴァーナ Nirvana / Nevermind(双極性障害のパンク)

ノーラ・ジョーンズ Norah Jones / Feels Like Home

ノーラ・ジョーンズ Norah Jones / I Dream Of Christmas

ノーラ・ジョーンズ Norah Jones / The Fall

 

【O】

オアシス Oasis / Time Files... 1994-2009 [Disc 1 & 2](サウンドは凡庸だけど、メロディーのよさは飛び抜けていい)

オーケストラル・マヌーヴァー・イン・ザ・ダーク Orchestral Manoeuvres In The Dark / Architecture And Morality(スーヴェニア、ジャンヌダルク、オルレアンの少女の3曲は究極のドリーム・ポップだ)

オーケストラル・マヌーヴァー・イン・ザ・ダーク Orchestral Manoeuvres In The Dark / The Best Of O.M.D.

 

【P】

ポール・マッカートニー Paul McCartney / Egypt Station

ポール・マッカートニー Paul McCartney / Tug Of War(ポール・マッカートニーのキャリアの後半では好きなアルバム。ジョン・レノンへの鎮魂歌ヒア・トゥデイは泣ける)

ペンギン・カフェ Penguin Cafe / The Imperfect Sea

ペンギン・カフェ Penguin Cafe / The Red Book(ペンギン・カフェ・オーケストラの息子のバンド。1曲目は宇宙的。京都音博で一緒に写真撮りました)

ペンギン・カフェ・オーケストラ Penguin Cafe Orchestra / Broadcasting From Home(一時期ペンギン・カフェ・オーケストラにはまっていて、今でもスマホに入れている。エリック・サティにもつながる上質なサイケデリック環境音楽)

ペンギン・カフェ・オーケストラ Penguin Cafe Orchestra / Music From The Penguin Cafe

ペンギン・カフェ・オーケストラ Penguin Cafe Orchestra / Penguin Cafe Orchestra

ペンギン・カフェ・オーケストラ Penguin Cafe Orchestra / Signs Of Life

ピンク・フロイド Pink Floyd / Echoes_ The Best Of Pink Floyd [Disc 1 & 2](シド・バレットのいないピンク・フロイドなんて退屈だとずっと思っていたけれど、最近になってロジャー・ウォータース&デヴィッド・ギルモアの作るピンク・フロイド楽曲はイギリス・ジェントルマンの喪失感や無常観を奏でる最高の表現なのではないかと思うようになってきた)

ピクシーズ Pixies / Bossanova

ピクシーズ Pixies / Head Carrier(アメリカのオルタナティブ・ロックの生きる伝説。ベーシストが新加入して久々に出たピクシーズ・アルバムは充実していてうれしい。)

ピチカート・ファイヴ Pizzicato Five / Couples(いわゆる渋谷系の最初?日本の音楽もいけてると気づかせてくれた)

ポーキュパイン・ツリー Porcupine Tree / Closure_Continuation

プログ・ロック Prog Rock / Greatest Ever Prog Rock [I, II, & III](いろんなプログレバンドを紹介してくれる3枚組コンピレーション・アルバム。)

パブリック・イメージ・リミテッド Public Image Ltd. /Flowers Of Romance(ポスト・パンクの代表的アルバム。ものすごい尖がったサウンドを作った張本人キース・レヴィンは2022年末に亡くなった。私が敬愛するギタリストの1人)

パブリック・イメージ・リミテッド Public Image Ltd. / The Greatest Hits, So Far

 


マイ・プレイリスト 2023 E-L

2023-02-11 08:06:38 | 音楽

私がスマートフォンでふだん聴いている音楽のプレイリスト(アーチスト名/アルバム名)について、前回はアーチスト名の頭文字でAからDまで、リストアップしました。今回は、年が2022年から2023年に変わりましたが、続けてアーチスト名の頭文字EからLまでをリストアップしてみます。()内に少しコメントも書いています。

 

【E】

エリック・クラプトンEric Clapton / Happy Christmas(わりとロック・テイストなクリスマス・アルバム)

【F】

フィッシュマンズFISHMANS / LONG SEASON(米国のRate Your Musicで上位にくる世界が認める日本のアルバム)

フィッシュマンズFISHMANS / 宇宙 日本 世田谷

フィッシュマンズFISHMANS / 空中キャンプ(フィッシュマンズではこれが好き、クオリティ高し)

フリートウッド・マックFreetwood Mac / Bare Trees(味わい深い)

フリートウッド・マックFreetwood Mac / Future Games

フリートウッド・マックFreetwood Mac / Greatest Hits

フリートウッド・マックFreetwood Mac / Mystery To Me(ボブ・ウェルチの曲がかっこいい)

フリートウッド・マックFreetwood Mac / Rumours(とにかく売れた名盤)

【G】

ジョージ・ハリスンGeorge Harrison / All Things Must Pass [Disc 1 & 2](ビートルズ解散後初のソロ、名曲ぞろいでサイケデリック)

ゴリラズGorillaz / The Singles Collection 2001-2011(ブラーのボーカリストの別プロジェクト、サウンド良し)

グレアム・コクソンGraham Coxon / Happiness in Magazines

グレアム・コクソンGraham Coxon / The Spinning Top(ブラーのギタリストのソロ、くせになるアコースティック・アルバム)

グレイトフル・デッドGrateful Dead / Anthem Of The Sun(酩酊しているようなお気楽音楽)

ガンズン・ローゼスGuns N' Roses / Use Your Illusion I

ガンズン・ローゼスGuns N' Roses / Use Your Illusion II(ドラマティックで鬼気迫る1曲目のCivil Warがすごい)

【H】

ハットフィールド&ザ・ノースHatfield & The North / Hatfield And The North 

ハットフィールド&ザ・ノースHatfield & The North / The Rotters' Club(カンタベリー系プログレ、これこそドリーム・ポップ)

【J】

ジャー・ウォブルJah Wobble / Alpha One Three(ハイパーな中近東風サウンド)

ジャー・ウォブルズ・インヴェイダーズ・オブ・ザ・ハートJah Wobble's Invaders Of The Heart / Everything Is No Thing

ジェイムス・タイラーJames Taylor / Sweet Baby James(細野晴臣が自分も歌おうと思ったきっかけボーカリスト)

ジャパンJapan / Obscure Alternatives

ジャパンJapan / Quiet Life

ジェフ・ベックJeff Beck / Best Of Beck(1月に亡くなった、唯一無二のギタリストでした)

ジェフ・バックリィJeff Buckley / Grace [Disc 1 & 2](サイケなジミー・ペイジ+初期レディオ・ヘッド的のようで、私の趣味にピッタリ)

ジョン・フルシアンテJohn Frusciante / The Empyrean(レッチリのギタリストのソロ、裏レッチリのような霊的・内宇宙的世界)

ジョイ・ディヴィジョンJoy Division / Substance

ジョイ・ディヴィジョンJoy Division / Unknown Pleasures

【K】

ケイト・ブッシュKate Bush / The Whole Story

キング・クリムゾンKing Crimson / The Condensed 21st Century Guide To King Crimson 1969-2003 [Disc 1 & 2]

【L】

レッド・ツェッペリンLed Zeppelin / Houses Of The Holy

レッド・ツェッペリンLed Zeppelin / Presence