wakabyの物見遊山

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オスの子育て脳が発見された

2015-10-24 16:18:14 | 脳科学・心理学
オスが子育てをする気になる脳の部位が見つかったという、動物実験による興味深い研究結果が報告されたので、紹介したいと思います。

人間でも、親が子育てを放棄したり子どもを虐待したり、最悪の場合殺してしまったりという事件がよく報道されます。再婚した女が連れてきた子供に対して男がそういうことをするという事例が多いように思います。こういう話を聞くと、そんなことをするやつは人間の皮をかぶった獣なんじゃないか、と思ったりします。実際、ライオンのオスはメスとつがうと、そのメスが別のオスとの間にもうけた子どもをかみ殺してしまうと言われています。しかしこういうことをするのは動物(哺乳類)の話で、人間には道徳心や利他心などの高度な脳機能があるので、子どもを虐待するのは獣なみだと思っていたわけです。今回の研究結果は、オスには子どもを攻撃する脳の部位もたしかにあるが、子どもを子育てする脳の部位もあることがわかったという発見です。これはマウスでの研究なので、ヒトを含めた哺乳類一般にあてはまる可能性があります。そして、その脳の部位というのは、高度な脳機能を司る前頭前野ではなく、情動を司る偏桃体などもある大脳辺縁系というところにあるようです。

理化学研究所(理研)脳科学総合センター親和性社会行動研究チームの黒田公美チームリーダーたちによる研究で、国際科学誌『The EMBO Journal』(9月30日付け:日本時間10月1日)に掲載されました。
下記に理化学研究所によるプレスリリース(マウスの「父性の目覚め」に重要な脳部位を発見―オスマウスの子育て意欲は2つの脳部位の活性化状態に表れる―)の短縮版を引用します。

『ほ乳類の場合、子は未発達のまま生まれてくるので、母乳を与えるなど親による子育て(養育)が欠かせません。マウスでは、メスは若い時から子の世話をすることが多く、出産時の生理的な変化によってさらに養育行動が強化されることが知られています。しかし、オスは?となると、これがなかなか複雑です。交尾をしたことがないオスマウスは、養育はせず子に対して攻撃的です。しかし、メスとの交尾・同居を経験して父親になると、自分の子ばかりか他人の子までも養育します。この「父性の目覚め」現象に関わるメカニズムの1つとして、理研の研究者はこれまでに、子の発するフェロモンを鋤鼻器という嗅覚器官で検出することが子への攻撃には必要であることと、父親マウスでは鋤鼻器の働きが抑制され、子への攻撃行動が抑えられると同時に養育を促すことを発見しています。

しかし、「父性の目覚め」現象は、鋤鼻器が退化している類人猿でも見られることから、嗅覚などさまざまな感覚入力を受けとり子への行動を決定する、より高次の脳領域に重要なメカニズムがあるのでは、と考えました。そこでまず、子を攻撃するオスマウスと養育するオスマウスを、それぞれ2時間、子と同居させることによって脳のどの部分が活性化されるかを、神経細胞の活動の指標であるc-Fosというタンパク質を使って、詳細に調べました。

その結果、攻撃をしている時は前脳にある分界条床核(BST)という部位の一部分「BSTrh」が、養育するときには内側視索前野中央部「cMPOA」が活性化していることを突き止めました。BSTrhの機能を阻害すると子への攻撃が弱まり、またcMPOAの機能を阻害すると子を養育することができなくなりました。また、“光遺伝学的手法”を使って脳内のcMPOAに光を照射し活性化すると、子への攻撃が減ることも分かりました。cMPOAは交尾によっても活性化することから、メスとの交尾・同居を経験して父親になったマウスでは、BSTrhに対しcMPOAの活動が優位になることで攻撃を抑制し、子を養育するようになる「父性の目覚め」が起きている可能性を示しました。さらに、オスマウスが子を攻撃するか、養育するかは、cMPOAとBSTrhの2つの脳部位の活性化状態を測定するだけで、95%以上の確率で推定できることも明らかになりました。cMPOAとBSTrhはマウスと霊長類でよく似ているので、今後詳細な研究を進めることで、私たち人間の父子関係をより理解し、問題解決に役立つ知識が得られるかもしれません。』

以上、引用。
私も以前は子どもにほとんど興味がなかったのですが、子どもができてからは自分の子どもをかわいいと思うだけでなく、よその子どものことも気にかかるようになりました。それは明らかな変化です。

ひさしぶりの円覚寺参禅で管長サイン入り書籍を購入

2015-10-17 21:30:00 | 瞑想・仏教
ひさしぶりに円覚寺へ参禅しました(2015年10月11日)。

今回で円覚寺への参禅は15回目。この日はいつもの土曜坐禅会ではなく日曜説教坐禅会に参加しました。


今日は雨。8:20頃、大方丈前の門を通過します。


会場の大方丈。9時開始です。


坐禅会の入口で、横田南嶺管長が最近出版された本「禅の名僧に学ぶ生き方の知恵」を購入し、目の前で著者のサインを書いていただきました。いずれ買おうと思っていたのでちょうどよかった。いろいろ読みたい本がたまっているし遅読なので、これを読めるのはしばらく先になりそうですが、読んだら書評を書くつもりです。円覚寺に関係した禅僧を中心に紹介されています。


これが横田管長のサイン。

このあと、横田管長による説教会と、坐禅会がありました。
坐禅会では朝比奈教務部長が警策担当でした。この方は土曜坐禅会の担当の方と比べて思いっきり強く叩いてくれるので、かなりインパクトを受けます。正直痛いです。いつもは家で一人静かに坐禅を組んでいるので、たまにはこういう警策を受けると目を覚まさせられるというか。まあ、修行僧と比べたら全然生ぬるいことをしているだけなんですが。
坐禅会に参加すれば深い禅定に入れるからというわけではなく、むしろリセットするために来ているような気がしています。安倍首相だけでなく中曽根さんも坐禅会には参加していたそうです。円覚寺ではないですが。


さて、円覚寺ではモミジが少しずつ色付いてきました。


鎌倉の紅葉は京都ほどきらびやかではありませんが、円覚寺は紅葉の名所の一つとされています。

リニューアルしたエプソンアクアパーク品川

2015-10-11 16:10:42 | 動物園・水族館
7月10日にリニューアルオープンしたエプソンアクアパーク品川に行ってきました(2015年10月4日)。

品川駅前の品川プリンスホテルの敷地内にあるこの施設は、とても便利な場所にある都市型の水族館です。以前の水族館から、電飾やコンピューター制御の様々な装置が取り入れられた今風の水族館に生まれ変わった感じです。知的好奇心を満たしてくれるようなタイプの施設ではありませんが、いったん退場してもその日のうちなら再入場できて夜10時まで営業しているので、プリンスホテル周辺でのランチやディナーを組み合わせた楽しみ方ができそうです。娘と二人で行っていました。


入口。


時間の関係で、さきにザスタジアムのドルフィンパフォーマンスを見に行きます。


ハロウィーンにちなんだショーが始まりました。


前から3列目に座ったので、イルカによる水しぶきが飛んできます。
お菓子をあげなかったのでイルカからいたずらを受けるというハロウィーンの設定です。
カッパを着てなかったのでけっこう濡れました。


上から模様をえがいて水が落ちてきます。
こんなところがコンピューター制御ですね。




ショーの終了。
このあと、昼食のためにいったん外に出たあと、水族館に再入場しました。


ドルフィンパーティーという回転木馬みたいのに乗る。




こんな電飾が目立ちます。


マジックグラウンドというところに並んでいるバーチャルの水槽。
手でタッチするといろんな画像が出てきます。
子どもはこういうのが好きですね。




ここまで、マジックグラウンド。


ジェリーフィッシュランブル。


クラゲは、当てる光の色で何色にも変身する便利なオブジェと化します。




ワンダーチューブにはサメやエイのような大型魚類が泳いでいます。
これはネコザメ?
娘が顔を見て笑っていました。


エイたち。


ノコギリエイ?


フレンドリースクエアでペンギンのミニパフォーマンスがありました。


こっちを見てなにやら言いたげです。


こちらはアクアジャングル。


カピパラ?


カメレオン。
このように陸上動物も展示されています。


これは海藻だけを見せるアクアリウムか。


ウミガメ。

まあ混んではいますが、けっこう広いのでそんなに観客密度が高すぎることはありません。
そういう意味では、しながわ水族館より見やすいかもしれません。

にのみや吾妻山公園

2015-10-03 16:52:56 | 箱根・湘南・三浦
にのみや吾妻山公園に行ってきました(2015年9月23日)。

まだ雨の日が多いですが、晴れると秋らしく気持ちのいい季節になってきました。すこしだけ山歩き気分を味わえるところとして妻に勧められて行ったのが吾妻山公園。東海道線二宮駅はすぐ南が相模湾で、その駅から北に入ったところにあるのが吾妻山公園です。ここは吾妻山というくらいだからちょっとした山のような形をしていて、頂上は標高136mあります。手軽に行ける気持ちのいい場所でした。


吾妻山公園の登り口、役場口。


登り途中の森。


登り道。


頂上近くにはローラーすべり台の終着点が。


さあ、いよいよ頂上。
あっという間に着きました。
子どもはよくがんばった。


頂上のエノキと相模湾。


うっすらと富士山も見えます。
手前のコブのように見えるのはコブではありません、矢倉岳です。これでも標高870mの、筑波山くらいの高さのあるれっきとした山です。このあたりは箱根山系に入ります。以前登った時のレポートはこちら
富士山と並ぶとただの丘のように見えてしまいます。


うちの家族はこの桜の木の下でランチ・ピクニック。


ここの頂上の広場はよく整備されていて気持ちがいい。


ランチのあと、娘と二人でローラーすべり台に乗ったのでした。


アスレチック。


娘はこのくらいのクライミングはできるようになりました。


うさぎ園。


展望台から丹沢方面を望む。
右は大山。


箱根山系から伊豆半島方面。


頂上の芝生の上で昼寝している人がいます。
ビール飲んでこれするのがお勧めです。


さて、下山します。
森ではヒガンバナが満開でした。