wakabyの物見遊山

身近な観光、読書、進化学と硬軟とりまぜたブログ

2月の上野の森を散歩

2023-02-25 08:08:52 | 東京・川崎

天気のよい土曜日の午後に、上野の森を散歩してきました(2023年2月18日)。本来の目的は国立科学博物館に行くことだったのですが、そちらのようすは後日紹介します。

 

以前は上野駅の公園口を出ると、上野の森に入る手前に車道があって、横断歩道を渡っていました。それが、いつの間にか車道が無くなっていて、北側・南側で車道がそれぞれUターンするように作り変えられていて、人の流れがスムーズになりました。

 

公園内の掲示板に、今どんな展覧会が開催されているかが紹介されています。

 

東京都美術館ではエゴン・シーレ展という魅力的な展覧会が開かれていますが、きっと混んでいて疲れそうなので、今日は行きません。

 

上野動物園のパンダのシャンシャンは3日後には、中国に返されることになっています。私は結局見ることができませんでしたが、やんちゃな性格で人気のパンダでしたね。最後に一目見ようとたくさんの人が並んでいました。みんな泣いていますよ、動物の権利も認められていない中国なんかに送られて大丈夫なのかと。絶滅危惧種としての制限や、それをわざわざ貸し出すことによる政治的な思惑とか、裏にはいろいろあって大変なんです。ところで、動物福祉のレベルを世界で見ると、中国だけでなく日本も後進国らしいです。

 

テレビで見たことのある、水でお絵かきをするおじさんが実演していました。

 

おじさんは英語が上手で、外国人にプレゼンしていました。

 

野口英世の銅像は、はじめて見ました。この後、国立科学博物館に行ったのですが、それは今度紹介します。

 

科学博物館を見たあと上野の森を出て、東京芸大の前を通って、左折するとこんな住宅があって目を引きました。

 

上野の森の外をぐるっと回って、公園内に戻ってきました。上野東照宮にはじめて入ります。

 

外国人が多いですね。

 

徳川の家康・吉宗・慶喜が祀られています。

 

五重塔は、もともと上野東照宮の建造物だったものが、寛永寺、東京都へと所有者が変わり、現在は上野動物園内から近くに行けるようになっているらしいです。

 

唐門。この中に入るには拝観料が必要で、今回そこまでは行きませんでした。

コンパクトだけれど、きれいな神社でした。

実はこの日から花粉症で体調不良だったのですが、上野の森散歩は気持ちがよかったです。


入江川、今年のボラ遡上は?

2023-02-18 21:20:06 | バイオフィリア(身近な生き物たち)

地元の大口から子安を流れる短い入江川がありますが、昨年1月23日に、ボラ(おそらく)の大量遡上を目撃しました今年は、名古屋市など愛知県のほうで、ボラの大量遡上が観測されていて、ニュースにも出ていました(下記Youtube)。

 

「うわ、このへんヤバ!」ボラ“大量発生”市街地で相次ぐ 過去には東京でも…なぜ?(2023年2月10日)

 

今年ははたして上ってくるのだろうかと思って、1月後半から入江川に週末、毎週観察に行っていました。

1月22日、マガモのつがいがいます。

 

そして、去年ボラが遡上したときに集まっていたカワウもいます。

 

1月29日、キンクロハジロの集団がいます。先日、菊名池で見たときはほとんどオスしか見られなかったのですが、ここでは、オス・メスがちゃんと混合しています。

 

しかし、ボラの遡上は見られません。2月12日まで観察しましたがいっこうに見ることができませんでした。もしかしたら、1月前半以前に遡上したのか、私が来れなかった平日に遡上していたのか、そもそも今年は遡上しなかったのか、わかりません。

寒い冬に、暖かさを求めて川を上るのではと言っている人もいますが、正確な理由はわかっていません。今年は、愛知県では観察されましたが、他の地域ではほとんど報告がありませんでした。それも謎です。このように、動物の行動の不思議は意外と身近なところにも残っているものなのですね。


マイ・プレイリスト 2023 E-L

2023-02-11 08:06:38 | 音楽

私がスマートフォンでふだん聴いている音楽のプレイリスト(アーチスト名/アルバム名)について、前回はアーチスト名の頭文字でAからDまで、リストアップしました。今回は、年が2022年から2023年に変わりましたが、続けてアーチスト名の頭文字EからLまでをリストアップしてみます。()内に少しコメントも書いています。

 

【E】

エリック・クラプトンEric Clapton / Happy Christmas(わりとロック・テイストなクリスマス・アルバム)

【F】

フィッシュマンズFISHMANS / LONG SEASON(米国のRate Your Musicで上位にくる世界が認める日本のアルバム)

フィッシュマンズFISHMANS / 宇宙 日本 世田谷

フィッシュマンズFISHMANS / 空中キャンプ(フィッシュマンズではこれが好き、クオリティ高し)

フリートウッド・マックFreetwood Mac / Bare Trees(味わい深い)

フリートウッド・マックFreetwood Mac / Future Games

フリートウッド・マックFreetwood Mac / Greatest Hits

フリートウッド・マックFreetwood Mac / Mystery To Me(ボブ・ウェルチの曲がかっこいい)

フリートウッド・マックFreetwood Mac / Rumours(とにかく売れた名盤)

【G】

ジョージ・ハリスンGeorge Harrison / All Things Must Pass [Disc 1 & 2](ビートルズ解散後初のソロ、名曲ぞろいでサイケデリック)

ゴリラズGorillaz / The Singles Collection 2001-2011(ブラーのボーカリストの別プロジェクト、サウンド良し)

グレアム・コクソンGraham Coxon / Happiness in Magazines

グレアム・コクソンGraham Coxon / The Spinning Top(ブラーのギタリストのソロ、くせになるアコースティック・アルバム)

グレイトフル・デッドGrateful Dead / Anthem Of The Sun(酩酊しているようなお気楽音楽)

ガンズン・ローゼスGuns N' Roses / Use Your Illusion I

ガンズン・ローゼスGuns N' Roses / Use Your Illusion II(ドラマティックで鬼気迫る1曲目のCivil Warがすごい)

【H】

ハットフィールド&ザ・ノースHatfield & The North / Hatfield And The North 

ハットフィールド&ザ・ノースHatfield & The North / The Rotters' Club(カンタベリー系プログレ、これこそドリーム・ポップ)

【J】

ジャー・ウォブルJah Wobble / Alpha One Three(ハイパーな中近東風サウンド)

ジャー・ウォブルズ・インヴェイダーズ・オブ・ザ・ハートJah Wobble's Invaders Of The Heart / Everything Is No Thing

ジェイムス・タイラーJames Taylor / Sweet Baby James(細野晴臣が自分も歌おうと思ったきっかけボーカリスト)

ジャパンJapan / Obscure Alternatives

ジャパンJapan / Quiet Life

ジェフ・ベックJeff Beck / Best Of Beck(1月に亡くなった、唯一無二のギタリストでした)

ジェフ・バックリィJeff Buckley / Grace [Disc 1 & 2](サイケなジミー・ペイジ+初期レディオ・ヘッド的のようで、私の趣味にピッタリ)

ジョン・フルシアンテJohn Frusciante / The Empyrean(レッチリのギタリストのソロ、裏レッチリのような霊的・内宇宙的世界)

ジョイ・ディヴィジョンJoy Division / Substance

ジョイ・ディヴィジョンJoy Division / Unknown Pleasures

【K】

ケイト・ブッシュKate Bush / The Whole Story

キング・クリムゾンKing Crimson / The Condensed 21st Century Guide To King Crimson 1969-2003 [Disc 1 & 2]

【L】

レッド・ツェッペリンLed Zeppelin / Houses Of The Holy

レッド・ツェッペリンLed Zeppelin / Presence 


僕の読書ノート「メリットの法則 行動分析学・実践編(奥田健次)」

2023-02-04 07:48:16 | 書評(脳科学・心理学)

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)という、第3世代とよばれる認知行動療法の一つがあり、その原典ともいうべきスティーブン・C・ヘイズらの本を先に読んでいたのだが、なかなか内容が難しい。そこで、ACTのルーツである行動療法の一つ行動分析学について知れば、ACTの理解も深まるかもしれないというのと、複雑なACTよりもシンプルな行動分析学のほうが、子どもの問題行動などに対してはむしろ利用しやすいのではと思い、類書をあたったところ本書がよさそうだったので読んでみた。

行動分析学は、いくつかの用語を覚えれば基本的なことが理解できるようだ。ある行動には、その行動の直前と直後の状況がある。そのつながりを「行動随伴性」と呼ぶ。そうした、行動や状況(環境)のつながりで、ある行動が起きる理由を理解していくのが行動分析学である。だから、問題行動の原因を個人の内側に求めない。個人の内側に求めると、「精神が幼い」、「甘え」などといった「個人攻撃の罠」に陥り、解決できるどころか悲劇を生むことすらある。

行動分析学では、行動の前に生じた刺激によって引き起こされるものが「レスポンデント行動」と呼び、反射と呼ばれる種類の行動である。一方、行動の前ではなく、後に続く結果に行動の原因があるのが「オペラント行動」であり、行動分析学的なユニークな行動観である。行動の直後に生じた結果次第で、その行動が強まったり、弱まったりする。そうした原理は、アメリカの心理学者、B・F・スキナー博士らによる動物の行動についての膨大な実験から見出されたものだ。行動直後に生じた結果が好ましいものであれば「好子」、嫌なものであれば「嫌子」と呼ぶ。それらの「出現」や「消失」によって、行動が強化されたり弱化されたりする。つまり、4つの行動原理(好子出現の強化、好子消失の弱化、嫌子出現の弱化、嫌子消失の強化)で、あらゆる行動が説明される。こうした行動として具体的にはどういうものがあるのかは、長くなるのでここには書かない。とにかく、こうした原理を利用して、問題行動を変えていくことができる。

しかし、注意すべきは、「嫌子出現の弱化」は、罰的であり、多用することによる次のような副作用もあるということだ。①行動自体を減らしてしまう。②何も新しいことを教えたことにならない。③一時的に効果があるが持続しない。④弱化を使う側は罰的な関りがエスカレートしがちになる。⑤弱化を受けた側にネガティブな情緒反応を引き起こす。⑥力関係次第で他人に同じことをしてしまう可能性を高める。したがって、弱化は原則的に使用しないほうがいい。

さらに、「好子」や「嫌子」の、「出現」や「消失」が阻止されることによっても行動は強化されたり弱化されたりする。この阻止の随伴性も4つ(好子出現阻止の弱化、好子消失阻止の強化、嫌子出現阻止の強化、嫌子消失阻止の弱化)に分けられる。しかし、阻止の強化については、利点だけでなく、強迫性障害などの精神疾患を引き起こす要因となる可能性もあるという。

強迫性障害とは、たとえば、手を洗うことをやめられない、玄関の鍵やガス栓を閉めたかどうか何度も確認する、ほんのわずかな失敗によって大ごとになるのではないかと考え続けて不安になるなどの症状が強い場合である。この強迫行為のプロセスは次のようになる。たとえば、「公衆トイレのドアの取っ手を触る」ことが先行刺激であり、強迫観念として「大腸菌が自分の手に付着した」と考えてしまうと不安になり、念入りに手を洗うという強迫行為をしてしまう。すると、一時的に不安が下がる。しかし、もしこの強迫行為をするのをやめると不安を感じてしまう。そして、また同じような場面で不安が高まり、結局、手を洗わずにはいられなくなる。こうした悪循環を繰り返すことで、強迫観念はますます強くなる。さらに厄介なことに、強迫観念は容易に拡大していく特徴がある。「大腸菌は自分の手を経由してテーブルにも付着している」「服にも」となる。

強迫性障害には、エクスポージャーと呼ばれる明確な治療法が確立されている(若干ニュアンスが違うが、ACTのアクセプタンスに近い考え方だ)。不安を引き起こす刺激を与え続けることで、その刺激によって引き起こされる反射が次第に弱くなる、「馴化」を誘導するのである。たとえば、嫌子出現阻止の強化になっていた行動随伴性(直前「やがて手が汚れる」→行動「何度も手を洗う」→直後「手が汚れない」)を、介入によって嫌子消失の強化(直前「手を汚してみる」→行動「水道で手を洗う代わりに同じタオルで拭う」→直後「タオルで拭った分だけ汚れが落ちる」)に置き換える。ここで、「手を汚してみる」はエクスポージャーであり、「水道で手を洗う代わりに同じタオルで拭う」は行動を少し変えてもらう「反応妨害」であり、このような行動随伴性を繰り返し行うことで、「馴化」を生じさせるのである。不安を下げようと考えるのではなく、不安を感じる状況から逃げずに別の行動をし続けることで、結果として不安は下がると考える。

いわゆる「困った行動」の解決に、機能分析は役立つ。たとえば、子どもの不登校という問題がある。不登校の子どもの要求に大人が従うというケースが多い。たとえば、不登校の子どもが親によって、ファミリーレストランに連れて行ってもらって食事をする、ゲームをさせてもらえる、うるさい親のいない別室でマンガを読むなどを、許されたりさせたりすることで、好子出現の強化や嫌子消失の強化など、学校に行かずに家庭で過ごす行動を強化するような状況になっている。そのような場合は、自宅で自由にアクセスさせている好子をすべて親の管理下に置き、学校に行く行動の結果に応じて、少しずつ与えていくのだ。なお、学校に行くことで嫌子出現があるのなら、それを撤去する方法ももちろんあるが、学校が協力的である必要がある。

応用行動分析学の技法の一つに「トークンエコノミー法」がある。トークンとは、貨幣の代用という意味である。たとえば、子どもに毎月無条件であげている小遣い5000円をやめて、宿題を毎日やって、皿洗いを2日に1回程度やると、月に合計6000円から7000円の小遣いをあげるようにする、もっとやれば8000円から9000円にする。そうすると、実際に行動が変わるという。ここでは、課題や金額の決め方など「さじ加減」が大切だという。こういうシステムにした最初は、子どもは文句を言ったが、そのうち生き生きとした姿に変わった。

FTスケジュールという方法がある。FT(fixed time)とは「時間を固定させて提示する」という意味で、行動に随伴させるのではなく、時間ごとに好子や嫌子を提示するのである。つまり、行動に無関係に好子を提示するのであり、たとえば5秒ごとに好子を提示する(チョコレートを1粒渡すなど)とか、1分ごとに好子を提示する。その好子が出現する直前のタイミングで、特定の行動をしていると偶発的にその行動を強化することになる。

あとがきに著者自身の歩みが書かれている。大学教員をしていたが、生活の安定と引き換えに元気が出なくなることが多かった。そんな生活を捨てて、「したいからやる」行動随伴性の生活を取り戻して、元気に生きていると述べている。