Music Mania

No Music No Life

Adoの握手会

2024年06月23日 | 邦楽
絶対顔見せしない歌手のAdoが握手会をしたという。
それも、本人はボックスの中にいてファンはボックスの穴に手を入れると握手出来るという異様なイベントだったらしい。
さらに会話も禁止とのことで、本当に中にいるのがAdoなのかどうかもわからないという。

これって面白いよね。
奇想天外というか、滑稽というか、いかにも日本的だと思う。
Ado本人かどうかの確認は出来ないけど、ファンの方は厳重なセキュリティチェックがあり、厳しく本人かどうか確認されるらしい。
それでも、この奇妙な握手会が奇妙であるがゆえに話題となり、ネットニュースで取り上げられてる時点でAdo側の勝ちである。

で、絶対顔出ししないAdoながら、普通に生きてる現代人である限り、どこかで顔バレするのは当たり前のこと。
案の定、ネットでは素顔が晒されてる。
そもそもAdoのファンって10代とか若者が多いので、ほとんどの人は顔を知ってると思われる。
そうなると、余計にボックス握手会が滑稽なものに見えてくる。

ところで、僕はAdoの曲って「うっせぇわ」と「新時代」しか知らなかったので、この機会にいろいろ聴いてみた。
すると彼女は顔云々ではなく、歌唱力だけで十分戦えるポテンシャルを持ってることがよくわかった。
とくに表現力が頭一つ抜けている。
椎名林檎の影響が感じられるけど、アクの強さと普遍性のバランスがちょうどいい。
当たり障りのないボーカルが多い昨今、この程よいアクの強さは大きなアドバンテージがある。
曲の幅の広さもいい。
新曲の「MIRROR」みたいなジャジイな曲もいい。
椎名林檎好きならきっと気に入ると思う。


【Ado】MIRROR

コピーバンド観戦

2023年07月29日 | 邦楽
先週の土曜日(7月22日)、松阪のライブハウスMAXAへ友人たちのライブを見にいった。
出演バンドはコピーバンドばかりで、バービーボーイズ、ジュンスカイウォーカーズ、ボウイ、ブルーハーツと僕の世代ド真ん中である。
どのバンドにも友人知人がいて、満員のお客さんも友人知人だらけである。
昨年までコロナ禍ということもあり、久しぶりに会う方も多く、かなりの盛り上がりが予想される。
うちのバンドからはボーカルなっちゃんとベースミチナカさんも来ていた。

1番目はバービーボーイズのコピバン、Bs Kneesで、名前こそ違えど事実上G-SPCである。
僕はかつてこのバンドのサポートギタリストをしていたけれど、メンバーはほとんど変わっていた。
ここはなんといっても男女ツインボーカルが素晴らしい。
とくに男性ボーカルはすごくハイトーンなので、歌いこなせる人は少ないのだけど、ここは完璧だった。
サックスも入ってサウンド面でもしっかりバービーだった。

2番目はジュンスカのコピバン、SHOSE COIN ROCKERSで、この日のライブはここのベースさんからのお誘いだ。
彼はいつもKai☆Sixのライブに来てくれて盛り上げてくれるので、今日は僕が盛り上げる番である。
最前列に移動してガンガン拳を振り上げ声援をおくる。
のだけど、最前列付近は乱闘になるのでは?というくらい大暴れ状態だ。
流石のバンド演奏は抜群の安定感だ。
ストレートなパンクサウンドと親しみやすいメロディなので、火に油を注ぐようにドンドン盛り上がっていく。

3番目はボウイのコピバン、乙☆三で、4月に花魁ROCKERとも対バンしたバンドである。
ボーカルさんは相変わらずかっこいい。
若い頃はさぞモテたことだろう。
全曲知ってるし、自分も弾いたことのある曲も多いので、見どころはたくさんある。
そして僕がやってた頃のボウイバンドよりずっと上手い。
みんな大好きBOOWYなので、やはり最前列付近は大暴れで、いかにもライブハウスでのロックのライブという風景だ。

トリはブルーハーツのコピバン青心で、専属ボーカルではなくギターボーカルのトリオ編成なのが珍しい。
系統してはジュンスカと似ているブルーハーツだけど、世間の知名度としてはこちらが上だろう。
そして名曲も多い。
ジュンスカやブルハあたりが後の青春パンクへと繋がるんだと思う。
トリということで、客席前方はよりいっそう大暴れ、コロナ禍の終わりを象徴するような光景だ。

というわけで、怒涛のような激しいライブは終わった。
僕としては、いつも盛り上げてくれる人たちのライブで、ようやく恩返しが出来たかなと思う。

山下達郎問題

2023年07月15日 | 邦楽
山下達郎がジャニーズ批判をしないことでバッシングされている。
きっと山下達郎なら厳しい態度で発言してくれるに違いないと思い込んでた人たちが、期待外れなことしか言わなかったので怒ってるのだろう。
どうせ今怒ってる人たちも、数ヶ月もしたら忘れてしまって12月にもなれば例年通り「クリスマスイブ」を聴くんだろうけど。

ジャニー喜多川が多くの少年に性暴力を行っていたのは重大な犯罪であり、これはもっと大騒ぎしていいことだ。
どうも男同士ということで、そこまで問題視されてない気がするけど、これがもし秋元康がアイドルの少女に性暴力を行っていたらもっともっも問題になったはずだ。
少年も少女も関係ない。
ジャニー喜多川は故人となっても有罪にならなければおかしい。

というわけで、一番悪いのはジャニー喜多川本人で、次に悪いのはそれを黙認していた事務所の人間である。
どれくらい知ってたのかわからないが、時としてかなり重大な共犯者になりうる。
そして、次に悪いのは、そんな噂を耳にしながらもジャニーズに忖度し続けたメディアである。
ジャニー喜多川が死ぬまで公に出来なかったのはメディアの責任だ。

それらの悪事に比べたら山下達郎の発言なんてどうってことない。
わりと偏屈なところのある彼のこと、まあ仕方ないよね、と思う。
それよりも、SNSは一切やりません、サブスク配信もやりませんってのは時代錯誤だし、老害と思われても仕方ないだろう。

サロメの唇

2023年04月08日 | 邦楽
サロメの唇という昭和歌謡に強い影響を受けたバンドを知ったのはつい最近のことだ。
残念ながらちょっと前に解散してしまったのだが、彼らの残した音楽は今も聴くことが出来る。
そのセンス、楽曲のクオリティーの高さ、歌や演奏のスキルの高さに驚き、すっかりはまってしまった。

サロメの唇は、ベースの水のさとしが仕切っていて、楽曲制作だけでなく、総合プロデューサーとしてのイメージ戦略、さらにマネージメントまでやっていたようで、彼がいかにディープな昭和マニアなのかがよくわかる。
おそらく歌謡曲だけでなく、昭和40年代から50年代はじめくらいの映画、テレビ番組、さらに現代に残る昭和的施設(ドライブインや怪しげな秘宝感など)も研究していると思われる。
そんな水のさとしの思い描く昭和的世界観を見事に表現しているのが、ボーカルの橘京子(芸名っぽい)だ。
昭和の女性ボーカルといってもいろいろなタイプがいるわけで、曲に合わせてあるときは美空ひばり風、あるときは和田アキ子風、そしてあるときは中島みゆき風だったりするのだ。

彼らの音楽を聴くと、僕のような昭和生まれ昭和育ちの人間には、いかにも当時そのものの歌謡曲のように聴こえるが、よく聴くと決して昭和の頃にはなかった現在のロックであることがわかる。
昭和歌謡の演奏は基本的にビッグバンド形式であることが多いが、サロメの唇はシンプルにギター、ベース、ドラム、フルートだけで、せいぜいたまにピアノが入るくらいだ。
こんなにシンプルなロックサウンドで歌謡曲のバックを固めているような曲は昭和の頃はほとんどなかったはずだ。
それでいながら、ここまで昭和を感じさせるメロディ、アレンジ、歌唱などはさすがだと思う。

もう一つ彼らの特徴で取り上げねばならないのは、民謡や音頭といった日本古来の音楽を取り入れているところだ。
岡林信康なんかもエンヤトットのリズムを取り入れたりしてたが、サロメの唇はもっと高度に民謡とロックの融合が成功していて、違和感がない。
好き嫌いは分かれるところだと思うが、これはいい試みだ。
それだけに、解散したのが惜しい。

サロメの唇 / サルビアをわたしに

カネコアヤノ

2023年02月10日 | 邦楽
カネコアヤノ「タオルケットは穏やかな」

生まれてくる時代を間違えた女ことカネコアヤノの最新作だ。
今回のアルバムは初めて聴いた瞬間から良さげな予感がして、聴き込むほどにジワジワ良さが倍増してきた。
シンプルなギターロックで、オーバーダブも最小限に留められていて好感度が高い。
前作までバンドアレンジ版のほか、弾き語り版のアルバムも発表されてたけど、今回は今のところバンド版のみとなっている。
基本的にポップで親しみやすい曲を丁寧に歌っていて、バックバンドもそれを邪魔せず引き立て役に徹してるようだ。

カネコアヤノ - わたしたちへ / Kaneko Ayano - Watashitachihe


カネコアヤノ「単独演奏会2022秋」

昨年9月26日に横浜の関内ホールで行われた弾き語りライブだ。
サポートなしの完全ソロライブで、約1000人の客相手に歌っている。
全18曲、おそらくフルセットだろう。
この人は最近のアーティストにしては珍しくスタジオ版とライブではだいぶ印象が異なる。
やさしくポップなスタジオ録音と違い、ライブでは生身の身体を全力でぶつけてくる。
その熱量がすごい。
時には音程が外れたり声がかすれたりするのもお構いなく、激しくギターをかき鳴らし、声の出る限りをつくして歌うのだ。
大人しく歌うときは、聞き取りづらいほど消え入りそうな声になり、盛り上がるところは叫ぶように歌う、その落差、表現力も秀逸である。


4K【カネコアヤノ Ayano Kaneko 新宿駅前ライブ🎸 No War ☮️】2022.3.5 @新宿駅南口バスタ前