Music Mania

No Music No Life

住む。

2013年04月07日 | 読書


「住む。」という雑誌がある。
人が家に住むとはどういうことか、がテーマになっているのだが、なかなか面白そうだったので購入した。

よくハウジング関連の雑誌だと家を建てることばかりで、肝心の住んでからのことが語られることは少ない気がする。
それに対してこの「住む。」は家が完成してからが長い長い「住まい」の始まりで、それは住む人が育てていくものだという。

「住まい」とか「生活空間」というと、ついモデルハウスのような立派な豪邸だったり、あるいは都内の夜景の見えるマンションがイメージされがちだが、この雑誌は違う。
今月号(というより季間)は借家特集で、それは築70年以上のアパートだったり平屋だったり、雑草に埋もれた木造家屋なのだ。

生活というのは、食べる、寝る、トイレする、お風呂に入る、テレビを見る、インターネットをする、など様々な行為全般のことだが、それをただのルーティンワークとしてこなすか、あるいはクリエイティブな行為としてそれを楽しむかで大きく変ってくる。
借家の場合、壁や設備が汚れていたりすることもあると思うが、それを汚いと捉えるか、長い年月の痕跡で歴史が刻まれていると捉えるかで印象は大きく異なるだろう。

ここで紹介されている「住まい」は、どれもオーナーのセンスが良く、丁寧で、何より生活を楽しんでいる。
いくら高級物件に住んでいても、寝に帰るだけだったり、ストレスのたまる空間だったり、最悪ゴミ屋敷なんかにしてしまっては何にもならない。
いかにして住まいを育てていくかが鍵となり、そうやって年輪を刻み続けていくことに「知」の喜びが感じられるようになれば幸いだと思うのだった。