Music Mania

No Music No Life

ビッチェズ・ブリュー

2017年12月10日 | 音楽
苦手な音楽はなんですか?と聞かれたら、1秒の間もおかず「ジャズ」と答える。
そうはいっても、周りにはジャズ好きの人もけっこういて、やれ「ビル・エヴァンスだけは聴いておけ」だの「40過ぎたら普通はジャズ」だの言われたりする。
そんなこと言われたら益々、「絶対ジャズなんか聴いてやるもんか」と反発したくなってしまう。

とは言いながら、ボーカル入りのポップジャズというか、そういうのならまだとっつき易く、とくにロックや歌謡曲をジャズアレンジしてるアルバムなんかは聴きやすい。
例えば、キング・クリムゾンの名曲をジャズアレンジした「クリムゾン・ジャズ・トリオ」というアルバムや、トニー・スナイダー(ゴダイゴ)の娘が歌うジャズアルバムはお気に入りである。

それでも、ときどきユーチューブでジャズの名盤なんかも聴いたりはしてるのだが、なかなか「これは!」というものに出会わない。
そんなある日、ついに「これは!」というアルバムに出会ってしまった。

ジャズの帝王、マイルス・デイヴィスの「ビッチェズ・ブリュー」というアルバムである。
なにが「これは!」って、このアルバムぜんぜんジャズっぽくないのである。
ジャズの大名盤と言われるアルバムなのに、僕の耳にはロックにしか聴こえないのだ!



リズムは4ビートでも変拍子でもなく、普通に8ビートである。
メロディらしいメロディはたまに出てくるだけで、ほとんど即興演奏だと思われる。
ロックで即興演奏というと、70年代初期のハードロック、サザンロック、ブルースロックのライブで定番だけど、それらよりずっと親しみやすく聴きやすい。
いや、親しみやすいのではなく、完成度が高いのかもしれない。
キング・クリムゾンの即興演奏なんて、メロディどころかリズムすらないのもあって「結局なにがしたいの?」みたいなのもあるけど、そんな難解さはないのだ。

このアルバムの曲はどれも長い。
そしてどれも同じように感じる。
それでも退屈せず、なかなかの緊張感をもって聴くことが出来る。
そしてけっこうハードな演奏も随所に出てくる。
これはカッコいいロックアルバムだ。



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